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【特集】「日本で働きたい!」ができる場所 新今宮に誕生!ホテルも兼ね備えた新施設とは

2019年10月01日(火)放送

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以前は「日雇い労働者の街」として知られていた大阪の新今宮。南海とJRの駅があり関空からのアクセスもいい新今宮は、大阪のシンボル・通天閣や天王寺動物園がすぐ近くにあり、3年後には星野リゾートのホテルが開業予定と今ホットなエリアに生まれ変わろうとしている街です。そんな新今宮に9月28日、外国人をターゲットにした全く新しい施設が誕生しました。

ホテルも備えた「YOLO BASE」とは?

9月28日土曜日、大阪・新今宮に日本を訪れる外国人をターゲットにしたホテルを備えたある施設がオープンし、前日には報道向けの内覧会が開かれました。その名は「YOLO BASE」。一体どんな施設なのでしょうか。

取材班は8月5日に建設中のこの場所を案内していただきました。

「右側が観光バスが9台止まれるような駐車場を予定していまして。ドミトリールームで1泊3500円ぐらいからで、個室でも5500円ぐらい。」(「YOLO JAPAN」 加地太祐社長)

こう話すのは施設を運営する「YOLO BASE」の加地太祐社長です。敷地面積約1500坪、関西空港からのアクセスもバッチリのこのホテルには、外国人が日本を好きになるような仕掛けが用意されていると言います。

100人のアーティストが手掛けるイロトリドリの客室

9月5日、再び取材班はYOLO BASEを訪ねました。施設内の一角にはペンキなどのたくさんの画材が。そして客室をのぞくと…全面の壁をペインティングする1人の男性の姿が。青色の壁に漢字のような文字を白く太く描いています。

「ここまで自由に使って描いていいですよっていうのはなかなかないので、ありがたいなと思います。」(男性)

このホテルでは、76ある全ての部屋と受付などの様々なスペースに総勢100人のアーティストが作品を描いているのです。

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別の客室では白い壁にマジックで“ライオン”を描いている女性がいました。

「油性マジックでほとんど描いています。下書きとか構想をせずに自分の思うままに進めているんですけど、泊まりながら1本1本の線から臨場感を味わってもらえたらと思います。」(女性)

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他の部屋では壁をオレンジと白で塗り、カラフルな絵を描く男性が。海外の子ども部屋をイメージしたといいます。

「(壁に描いているのは)旅しているモンスターなんですけど、見た目とか人種とか関係なく世界中、旅をできるような世界になったらいいなと思って。旅をしているキャラクターが友達と会っているところです。日本のアーティストでもこういうのが描けるっていうのをわかってもらえたらうれしいですね。」(男性)

「日本で働きたい外国人×就職先」をマッチング

最前線の日本のアートで観光客をもてなすこのホテル。しかし、加地社長の狙いはそれだけではありません。

「観光のインバウンドと就労のインバウンドを両方狙っていまして。」(「YOLO JAPAN」 加地太祐社長)

就労のインバウンドとは。施設を運営する「YOLO JAPAN」は、日本で働きたい外国人と就職先をマッチングするサービスを行っています。「オンライン面接」で日本語能力や文化の違いをすり合わせ、外国人を雇ったことのない企業でも安心して雇えるような人材を斡旋してきました。

【オンライン面接の様子・2018年8月取材】
(スタッフ)「お名前をゆっくり教えてもらってもいいですか?」
(イタリア出身の女性)「わたしの名前はフランチェスカです。」
(スタッフ)「タトゥーが見えたんですけど、タトゥーは腕にありますか?」
(イタリア出身の女性)「タトゥー?腕(にあります)」
(スタッフ)「日本ではちょっとタトゥーがだめっていうお店もあるんですけど、その時に何か巻いてもいいですか?」

現在、日本で働く外国人を巡る環境は大きく変わりつつあります。2018年12月に野党の猛反対の中「改正出入国管理法」が成立し、2019年4月から新たな在留資格「特定技能」が設けられました。そんな中、加地社長が目を付けたのは既に日本に住んでいる外国人です。

「いきなり海外から呼んで一から教えるというよりも数年住んでいただいている外国人が日本の企業に就職する方が合理的というか、すごくいいんじゃないかなと思っています。」(「YOLO JAPAN」 加地太祐社長)

ホテルスタッフは全員外国人 日本語がほとんど話せない人でも雇用

この施設は外国人が日本で働くのをサポートする場所でもあります。ホテルでは清掃スタッフたちがトレーニングをしていました。スタッフ同士の会話を聞いてみると…

(スタッフ)「We need to do 3rd froor.(3階も掃除しないと)」
(スタッフ)「2 persons I need.(2人でやりましょうか)」

ここのスタッフは全員外国人なのです。このホテルの特徴は、日本語がほとんど話せない人でも雇用しているということ。

「10か国ぐらい、いろいろな国の外国人がいます。(Q日本語はしゃべられる?)1人か2人はしゃべられるけど、みんな英語の方がいいと思います。すみません。」(スリランカ出身のスタッフ)

そして、日本語が苦手だというスタッフは清掃などの裏方だけでなく、なんとフロントにも配置されています。

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「日常会話ぐらいの会話とひらがなカタカナはわかりますが、漢字はちょっと難しいです。」(カナダ出身のスタッフ)
「(この仕事は)インターネットで見つけました。仕事を探していて、そのタイミングで募集していて、『No Japanese Required=日本語不要』(と書いてあったから)やってみようと思いました。」(フィリピン出身のスタッフ)

「日本で働く、日本で生活をする」をもっと簡単に

目指すのは日本で働きたい外国人とその外国人を雇用したい企業交流の場です。加地社長は「日本語が話せなくても仕事が任される」ということが、外国人にとって大きな自信になると話します。

「僕らは『しゃべれないけど魅力はあるということを伝えていこうぜ』っていうのをみんなで共有していますので、外国人は日本語がしゃべれないから能力がないのではなくて、言語がしゃべれなくてもしっかり日本で働いてみんなを喜ばせることができるんだ、というのをわかっています。」(「YOLO JAPAN」 加地太祐社長)

「YOLO BASE」では、日本で働くのに慣れていない外国人のため、学習塾の明光義塾と提携し、週に1回無料の日本語講座を開催する他、企業から依頼があればその企業のアルバイト従業員が特定技能ビザを取得するためのテスト対策も行って、ステップアップを後押ししていくといいます。

新今宮の地に生まれた、外国人労働者のための場所。まだ外国人を雇用したことがないという企業には、この場所をモデルケースとして見てほしいといいます。

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「できるだけ日本語で話したいですから、別の国の外国人もいっぱいいるし、いろいろな文化も学ぶことができます。」(インド出身のスタッフ)
「チリ、ドイツ、スリランカ、インド、ネパール、マレーシア、ブラジル、フィリピン…みんな一緒に働きます。とてもおもしろい。」(スリランカ出身のスタッフ)
「(お客さんに)声をかけるとかコーヒーの説明をするとか、すごく楽しい。カフェ大好きなんですよ。もちろん、ブラジル人だから。」(ブラジル出身のスタッフ)

「日本で働く、日本で生活するということをもっと簡単にすることができるんじゃないかなと思っています。それが世界に求められる“かっこいい日本”とか、“日本っていいよな”につながっていけばいいと思います。」(「YOLO JAPAN」 加地太祐社長)

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