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【特集】有料駐輪場に止めたのに...「放置自転車として撤去」はなぜ?京都市で疑問の声が急増中

2019年09月26日(木)放送

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身近な移動手段として自転車の利用を推奨している京都市で、駅前や路上の有料駐輪場に自転車を止めたにもかかわらず、なぜか放置自転車として行政に撤去されてしまうというケースが相次いでいます。一体どういうことなのでしょうか。

京都市「世界トップレベルの自転車共存都市」を目指すも駐輪場が足りない

一方通行や狭い路地が複雑に絡み合う京の町。そこで市は、環境にも優しい手軽な乗り物として自転車での移動を推奨し、「世界トップレベルの自転車共存都市」を目指している。

京都市は駐輪場の整備も進めている。3年前に京都・中京区にオープンした月極めの地下駐輪場では入口のボタンを押すだけで自転車が自動的に地下へと運ばれていく。市内の駐輪場での収容可能台数は昨年度末時点で、約5万7000台。それでもまだ足りていないのが現状だ。

京都・下京区にある駐輪場では管理会社の社員が朝から夕方まで常駐し、スペースに収まり切らない自転車を整理している。

「収容台数68台あるんですが、それでは収まり切らない状態。(Qこんなことになると思っていた?)思ってないです。」(管理会社の社員)

市内のほぼ全域を駐輪禁止区域…放置自転車の撤去も厳しく

市は都会での「自転車ライフ」をすすめる一方で、市内のほぼ全域を駐輪禁止区域に指定し、違法駐輪や不法に乗り捨てられた放置自転車の撤去にも力を入れている。

市内を放置自転車の撤去作業車が巡回する。
『放置している自転車および電動機付き自転車を速やかに移動させてください。移動されない場合は京都市において撤去します。』(撤去作業車からのアナウンス)

たとえ短い時間でも情け容赦はない。

「(駐輪場が)いっぱいだったんでね。入れるところがなかったので、置いたんですけれども。1時間だったんです。(撤去作業車に)載せているところだったから戻ってきたが、『載せてしまいました』って。『罰金払うからここで返してほしい』と言ったら『罰金係とはまた別』と言われて…」(撤去された男性)

市は放置自転車の数が10年前と比べて約30分の1に激減したと胸を張るが、撤去された人は撤去料を支払わなければならない。

利用者がひっきりなしに訪れる駐輪場

京都・下京区の阪急大宮駅近くにある駐輪場を記者がしばらく観察した。皆、撤去を避けるために駐輪場へと駆け込むが、空きスペースがなかなか見つからないという人の姿が絶えない。中には空いたチャンスを逃すまいと、場所取りをする人も。

結局、駐輪場所を確保できなかった人は仕方なく路上に止めるか、ラックの外側に止めているが、ラックの外は「道路」とみなされるため放置自転車として撤去の対象となってしまう。

ラックの外側に駐輪した人に話を聞いた。

「空いていなかったから。放置自転車の撤去の係の人が来たら持って行く。鍵をこう(施錠)していても持っていくね。(Qわかっているのに止める?)止める。そこはもうバクチやね。30分置いてどうなるか…」(ラック外に駐輪した人)

「有料駐輪場に止めたのに…放置車両として撤去」が急増

自転車の駐輪を巡っては新たな問題も起きている。市によって撤去された自転車が集められている京都・中京区にある三条千本保管所。多い日で1日150人もの人が自分の自転車を引き取りにやって来る。ところが、京都市によると最近、有料駐輪場に自転車を止めたにもかかわらず、なぜか放置車両として撤去されてしまったという人が急増しているという。自転車を取りに来ていた女性に話を聞いた。

【自転車を取りに来た女性】
Qどこに置いてた?
「四条大宮の自転車置き場に。」
Q駐輪場に置いていたのに撤去された?
「はい。」
Qちゃんとラックに止めた?
「はい。」
Qそれでも撤去される?
「なんか戻ったら無くてびっくりした。」

この女性は9月上旬、駅前の有料駐輪場を利用し、約1時間後に戻るとラックに止めたはずの自転車が姿を消していたという。

駐輪ラックを誰かが「横取り」?

一体どういうことなのだろうか?

「こっちは事情はわからないが、撤去した時には絶対に道路に出ているので、あくまで想定だが、“他の人が出す”場合もあると思う。(Q撤去された人は納得する?)納得されない方もおられます。お金(保管料)を払って喜んで返してもらう人はいない。」(保管所の職員)

路上などにある有料駐輪場の多くは、前輪をラックに固定すると施錠される仕組みになっている。

多くの駐輪場の場合、入庫から1時間以内なら無料で出庫することが可能で、ラックごとに割り振られた番号を機械に入力すれば誰でも簡単に開錠できてしまう。つまり、満車状態の時に他人の自転車を勝手に開錠して移動させ、駐輪ラックを「横取り」する人がいる可能性が高いというのだ。

さらに…

「こちらの自転車、押し込みが甘いのかロックがかかっていません。こちらの自転車もロックがかかっていません。」(記者リポート)

こういった、そもそもきちんとロックされていない自転車も同様の被害に遭う可能性が高いという。

泣き寝入りを強いられる利用者…京都市は?

駐輪場に止めたはずの自転車を撤去されてしまった女性は保管所で事情を説明したが受け入れてもらえず、結局、撤去保管料2300円を徴収された。

「(保管料)2300円を取られるのは結構いや。駐輪場の中でというのは初めて聞きました。(Qあきらめるしかない?)はい。」(自転車を取りに来た女性)

これについて京都市は…

「悪意のある人については、我々としてはルールやマナーはしっかりと守っていただいて、自転車を利用してもらうのが第一だと思っています。」(京都市自転車政策推進室 山崎正和課長)

京都市では現状、第三者が移動させたのか立証のしようがないため自転車の保有者に撤去保管料を払ってもらわざるを得ない状況だという。実は京都市が管理しているラック式の駐輪場では、無料利用時間中でも暗証番号を設定することができ、市は盗難防止対策などのために設定を推奨しているという。しかし実際のところ利用率はわずか8%だそうだ。

心無い人のせいで泣き寝入りを強いられる利用者。自転車共存都市を目指す京都市の対策が待たれている。

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