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世界で解禁相次ぐ『大麻』タイの最新研究事情!日本の今後は?

2019年09月17日(火)放送

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日本では無許可で所持すれば厳しく罰せられる「大麻」。しかし、日本以外の国では大麻を解禁する動きが加速しています。海外で続々…大麻解禁の事情を取材しました。

タイでは医療用大麻が合法化…始まった研究

大阪から飛行機で約6時間。タイでは今年2月、医療用に限定して大麻の使用が法律で可能になりました。現在は実際の運用に向け、安全に大麻を使うための研究が進められているといいます。

「タイのランシット大学にやってまいりました。医療用大麻が解禁という流れを受けまして、こちらの建物の中で大麻が栽培されているということなんです。日本ではもちろん大麻は違法薬物ですから、私も見たことないですし、ドキドキしますね。…見えてきました、こういうものか。」(辻憲太郎MBS解説委員)

タイ・ランシット大学の建物の屋上に並んでいたのは…栽培されている大麻。ガラスで囲まれた部屋の中で育てられているものもあります。

(辻解説委員)「有機大麻栽培と書かれています。」
(女性研究員)「こちらは室内栽培です。このシステムを使うことで、水と空気、肥料を総合的に与えています。その隣では、屋外で有機栽培を行っています。」
(辻解説委員)「いつ研究栽培を始めましたか?」
(女性研究員)「許可が出たのが今年の5月2日です。まだ始めたばかりです。」
(辻解説委員)「薬を作るには、屋外と屋内のどちらがいいかは分かっているんですか?」
(女性研究員)「そこはまだ研究中です。」

(辻解説委員)「鉢植えの横に管が通っていますけれども、自動的に水をやるシステムも研究していると。いかに効率的に大麻を栽培できるかという研究もまさに今始まったばかりなんですね。」

警察が押収した大麻が研究に転用

栽培の他に製品化の研究も行われています。

(男性研究員)「こちらにある大麻をお見せしますね。薬の材料となる大麻です。ランシット大学では40kgの大麻所有が許可されていて、ここから研究者に渡します。」

棚に並べられたいくつもの塊は、一つが1kg。実はこれ、全て警察が押収した大麻で、実験に転用されています。

たばこ状にしたものを吸う以外に、この施設で作られていたのが「大麻オイル」です。

(辻解説委員)「PTSD(=心的外傷後ストレス障害)に効果があると。あとはパニック症候群とかですね。この大麻オイルはどうやって使うんですか?」
(女性研究員)「医者が垂らすんです。直接、患者の舌の下に。」

錠剤に加工する研究も進んでいます。

(辻解説委員)「箱にタブレットが入っているんですけれども、購入したらいくら?」
(男性研究員)「最終的な値段は決まっていません。医薬品メーカーなどが作るための見本が完成しただけということです。」

大麻オイル抽出機『ハーブプレッソ』

そして薬品以外にも、大麻産業のすそ野は広がり始めていました。研修室に置かれた『ハーブプレッソ』と書かれた機械…。

(辻解説委員)「これはもう凄いですよ。大麻がOKになったということで、こういう機械が出てくるんですね付随して。名前が面白いです。コーヒーのエスプレッソというのがありますけれども、ハーブプレッソということで。大麻からオイルを抽出できる機械です。」

機械は完成したばかりですが、この先の販売には手ごたえを感じているようです。

(辻解説委員)「この機械はいくらですか?」
(男性研究員)「500万バーツ(約1760万円)です。」
(辻解説委員)「問い合わせはありましたか?」
(男性研究員)「はい、多くの人に興味をもってもらっています。」

大麻解禁の背景にある『ハームリダクション』って?

実は最近、タイのように条件付きで大麻の使用を認める国が次々と出てきています。ドイツではおととし、医療用大麻を合法化。韓国も同様に今年、医療目的に限って使用を解禁しました。一方、カナダでは去年、『娯楽目的での大麻の使用』はもちろん、『栽培』まで認められました。

 日本では大麻取締法により、大麻は所持・譲渡・譲受・栽培が禁止されています。元厚労省麻薬取締部の牧野由紀子さんによると、大麻には記憶障害・運動機能障害・知能指数の低下・肺がん・幻覚症状などのリスクがあるということですが、その大麻がなぜ海外では解禁され始めたのでしょうか?

(元厚生労働省麻薬取締部 牧野由紀子さん)
「ドイツとかフランス、イタリア、イギリスは30~33%、生涯で大麻を経験する人が。アメリカは40%以上。日本は1.2%ぐらいなんです。少量ならば、どうしても我慢できないなら、吸ってもいいよというような考え方。これをハームリダクションというんですよ。」

(辻解説委員)「ここ数年で(解禁国が)いくつか出てきているのは、諸外国で蔓延しているので、それならばハームリダクションである程度認めて、その代わりに…」
(牧野由紀子さん)「厳しい規制をする。」

 ハームリダクション(ハーム=害、リダクション=軽減)とは、大麻を政府が法的にコントロールし、大麻の成分を管理するなどして健康被害を防止し、闇売買を追放しようという考え方です。

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しかし、牧野さんは医療用大麻について否定的な見方をしています。

(元厚生労働省麻薬取締部 牧野由紀子さん)
「末期がんとかいろんな病気で食欲が無くなった場合に、大麻には少し食欲増進作用があるんですよ。医療としては成功するかどうかはまだ分からないんですよ。何をもって医療用に役立つかというのは、今のところはっきり言いますけどエビデンスが無い。研究者は『こういういいところがある』とか言っているかもしれないけど、それについて許可が出て医療用に使って害が出たのか有益だったのかは、まだ無い。」

大麻研究でタイが狙う医療ツーリズム

医療用大麻の実用化に研究が進むタイ。その狙いについて、改めてランシット大学の学長に話を聞くと、ある国家戦略が見えてきました。

(辻解説委員)「多くの人が世界中からタイに医療用大麻を使いに来るかもしれませんね?」
(ランシット大学 アーティット・オウララット学長)「将来そうなるだろうと信じていますし、そう願っています。」
(辻解説委員)「医療ツーリズムが目的の一つ?」
(ランシット大学 アーティット・オウララット学長)「そうです、そう考えています」

タイで解禁された医療用大麻。その判断はどんな未来をもたらすのでしょうか。

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