MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

特集記事

【特集】「ペットの防災」を考える 災害時、はぐれたり避難所で"トラブル"になったり...普段からできることは

2019年09月17日(火)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

今「ペットの防災」に注目が集まっています。東日本大震災以降、国はペットと一緒に避難することを推奨するようになりました。しかし、いざ災害が起きた時、多くの人が集まる避難所でペットの受け入れを巡っては様々なトラブルが起きています。災害時のペットの存在について考えます。

防災訓練で「ペットの防災」呼びかける

8月31日、京都市で最大震度7の地震を想定した防災訓練が行われました。人命救助を呼びかける、その隣には犬の姿が。訓練が行われた広場にはペットの命を守るための備えを呼びかけるブースがありました。

「(避難所で)毛が抜けたりしたら大変なので、お洋服とかも日頃から準備してもらって馴らしてもらわないと。その時急に着せても(嫌がって)だめなので。」(NPO法人アンビシャスのスタッフ)

説明しているのはペットの防災などを広める京都市の認定NPO法人・アンビシャスです。避難所でのペットの居場所や過ごし方、飼い主が事前に準備しておくべきものなどが紹介されています。ブースを訪れていた飼い主に“ペットの防災について”伺いました。

Qペットの避難を考えたことは?
「なかったですよね。いきなり避難となったときにどう対応していいのか、想定も難しいし。」(飼い主)

Q避難所にペットを連れていける?
「それは迷うと思う。車の中でどうこうとか、車中泊も考えないといけないかな。」(飼い主)

今、「ペットの防災」に注目が集まっています。きっかけとなったのは2011年の東日本大震災でした。当時、ペットは家に置いて避難するよう呼びかけられ、結果、多くの犬が飼い主のわからない放浪犬となりました。

これを受けて2013年、国はガイドラインを作成。災害が起きた時、ペットと一緒に避難所に行く「同行避難」を推奨しました。しかし、問題は受け入れる避難所の態勢です。

熊本の動物病院“人と動物が一緒に避難できる場所を”

熊本市にある竜之介動物病院では、東日本大震災をきっかけに人間とペットの防災について一から見直しました。

「東日本大震災を見て、“人と動物が一緒に避難できないのが常識”みたいなところがあったから、“人と動物が一緒に避難できる場所”を確保したかった。」(竜之介動物病院 徳田竜之介院長)

院長の徳田竜之介さんは5年前に病院を建て替え耐震性を強化。自家発電などの設備も整え、病院は災害時に避難ができるビルへと生まれ変わりました。そして完成から2年後、2016年4月、熊本地震が起きました。

「(病院内は)当時はけがした犬や猫がくるから血だらけですよ、みんな手足が切れているから。出血で駆け込んでくるからすごかったですよ。」(徳田竜之介院長)

避難所ではペットも飼い主も行き場所がない

診療の傍ら、徳田院長は避難場所として病院を開放しました。3、4階の専門学校の教室には、約1か月間で3000匹の犬や猫が預けられ、ペットだけでなく飼い主ものべ300人が避難しました。

「犬エリア、猫エリアと分けて(教室の)机を寄せれば真っ平になるから、そこにひとつひとつブースを作って、何十家族といました。」(徳田竜之介院長)

その中には、避難所でペットの受け入れを断られたので病院に来たという人も少なくありませんでした。

「避難所には入られるけど、犬・猫を持っている人たちは行き場所が本当にない。避難所に入れないなら、車中泊をするか、壊れかけた建物に戻るか、一緒に犬と過ごせないなら…行き場所がない。」(徳田竜之介院長)

今も仮設住宅で暮らす被災者は、ペットを避難所に連れていくことに抵抗があったと話します。

「避難所には行きませんでした。最初は家の庭にいました。ペットがいるから、この子は怖がりです。」(被災者)

「(Q避難所には行った?)行っていたけどね、ペットがいるから外にいた。(Q中には入れなかった?)入ったら吠えたりするしね、迷惑かけたらいかんから、おびえるし。」(被災者)

保護した犬は861匹、飼い主の元に戻ったのは235匹

熊本県動物愛護センターでは、地震で多くの犬や猫が保護されました。その時の犬がまだいました。

「この子ですね。ここに来た当時が3歳なので。3年経過してるので、(推定)6、7歳。」(熊本県動物愛護センター 田代重幸所長)

熊本県によりますと、保護した861匹の犬のうち飼い主の元に戻ったのは235匹でした。500匹以上が別の飼い主に引き取られたり、死んだりしました。同行避難の体制が整っていれば避けられたかもしれない事態ですが、震災時ペットを巡って避難所でのトラブルがあったと田代所長はいいます。

「(避難者に)痒みがあると、『あの犬や猫にノミがいるんじゃないか』とか。(飼い主さんが)肩身の狭い思いをして隅の方だったり、出入り口のそばだったりとか。車中泊が一番多かった。」(田代重幸所長)

突然襲い掛かる災害。ペットのために飼い主ができることは何なのでしょうか。

普段から“災害を想定する”こと

京都で災害時にペットとともに安全に避難するための方法を考えるセミナーが開かれました。

「8割の方がペットを飼っていないです、避難所となったときに。そうするとアレルギー、嫌い、イヤという方もいます。そうすると(ペットと)同じ空間にいることはなかなか難しいです。」(NPO法人アンビシャス 松岡幸子さん)

いざ避難所に行ったとき、周りの人に迷惑をかけないためには普段からペットのしつけが重要。セミナーでは、狭いケージでおとなしくすごすためのやり方を教えていました。

「おやつをケージの中に投げ入れてもらって、入ったら結果的におやつが中にあるという経験をさせる。」(ドッグトレーナーの男性)

「犬に『きょうからあなたは避難所だからここに入りなさい』と言ってもそれは無理なので、ちょっとずつ家で馴らして、犬もそこに入っていることがストレスにならない練習をしているといいと思う。」(松岡幸子さん)

災害が起きてからではなく、普段から災害を想定することこそ大切なペットを守る最も有効な手段だと松岡さんは言います。

「平常時に飼い主たちが雨風をしのげる場所、自分のところの学区やったら、自分ところの地域やったらここは避難所にしたらいいかな、ということを行政とか学校とかいろんなところと話をして決めると安心です。」(松岡幸子さん)

最近の記事

バックナンバー