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【特集】奈良市が勝手に"葬祭場に計画変更" ようやく開かれた住民説明会で市長は?

2019年09月09日(月)放送

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奈良市あやめ池の住宅街の一角にある土地を奈良市がネットオークションで冠婚葬祭業者に売却した問題。今年3月に住民は市に説明を求める要請をしていましたが、9月8日にようやく説明会が開かれました。住民は納得できたのでしょうか。

住民・近隣教育施設・元々の土地所有者・誰も知らなかった“跡地計画”

「地域住民に説明もなく、地域住民の理解もなく、跡地計画ってそんな簡単なものなんですか。」(住民)
「もうばかばかしいというか、あんたらどんな仕事しているの?と」(住民)

9月8日に奈良市・あやめ池で開かれた住民説明会。住民たちは奈良市の仲川げん市長に激しい怒りをぶつけました。

【今年1月取材】
取材班は今年1月に取材していました。事の発端はというと…奈良市の北西部に位置するあやめ池。池の周辺に閑静な住宅街が広がり、病院や老人ホームなどが立ち並んでいます。この辺りにはかつて「あやめ池遊園地」がありましたが15年前に閉園した後、住宅街が造られたり近畿大学附属小学校が移転してくるなど新しい街づくりが進められています。

「春先は桜がきれいですね。皆さん方、弁当を持ってきてベンチもありますし、ブルーシートを広げて食べたり、写生したり、カメラ持ってきたりしています。」(長迫博さん)

長迫博さん(80)は30年以上前からここで暮らしていますが、小学校のすぐ北側に「葬祭場を建設する」という計画を聞きつけ怒り心頭でした。

「問題の場所です。『葬祭場』が建つことを1回も聞いていない。我々はペテンにかかったと。計画当初は奈良市の『文化芸術情報館』ということで、我々は2006年に出された利用計画方針の説明を受けて、それができるのだろうとずっと思っていた。」(長迫さん)

実は2006年に奈良市や土地を所有していた近鉄などがまとめた計画では、このエリアは「教育・文化ゾーン」に分類され、奈良の歴史などを学ぶことができる「文化芸術情報館」が建つことになっていました。

ところが、奈良市は2017年に住民に十分な説明を行わないまま土地をネットオークションにかけ、冠婚葬祭業者に売却したのです。

「我々には情報が何もない。(Q変更の情報も?)何もないです、みんなも知らなかったです。」(長迫さん)

9年前に計画を信じて東大阪市から移転してきた近畿大学附属幼稚園や小学校も、葬儀場の建設予定地が小学校の真北で幼稚園の真正面にあたるため困惑しています。

「事前には何のお話もなかったですね。奈良市からもなかったです。」(近畿大学附属小学校・幼稚園 角野昌之事務長)

元々、この土地を所有し奈良市に売却した近鉄も「話が違う」と憤っています。

「当社は周囲環境に十分配慮した公共施設を建設することを前提に奈良市に売却をいたしました。土地を転売され、葬祭場が建設されることは誠に遺憾であり、奈良市に対して抗議の申し入れを行いました。」(近鉄不動産株式会社のコメント)

一体、なぜ計画は変更されたのか。今年1月、奈良市に聞くと「時代の変化によって、計画を変更することはよくあることだ」と話しました。

「結果的に葬祭場が建つことになったが、売却の時点では分からなかった。反対されている自治会の方々も実際使えるわけじゃないですか。(Q住民への説明は?)説明が必要ということでしたら、説明をする方向でも検討をしていく。」(奈良市財務部・増田達男次長 1月)

しかし、待てど暮らせど説明会は開かれず。痺れを切らした住民たちは今年3月、経緯の説明を求める要望書を提出しました。

「住んでいる人たちのことを考えずに全く無視して行動を起こした。」(住民)
「市役所職員の危機感がどこにもない。」(住民)

要望から半年…ようやく開かれた説明会 奈良市の説明は?

そして9月8日、市がようやく開いた説明会には住民など約140人が集まりました。

「より丁寧にご説明を申し上げるべきであったというふうに考えております。申し訳ございません。文化芸術情報館が計画から無くなるということについて、みなさんの思い入れがより強いものであったということについての認識が十分でなかったと思っております。」(奈良市 仲川げん市長)

「住民に対する説明が足りなかった」と認める一方で、現在3期目の仲川市長は「文化芸術情報館の建設計画は前市長の時代のもので、自身の公約通り新たなハコモノの建設は行わない」と述べました。

「前市長の政策方針を引き継ぐという公約は持っておりません。どちらかといえば、時代に合わない公共施設、ハコモノについてはやめましょうという政策を挙げているので。いやいや前市長時代に約束をしたのだから引き続きお金が無くても公共施設を建てるべきだという意見があることは私も理解しますが、やはりそこについては現実的に難しいという判断をした。」(仲川げん市長)

しかし、これに対して住民側は…

(住民)「あなたが勝手に売ったことで、こうなっているんですよね。自分で尻拭いしようと言う気はないんですか?売る前にみなさんに確認したんですか?」
(仲川市長)「みなさんにはしておりません。」
(住民)「してないのに売ったのは奈良市ですよね?」
(仲川市長)「そうです」
(住民)「これから住んでいく人たちの気持ちはどうなるんですか?」
(仲川市長)「ですから、何回も申し上げているように…」
(住民)「あなたは住まないからいいかもしれませんが。」
(仲川市長)「みなさん思いの部分については、今伺った中で私も感じております。」
(住民)「『悪いけど売ってしもたけどやっぱり僕たち間違ってました』と、『もういっぺん白紙に戻します』と、元に戻してほしいと願います。」
(仲川市長)「市としては、一度を売却した土地をもう一度取得をし直すという考えはございません。」

葬祭場は当然、迷惑施設ではありませんが、学校や宅地のすぐ近くに建設されることについて違和感を覚えるという意見が多く出されました。

(住民)「誠に不愉快。もうがっくりきてますわ、お金ないけど引っ越ししようかなと。」
(仲川市長)「屁理屈を言うわけではないが、土地を売却して、買われた方が今回たまたまそういう葬祭場を計画されているということになったということだが、文化芸術情報館が全く正反対のものになったことについて、大変強い憤りを感じていることは、私も感じているところでございます。」

説明会は3時間以上続きましたが、結局双方の議論は平行線をたどりました。

「一般競争入札で用地を売却するということが基本なので、売却をした際にどのような方が事業に手を挙げられるのかというのは正直蓋を開けるまで、入札・開札してみるまでわからないというところが現実のところだと思います。土地を取得した事業者さんが他の用途も含めて何か計画や考えがないかどうか、また近隣に学校もありますのでそういったところのご意見も市としてまず伺うということを住民の皆さんにも話をしたので、そこをまずは取り組んでいきたいと思っています。」(仲川げん市長)

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