MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

憤懣本舗

【特集】県の補助金を不正受給か...商店街の理事長らを刑事告発 浮上してきたカネをめぐる疑惑

2019年08月26日(月)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

神戸市東灘区にある「岡本商店街」。この商店街は東日本大震災の際に復興支援事業などで話題になりましたが、これらの事業をめぐって行政から補助金などをだまし取った疑いなどで商店街の理事長らが刑事告発されました。

復興支援のショップは理事長登記の会社

神戸市東灘区の岡本商店街は阪急岡本駅の近くにあります。280店舗が軒を連ね、立地の良さや石畳を敷くなどの創意工夫によって学生や家族連れなどでにぎわう兵庫県屈指の商店街です。ところが、岡本商店街では補助金や組合費をめぐってある疑惑が浮上しています。疑惑を訴えるのは、実家が岡本商店街でお店を経営する隠樹圭子さんです。

「気仙沼、東北の復興支援ということで岡本商店街がやっていると思われていた事業なんですけども、実は登記等を調べたところ理事長の会社であったと。」(隠樹圭子さん)

疑惑を持たれているのが、気仙沼の特産物を扱うアンテナショップ「気仙沼まただいん」です。岡本商店街は2011年の東日本大震災の復興支援活動として、宮城県気仙沼市の名産品を2012年に誘致し、より多くの人に気仙沼の品物を買ってもらうためこの店を開くことにしました。MBSは5年前、被災地を支援する商店街の代表として、今回疑惑が持ち上がっている理事長を取材していました。

「気仙沼行くと荒れ地が広がってて、仮設住宅・仮設店舗とかあるでしょ。お客さんおらへんわけですよ、売れへんじゃないですか。その分、こちらで売れるともっといいなと思って。」(岡本商店街振興組合 理事長の男性 2014年3月)

当時「気仙沼まただいん」については、復興支援の一環として家賃や組合費は商店街側が負担していました。ところが隠樹さんによりますと、「気仙沼まただいん」は気仙沼市の関係者の会社ではなく、岡本商店街振興組合の理事長が登記した会社だということがわかったというのです。

商店街負担の家賃が理事長の個人口座に

構図はこうです。「気仙沼まただいん」はビルのオーナーから一角を借りていましたが、岡本商店街は支援として毎月15万円の家賃を負担し、組合費なども免除していました。しかし、実際は「気仙沼まただいん」は理事長が法人登記して名産品を売っていた会社で、本来は理事長自らが支払うべき家賃を商店街が肩代わりしていたということです。しかも商店街から支払われる家賃は理事長個人の口座に振り込まれていて、総額は少なくとも120万円以上に上るといいます。

「被災者を…表現は適切かはわかりませんけど、傷を負った方々を利用するスタンスはやはり許されるべきではないと思います。」(隠樹圭子さん)

人件費を水増しして補助金を受け取った疑いで刑事告発

さらに浮上しているのが「補助金不正受給疑惑」です。岡本商店街はこれまで兵庫県や神戸市に地域振興のための事業を数々提案し実行してきました。隠樹さんらが不正を訴えているのは、商店街が2014年から4年間行ってきた「地域コミュニティ拠点事業」など、県から補助金を受け取ってきた事業です。理事長らはこれらの事業で3人分のアルバイト代を計上して補助金を受け取っていましたが、組合の会計書類の総勘定元帳には1人分の人件費しか記載していなかったということです。隠樹さんらは、理事長らがアルバイト代を水増し申請したとして、県からの補助金を最大で約1700万円だまし取った疑いがあると訴えています。

「真面目にコツコツやっている人が報われないのは間違っている。正直者が馬鹿を見るのは間違っていると思います。」(隠樹圭子さん)

隠樹さんらはこうした疑いについて、岡本商店街振興組合の理事長の男性と事務長の女性を背任や詐欺などの疑いで兵庫県警に告発状を提出し、8月13日に受理されました。8月、取材班は告発を受けたことについて取材を申し入れましたが、理事長は「話すことはない」と取材に応じませんでした。

集めた募金の一部を無関係の飲食費などにあてた疑惑も

理事長らがもたれている疑惑はこれだけではありません。そもそもの発端は、理事長側が去年3月に当時の顧問税理士に送った一通のメールでした。

「今まで集めていたチャリティー募金をはじめとする仮受金ですが、精算いたしました。」(当時の顧問税理士に送られたメールより)

このメールを受け取った当時の顧問税理士は…

「こんな矛盾した話はないと、僕はつっぱねたんです。少なくとも募金者の善意を無視したという形になりますよね。」(岡本商店街の元顧問税理士 吉本弘志さん)

吉本さんによりますと、岡本商店街は2014年から2017年にかけて東日本大震災などの被災地に向けてイベントや店頭などで募金活動を行い、約92万円を集めました。しかし、会計を行う事務長から送られてきたメールには、4万円だけ被災地に送り、残りの88万円を経費として精算したと書かれていました。吉本さんによると、その経費には募金活動とは関係ない交通費や飲食費も含まれていたということです。この一件を機に吉本さんは岡本商店街の顧問税理士を辞め、隠樹さんらとともに理事長らの疑惑について調査を進めてきました。

「これは私の責任上、解決しないといけない問題だと認識しています。元の良い岡本商店街振興組合に戻ってくれればそれでいい。自分がやってきたことをきれいにして終わりたい。」(岡本商店街の元顧問税理士 吉本弘志さん)

この件について商店街振興組合の理事長らに取材依頼したところ、「取材は受けない」とした上で、「悪いことをしているつもりはない。募金の領収書もある」と否定しました。

告発者「新たな商店街に生まれ変わって欲しい」

刑事告発が受理されたことについて、岡本商店街を監督する立場で、さらに岡本商店街に対してこれまで数々の補助金を支出してきた神戸市は…

「詳細についてどういった内容で刑事告発をされているのかというのは、あったということは聞いていますけども、詳細について聞いておりませんので、どういうふうに県警の方が処理をされてどういう対応をされるかという推移を見守ることしかない。」(神戸市商業流通課 古泉泰彦課長)

告発した隠樹さんは「これを機に真実が明らかになって新たな商店街に生まれ変わって欲しい」と話します。

「もう一度リセットして、みなさんの横の絆を大切にした商店街に生まれ変わることができたらベストじゃないかなと思います。」(隠樹圭子さん)

突如浮上してきた岡本商店街のカネをめぐる疑惑。真実が明らかになるのが待たれます。

最近の記事

バックナンバー