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「海にゴミを捨てちゃダメ」日本から台湾へ流れ着いた"奇跡のカメラ"が生んだ人形劇

2019年07月23日(火)放送

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去年3月、台湾の小学生が海岸で清掃活動中に貝がびっしりと付いたカメラを見つけました。「持ち主は誰?」とフェイスブックを使って投げかけたところ、持ち主はすぐに判明し日本人の女性であることがわかりました。2年半前にダイビングをした際になくしたものだったそうです。この“奇跡のカメラ”を見つけた台湾の小学生は「海洋ゴミ問題」を提起する人形劇を作ることを思いつき発表したところ、それが評判を呼び、10校以上で上演しているそうです。

台湾で見つかったカメラ…持ち主は日本人の女性

辻憲太郎解説委員がやって来たのは台湾の東の沿岸部・台東県の漁港。

「小学生たちが清掃活動を行っています。」(辻解説委員)

海岸の清掃は小学生の地域活動の一環で頻繁にしているそうです。どんなゴミが多いのか聞くと「レジ袋やストローが多い」と答えました。去年、この清掃活動をしていた時、小学6年の何 兆恩(か ちょうおん)君が日本メーカーのデジタルカメラを発見しました。

Q見つけた時は?
「最初は箱だなと思っていました。開けてみたらカメラが入っていた。」(何兆恩君)

発見直後、カメラの防水ケースには、小さな貝のようなものがびっしりとついていましたが、中のカメラは無事で、写真のデータを見ることができました。

Q持ち主はわからなかった?
「カメラの中に写真が残っていて、そこに『石垣島』という字があったから石垣島で撮影されたのかなと。」(何兆恩君)

カメラの中に残っていたのは船でくつろぐ若者たちや水中を泳ぐマンタ。そして大きなヒントになったのが、のぼりや店の看板に「石垣島」や「泡盛」といった文字が書いてあった写真です。何君たちは持ち主を探そうと、カメラを拾った経緯と写真を投稿しました。

すると日本のダイバーの目にとまり、わずか13時間後に持ち主が判明しました。
持ち主は上智大学の学生・椿原世梨奈さんでした。椿原さんはカメラを受け取るため台湾に出向くと、地元でも大きなニュースになりました。

カメラは今

カメラは今どうなっているのか…辻解説委員、上智大学にも向かい、椿原さんに会いに行きました。

Qカメラ、ピカピカですね。今も使えるんですか?
「使えます。」(椿原世梨奈さん)
Q見つかった時はカメラが防水ケースに入った状態だったそうですが、どこで無くした?
「石垣島にスキューバーダイビングをしに友達と行っていて、(海の中で)私がカメラと体をくっつけていなくて、船に上がった時にはカメラがないという状態で。探していただいたんですけど見つからなくて、どっかに流れているのかな、見つからないだろうなと思っていて、そのまま諦めていた。」

石垣島から何君がカメラを拾った海岸までの距離は約240km。発見するまでに933日間もかかったことを考えると、太平洋の時計回りの“環流”に乗って台湾に流れ着いた可能性もあります。

「(何君)が拾ってくれた時に持ち主の手元に戻したいということで、フェイスブックに写真を載せていただいた。それが私に回り回って。2万シェアくらい。ダイビングしている時の写真があったから、ダイバーやと思うという推測を(フェイスブックに)載せていただいたので、ダイバーの間で広がった。石垣島に一緒に行っていた先輩が『えっ、俺の友達やん』と。フェイスブックを見た時に、写真のデータも全部私が撮ったものだったし、友達とか家族も映っていたので。」(椿原世梨奈さん)

カメラから…“海洋ゴミ問題”の人形劇

再び台湾の東の沿岸部・台東県。日本と台湾を不思議な縁で結んだ奇跡のカメラ。このカメラから発想を得て、何君はクラスメイトとともに“海洋ゴミ問題”についての人形劇を作ることにしたのです。辻解説委員も劇の準備から見せていただくことに。

(辻解説委員)「想像していた人形劇と違う。楽器あり、お面あり…あ!カメラも。自分たちが海で拾ったもの?」
(子どもたち)「はい。」
(辻解説委員)「(劇の中で)汚れた世界の登場人物達は、実際に海岸で拾ってきたペットボトルやサンダル。」

取材したこの日は300人を超える子どもたちが人形劇を鑑賞しました。

【人形劇】
舞台は海の中、バイオリンの音色に乗せて魚たちが気持ちよさそうに泳ぎ回っています。ここで何君が本人役で登場します。

(何君)『みなさん、こんにちは、岳明国民小学校6年の何 兆恩です。去年の3月、浜辺でこんな(貝がびっしりついた)カメラを拾ったんだ。』

カメラを無くした椿原さんも人形になって出てきています。

(椿原さんの友だち)『ボンベにトラブル発生、椿原さん助けて!』
(椿原さん)『わかった!今行くね!』
(椿原さんのカメラ)『ご主人様~置いていかないでよ~』

その時カメラを無くしてしまったのです。

(椿原さんのカメラ)『ご主人様、置いていかないでよ~』

人形を動かす係。セリフを言う係。そして楽器を演奏する係。約20人が力を合わせて物語を進めていきます。

(海の住人)『海龍王様のおでましだぞー!』
(海の住人) 『大王様!万歳!万歳!』
(海龍王様)『何か変わったことはなかったか?』
(海の住人)『黒い変なものを見つけました。』
(椿原さんのカメラ)『助けて~。あなたたち誰なの?』
(海龍王様)『そこの黒いの、おまえは何者なんだ?』
(椿原さんのカメラ)『私はただのカメラです。持ち主が誤って海に落としてしまったのです。』

カメラは汚れた海を漂流。海の生物たちもゴミによって絶滅してしまいました。

(椿原さんのカメラ)『海はとってもかわいそう。海の生物もかわいそう。』

子どもたちに伝わった「環境問題」

人形劇見た感想を子どもたちに聞きました。

「環境保護しないとね。海が汚れることはみんなの迷惑になる。」(人形劇を見た児童ら)
「海にゴミを捨てちゃいけない。ガラスの瓶も捨てちゃダメだよ。」(人形劇を見た児童ら)

カメラを拾った何君は…

「環境のことを思って作った人形劇は僕らの子孫のためになるんじゃないかな。未来にいい環境を残さないと、地球がなくなっちゃうかもしれないよ。」(何 兆恩君)

日本でなくしたカメラが生んだ子どもたちの問題意識。その課題に世界規模で取り組む必要に迫られています。

(『辻憲のちょいサキ!』より)

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