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【特集】過疎化する郊外のニュータウン 土地も道路も"ほったらかし"にやるせない住民たち

2019年07月15日(月)放送

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バブル期から2000年ごろにかけて、全国各地でニュータウン開発が行われてきました。理想の町づくりを掲げて誘致が行われていましたが、今となっては空き地だらけで、すさんでしまった場所もあります。「こんなはずじゃなかった」と憤る住民を取材しました。

「北摂ローズタウン」は今

京都府亀岡市。大阪と京都の間を走る山道を入ると「北摂ローズタウン」という何とも華やかな名前の住宅街に入り込みます。ところが…

「区画整理の跡はありますが、建物は建っておらず草が生い茂っています。」(記者リポート)

かつては、家があったであろう空き地に雑草が生え放題。手入れをしている気配はありません。

(住民)「ちょっとずつ人がおらんようになっている。」
(住民)「手入れしてもしょうがないみたいな感じで、持ち主もほったらかし。」

街の荒れた様子はこの一角だけではありません。北摂ローズタウン全体は450区画ありますが、現在住んでいるのはわずか38区画。大規模な住宅地でありながら、最寄り駅のJR亀岡駅までは車で30分、駅前まで行くコミュニティバスのバス停に行くにも歩いて30分はかかるといいます。コンビニやスーパー、さらには病院までも車がないと行くことはできず、生活するには不便だといいます。

(住民)「病院がかなわん。救急車呼んでも30分かかる。」
(住民)「自販機ひとつない。」

バブル崩壊後、計画はとん挫

しかし、住民がこの街を選んだのには理由がありました。1980年代のバブル全盛期に民間の業者が郊外を開発し、多くのニュータウンができました。「北摂ローズタウン」もそのひとつで、1987年に売り出されました。当時は近くにモノレールが走るという構想があり、資料を見てみると、密集した住宅の間にスーパーマーケットもできるという計画もあったことがわかります。

しかし、ほどなくしてバブルが崩壊。モノレールもスーパーの計画もとん挫しました。夢のニュータウンのはずが生活に必要なインフラが整わず、不便さを感じた住民はひとり、またひとりと北摂ローズタウンを離れていったのです。

(住民)「ちょっと残念でしたよね。残念っていうか騙されたような気にもなりました。」
(住民)「もうあかんね。中途半端で不動産業者が潰れたから余計にあかんようになった。」

北摂ローズタウンに手をつけられない行政

さらにこんな問題が…

「こちらの道路は去年の豪雨で崩れてしまったそうなのですが、1年経った今も放置されています。」(記者リポート)

去年の台風21号で発生した豪雨によって道路が陥没してしまい、現在も復旧はせず通行止めになっています。住民の安全にも影響を与えかねない状況を行政はなぜ放置しているのでしょうか。

「基本的な維持管理は地元でお世話になっているので、市の所有でもない、市道にもなっていないところに公費を突っ込めない。」(亀岡市まちづくり推進部 並河悦郎部長)

市によりますと、北摂ローズタウンの道路の一部は私道となっていて、設備の修繕に補助金を支給する制度はあるものの、民間の土地に行政が直接手をつけることはできないといいます。さらに北摂ローズタウンを開発した業者はすでに倒産していて、行政側としても扱いに頭を悩ませているといいます。

「どの開発団地も、開発地を売却して事業として成り立たせよう、収益を得ようとそれぞれされていますので。そこに行政が絡んで、売却なりに行政が支援するということはできない。」(並河悦郎部長)

空き地目立つ兵庫「香住山手」 4割引キャンペーンに憤る住民

住民を悩ませる宅地開発は亀岡市だけではありません。

「こちら兵庫県香美町の香住山手という分譲住宅地ですが、こちらには雑草が生えっぱなしの空き地が広がっています。」(記者リポート)

兵庫県香美町にある「香住山手」は1998年に開発を開始し、2007年から販売されました。しかし、売れ行きは振るわず、現在では空き区画の方が多い状況が続いています。6年前、家族で住むために香住山手に家を建てた男性は…

「税金上がるじゃないですか、10%の消費税に。僕らが建てるときも税金上がるって言っていたので、建てようかといって急いで建てたら失敗したんです。」(6年前に家を建てた男性)

香住山手を管理する組合は空き地だらけの状況を打開しようと、『4割引キャンペーン』に打って出ました。今年9月まで値下げキャンペーンを実施し、一部の区画について通常1000万円ほどするところを最大40%オフで販売することにしました。これには最近家を建てた住民も憤りを隠せません。

「なんで今ごろキャンペーンするんって思う。僕らが買ったときよりごっつ安なってますもん。半分くらいですよ。その分返してほしいなと思うくらい。400万円もあったら外回りでもなんでもできた。違うところに手掛けられたのに。」(6年前に家を建てた男性)

「資産価値が400万円下がったということやね。(Q建てたの3年前ですよね?)そうそう、僕らからしてみたらtoo late.遅すぎるやんね。」(3年前に家を建てた男性)

組合が町などから借りた負債も5億円にまで膨れ上がり、返済できない状況が続いています。

専門家「日本の開発規制が緩いことが問題」と指摘

なぜこうした住宅開発で問題が出てきているのか。都市計画の専門家は「日本の開発規制が緩いことが問題だ」と指摘します。

「需要が減っているにもかかわらず、開発がぽつぽつと起こってくるのは、開発可能だからですね。日本の都市計画の規制が非常に緩いわけです。人口がどんどん増えて家が足りないよねっていう時代に、住宅政策とか都市計画のフレームができていますので、政策・制度のフレーム自体を早く人口減少時代に合わせて変えていかないと開発がなくならない。」(神戸大学大学院 平山洋介教授)

かつての無理な開発により過疎化する郊外のニュータウン。今、社会の現状に合わせた街づくりが求められています。

(「Newsミント!」内『特集』より)

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