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【参院選】選挙カーで名前連呼はなぜ?「公職選挙法」は時代遅れなのか

2019年07月09日(火)放送

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7月21日投開票の参議院選挙ですが、日本の選挙運動といえば「選挙カーでの名前の連呼」や「駅前などでの街頭演説」がおなじみとなっています。なぜ「名前ばかりを連呼する」のか?その理由と日本の選挙運動の仕組みについて、選挙プランナーの松田馨さんに話を伺いました。

松田馨さん…選挙プランナーとして100以上の選挙に携わる。投票率向上のための啓発活動も行う。

■なぜ?選挙カーで名前を連呼■

―“日本の選挙のスタイル”といえば思い浮かぶのは「選挙カーでの名前の連呼」と「駅前などでの街頭演説」ですがその理由は?

松田さん(以下敬称略):
 実は、選挙のルールを定めた法律『公職選挙法』の『141条の三』という規定の中に『自動車の上で選挙運動をすることはできない/ただし連呼行為をすることはこのかぎりではない(要約)』つまり、選挙運動用の自動車では連呼行為以外はしてはいけない、というような決まりがあります。

―政策を訴えてはいけない?

松田:
 そうですね、選挙運動のための連呼なのでキャッチフレーズのような短いものと名前の連呼は認められているが例えば演説はしてはいけないということになります。そもそも走行中なので、走っている間にはなかなか演説を聞かせることもできないだろうと。止まっているときは演説してもいいのですが、走行中は連呼しかできないというルールなんです。

―この“名前の連呼”は得票につながる?

松田:
 現場の感覚としても、丁寧に回った地域というのは投票率も上がりますし、票も出やすいというような感覚もあります。実際に社会心理学の研究でも、連呼しながら選挙カーを運用した地域では得票率が上がるというような研究結果も出ておりまして、効果があるということで各陣営が力を入れてやっているというのが現実です。

―“街頭演説”も日本だけのスタイル、その背景は?

松田:
 これも『公職選挙法』の規定で『138条』に『選挙のために戸別訪問することができない(要約)』つまり戸別訪問の禁止というものがあります。これは票を得るための買収を防ぐためです。
しかし、海外では戸別訪問が実は選挙の基本です。アメリカ大統領選挙は派手なイメージがありますが、戸別訪問、ドアノッキングと言うのですが、ドアをノックして支持者が出てきた有権者といろいろと議論をして、投票を依頼するというのが基本と言われています。アメリカでも買収は禁止なのですが基本的に禁止事項がほとんどなくて、表現の自由を最大限尊重するというのがあります。
しかし日本では戸別訪問が禁止されていてできない。そうなってくると屋外で政策を訴えるとなると街頭演説となる。(日本では)“買収を防ぐため”という大正時代に設定された公職選挙法がそのまま残ってしまっているので、感覚が古い、というのはあるかもしれません。

―結果として日本では「どぶ板選挙」「街頭演説」といった形になり、政策の中身を詳しく知ることができず “政治への関心が持てない”ということにつながりかねない場合も。現状の枠組みをどう考える?

松田:
 よくないと思いますね。やっぱり選挙って主権者である国民が政治に関して意思を投じるすごく大事な機会なんですけれども、どうすれば有権者がより選びやすくなるのか、一票が無駄にならないかとか、そういった視点が公職選挙法にはほとんどないので。

■ネット選挙解禁■

―2013年にネット選挙が解禁になりました。選挙プランナーとして状況は変わった?

松田:
 そうですね、これは大きな変化がありました。これまでは選挙が始まると、ホームページが更新できない、SNSも発信ができないという、非常におかしな制限でした。それが解除されて、やっぱり皆さん関心を持っていただけるのが選挙期間中なんですよね。選挙が始まって、候補者の訴えやどこで活動しているのかなどを知ってもらえるようになったというのは、大きな変化なのかなと。」

― “デマ情報”がネット上に出ることもありますが?

松田:
 そうですね。これは海外でも問題になっていますし、日本でも“ファクトチェック”ということで、事実かどうか判定するような民間の動きも出てきていますので、そういった情報を注意深く見ていただいて、投票の参考にしていただければと思います。

(「Newsミント!」内『令和をよむ』より)

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