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【特集】SNSで上げられた画像で「留年」は納得できない 元看護学生の訴え

2019年07月01日(月)放送

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医療現場での個人情報の取り扱いをめぐって留年処分を受けた元看護学生の訴えです。看護学生だった女性は、病院での実習中、患者の情報などを記入する資料を飲食店で広げていたとして学校から事実上の「留年」を通告されました。しかし、学校側の調査が不十分で、事実誤認だとして元看護学生は学校を相手に損害賠償を求め7月2日に提訴しました。今回の問題、発端となったのはSNSでした。

無断でSNSに投稿され…“留年通告”に

ツイッターに投稿された1枚の写真。この写真がある女性の人生を大きく変えました。

「裏切られて悲しいというのもあるし、看護師になれない看護師の道を閉ざされたという怒りもあります。」(元看護学生の女性)

大阪府に住む20歳の女性。女性は2014年に看護師を目指し、大阪・河内長野市の高校に入学。4年目だった去年2月、病院で10日間の実習を受けていた期間中、問題が起きました。

大阪市内の飲食店で友人ら3人で自習をしていた、そのとき…女性は友人の1人に自習している様子を撮影され、ツイッターに無断で投稿されといいます。その後、学校に匿名で通報が入りました。「患者の個人情報がのった資料を見て勉強している学生がいる」という旨の内容で、学校は女性から事情を聞くことになったのです。

女性によりますと、聞き取り調査ではツイッターの画像について女性本人かどうか確認され「そうかもしれない」と答えました。また、飲食店で実習で使う資料を見ていたか質問され、女性は「見ていたが、個人情報は出していない」と答えたといいます。聞き取りはわずか15分程度で終わり、この日、学校からこう伝えられたといいます。

「自宅待機しておいてと言われて。連絡は追ってすると言われていて、あとで(病院実習の)単位を補習をさせてもらえると思っていた」(元看護学生の女性)

しかし、その3日後、学校から「病院実習の参加を認めない」と告げられました。実習の単位を落とすと進級ができなくなり、事実上の「留年通告」でした。

「留年で話が始まっているんですよ。『えっ』て思って、私に弁解する機会はないのかと。何もこちらは伝えたいこと伝えていないのに、勝手に向こう(学校)だけで判断して、私の一生にかかわることなのに、たった15分(の調査)で私の人生狂わされないといけないのと」(元看護学生の女性)

患者の個人情報「アセスメント用紙」めぐり…学校側と女性の食い違う主張

学校側が処分をした根拠は「個人情報保護に関するガイドライン」でした。病院実習中は生徒に患者の情報などの「記録物」を病院や学校、自宅以外で見ることを禁じています。

ツイッターに投稿された写真には書類らしきものが映っていました。学校側は女性や友人への聞き取りの結果などから、飲食店で「記録物」を見ていたと判断、女性の行為はガイドラインを逸脱すると認定したのです。

その「記録物」の1つが「アセスメント用紙」という資料です。用紙には患者の病歴などの個人情報が細かく記されています。

「実習の単位を落とせば不合格になれば留年になるので、1年遅れるということになる。私たちがこだわっているのは、飲食店で記録物を出して勉強したと。将来看護師になるのにその倫理観について厳しく指導したかった」(学校側の会見)

しかし、学校の認定について女性はこう反論します。

「想定の人です、これ(書類)。個人情報のものは家でも自分の部屋でしか広げないし、外で広げるなんかだめだとわかっているんで絶対しない。本当の患者さんじゃないので、個人情報が漏れることはないという認識だった」(元看護学生の女性)

女性が開いていたと主張する「練習用」のアセスメント用紙。実際のものと比べてみると、確かに書式は同じです。つまり、女性が見ていたのは架空の患者の情報をもとに書いた練習用のもので、実在する患者の情報は一切、含まれていないというのです。自習のときは個人情報が載っていた資料はカバンの中にしまっていたといいます。

聞き取り調査は15分「事実認定が間違っている」と主張

女性は学校側の聞き取り調査はわずか15分で終わった簡易なもので、事実認定が間違っていると主張します。

「(学校の聞き取りが)雑だったんですよ。1回目の面談のときも先生に何の訳もわからなく呼び出されて。学校は誤解しています、勘違いだけで話が進んでいって」

これについて学校側は…

「この処分は誤解によるものではないときっぱり申し上げたい。最初の聞き取りをしたときには、『アセスメント用紙を開いてやりました』と言っている。ところが3人を翌週に保護者をお呼びして事実確認をしたところ、3人の話が変わりました。(Q当初の主張を変えてウソを言っている?)…はい」(学校側の会見)

留年処分、納得できず提訴へ

女性は個人情報は出していなかったと訴え続けましたが処分は覆らず、その後、学校への不信感を募らせ自主退学することに。SNSに投稿された、たった1枚の写真によって、幼いころから憧れていた看護師への道が遠ざかり、その傷は今も癒えていません。

「看護師になりたいなって…(学校に)入ってからも頑張って4年も続けて、4年間も学校に行っていたのにあっさり切り捨てられる、なにも寄り添ってくれない。なぜ、(学校に通報した)他の人、第三者の声を信じて、私たちを信じてくれなかったのか。生徒を信頼しているという割には信頼してもらっていなかった。はっきりしてほしいというのが今の思いです」(元看護学生の女性)

女性は留年という処分は納得できないとして、学校を相手に損害賠償を求め7月2日、提訴しました。女性は「資料は練習用に作成したもので、個人情報の記載はない」と訴えていて、学校に対して慰謝料など約440万円を支払うよう求めています。一方、学校側は「訴状を確認したうえで真摯に対応する」としています。

(「Newsミント!」内『特集』より)

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