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リサイクルの先を行く!?新発想のエコ「アップサイクル」 廃棄物が商品に!

2019年06月13日(木)放送

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ごみ削減のキーワードとしていま、リサイクル(資源として再利用)という言葉から生まれた新発想の考え方「アップサイクル」が広がりをみせています。どんなものがアップサイクルで、どんなものが作られているのでしょうか。

「新たな価値を持たせる」

5月下旬~6月上旬に大阪のあべのハルカスで行われたイベント「UP!CYCLE WEEK(アップサイクルウィーク)」。約80店が集結し、シートベルトから生まれ変わった蝶ネクタイや、ウエットスーツの生地のはぎれで作られた小物入れなどが並びました。このように、元の製品に新たな価値を持たせるリサイクルのことを「アップサイクル」と呼び、いま注目を集めています。

出店した店舗の1つ「Rename」は、有名ブランドで売れ残った服を買い取り、ひとつひとつタグを付け替えて販売するお店です。メーカー側はブランド価値を落とすことなく廃棄物を減らし、一方の消費者側は元の値段から最大7割引きでブランド名にとらわれない買い物ができると、みんなにうれしいアップサイクルなんです。

「アパレル業界はトレンドがすごく早く、在庫が残りやすいという特性があるんですね。売れ残ったからといってブランドさんが大幅な値下げをしてしまうとブランド価値そのものを傷つけてしまうという恐れがあるので、廃棄せざるを得なかったということがあります。いろんなブランドが集まる店舗であれば、気軽に手に取っていただけると思う」(FINE代表 加藤ゆかりさん)

一方、懐かしい小さな机やイス、そして楽器をパソコン台やスタンドライトに生まれ変わらせているのは「tumugu」というお店です。お客さんの反応は…

「愛着が出ていいと思います」(女性)
「(イスは)昔座っていた懐かしさがある。もともと使っていたものをいかしているので、特にキズとかはそれもありきでかわいい」(男性)

少子化ならではの廃棄物が変身

この商品を作っている工房は大阪の住之江区にあり、松本麻衣子アナウンサーが訪ねました。出迎えてくれたのは土井さんご夫妻(夫・利夫さん、妻・裕美さん)です。玄関で早速気になるものが…

Q.奥さんが作ったものですか?
「学校の水道の蛇口のハンガーフックです。学校備品をアップサイクルということで」(土井裕美さん)

作業スペースは自宅の2階で、部屋の中には買い取った机やイスが積まれていました。

Q.どうしてこういう活動を?
「主人が家庭塾をやっていて、そのイスのパイプをちょっと黒くしたら…あ!オシャレ!?って。そこから始まった」

土井さん夫妻は40年間、自宅で塾を経営していましたが、今年3月に引退。塾で使っていた備品にひと工夫して、家で使える家具に生まれ変わらせることを思いつきました。

Q.作品のアイデアは?
(裕美さん)「リビングで使えたらいいなって」
(利夫さん)「奥さんが全部考えてる」
(裕美さん)「でも(材料を)切るのは主人なんです、上手に切るんですよ」
(利夫さん)「上手になったね」
Q.最初はブーブー言ってたんですか?
(利夫さん)「ホンマに僕こんなもん絶対無理や思ったからね。こんなん欲しがる人絶対いてない思ったから」

作業は夫の利夫さんが材料を切るなど力仕事を担当し、妻の裕美さんがデザインと仕上げを担当します。知り合いに好評だったため、試しにインターネットで販売してみたところ人気となり、いまでは廃校になった小学校や塾などから備品を買い取ってアップサイクルするようになりました。

(利夫さん)「こういうふうに使っていただけるんかなって(私たちが思って)購入していただいたら、違う使い方をされる人もいる。ビックリするんです、こういう使い方もあるねんなって。アイデアってそれぞれあって、教えられることもありますよね。違うものに形を変えて新しいものを作り出す、それもおもしろいなって最近思うようになって。僕も刺激をもらってます」
(裕美さん)「楽しいね」
(利夫さん)「まあ、サポートしていきます」

“頑丈すぎる”素材を使ってバッグを

そして、元の使い道からは想像できないものに生まれ変わらせるのもアップサイクルの特徴です。大阪市中央区の工場で作っているのはバッグですが、いったい何から作られているのでしょうか。

Q.どんなものをアップサイクルしている?
「消防ホースをアップサイクルしております」(PATINA JAPAN 小島忠将さん)

ビルなどに設置が義務付けられている消防ホースは、火災現場でも耐えられるよう、カッターで切っても穴が開かない強度や、踏んでもアスファルトにこすりつけても傷が付かないほど頑丈な素材で作られていますが、設置から10年で点検を受けるか新品に交換する必要があり、約9割が1度も使われずに産業廃棄物として処分されるそうです。

Q.どうしてこんなことを思いついた?
「私が解体業をやっているときに消防ホースの廃材が出ることがわかった。『もったいない』というところからスタートした」(小島忠将さん)
Q.元消防士さんかと?
「全く関係ないです(笑)」

実際に松本アナウンサーがこのバッグを手に取った感想は…

(松本アナ)「あっ、えっ、軽い!」
(小島さん)「意外とみなさんがイメージされるよりかは軽いなと思いますね」
(松本アナ)「どうやって作るんですか?ホースと姿が違い過ぎて想像がつかないんですけど」

作業場にお邪魔すると、ミシンの音が響いていました。今回は、カバン職人歴17年の福永佳久さんの作業を見せてもらいました。まずは、消防ホースの両端を切り落とし、ベルト状にします。ほどけないようふちどりした後は、色や模様をいかすためにホースの外側と内側を交互に縫い合わせていきます。その生地を今度は筒状にする作業です。

(松本アナ)「初めて見る動き!」
(福永さん)「立体で物を作るというのは、かばん作りではありえないと思います」

丈夫であるがゆえに扱いにくく、巻き方によっては折れ目ができデコボコしている消防ホース。この縫い方を編み出すのに2年以上かかったそうです。熟練の職人技と様々な試行錯誤で縫い上げられたバッグの基礎、約20メートルの消防ホースからは5つのバッグができます。

中の生地や持ち手を取り付け完成した消防ホースバッグは、税込み2万2000円です。小島さんたちは今年から、消防ホースに加えてテントや横断幕などに使われるターポリンと呼ばれる生地の廃棄物も買い取り、アップサイクルしています。(※ターポリントートバッグ 税込み9800円)

「本来捨てるべきものがこれだけ利用価値があるんだなということで、世の中の考え方も変わってくれれば」(福永佳久さん)
「世の中の廃材と呼ばれるものを新しい形にして、世の中の人に知っていただけたらなと思います」(小島忠将さん)


(6月13日放送 MBSテレビ「ミント!」内『特命取材班・チームF』より)
※このコーナーは女性スタッフが企画を出し合い、調査・取材をするコーナーです。

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