MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

ミント!

厄介な「放置竹林」を食べて解決! 一石二鳥な取り組みとは?

2019年06月11日(火)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

その強い生命力から、竹林の面積は毎年7%増え続けています。タケノコの生産数も減少し、放置された竹林も増えてきました。住宅地に迫るなど危険も伴うそんな放置竹林に一石を投じ、宝の山に変えようという動きがあります。

住民も危険を感じるほどの「放置竹林」

京都府の自治体で、最も竹林が多い舞鶴市にやって来た辻憲太郎解説委員。しかし、そのほとんどが「放置竹林」で、住民にとって悩みの種となっています。この放置竹林の整備に、ボランティアで取り組む平野さんにその現状を案内していただきました。

「なんでしょうこれは…“竹林”と言うより“竹山”になってますね。斜面全部がほぼ竹に」(辻解説委員)
「頂上あたりまで(竹が)あるでしょ」(まいづる竹林整備・竹活用ネットワーク協議会 平野光雄さん)
「スゴイですね。竹のパワーは」(辻解説委員)

ピーク時には、その生命力の強さから1日に、なんと1メートルも伸びるという「竹」。また、その根は横に広がり新たな竹がどんどん生えていきます。そして、放置された竹林は山裾にある民家のすぐ側まで押し寄せてきます。裏山に押し寄せた竹が今にも屋根にのしかかろうとしている家も…この放置竹林に、常に危険を感じていると周辺の住民は言います。

Q.恐怖感を感じますか?
「一番怖いのは地滑り。ほかは竹が家にかぶさってくるのも…」(近隣住民)
Q.熊は見たことありますか?
「家の近くにある柿の木の上に登っている熊を間近くで見ました。人間が檻の中に入って隠れることになりかねない」

平野さんのボランティア団体では、少しでも竹林の活性化につながればと、竹炭作りに取り組んでいますが、現状は厳しいといいます。

Q.放置竹林対策の決定打にはなってないのはなぜ?
「そんなに売れない。(作るのも)面倒くさいですよ。やらないよりはマシだろうと」(平野さん)

放置竹林を「食べる」!

そんな中、いま新たな竹林の活用方法が注目を集めています。それは…日本の国民食、ラーメンに欠かせない「メンマ」です。厄介者とされる「放置竹林」からメンマを生み出し、放置竹林を食べて解決しようというのです。

この日、舞鶴市でメンマを作りの講習会が開かれました。純国産メンマプロジェクト代表の日高栄治さん。竹の子の収穫を過ぎた「幼竹」と呼ばれる2メートル程度の竹を伐採。それをメンマに加工して販売し「放置竹林」から収益を上げ、さらには竹林整備にもつながるという、まさに一石二鳥の取り組みです。会場に詰めかけた参加者も真剣に聞き入っていました。

「幼竹は硬くて食べられない、エグいと言われていたんですね。誰も食べてなかったんですね。食べられるうちに食べようということです」(純国産メンマプロジェクト代表・アプレ有限会社 日高栄治さん)

講演後に開かれた、放置竹林から作ったメンマの試食会では積極的に食べる参加者の姿が…。感想をうかがうと…

「おいしい。メンマ作りをやってみよってと思ってます。帰ってから、明日から(やりたい)」

「幼竹」簡単に伐採できる?

では、実際にどうやって放置竹林からメンマを作るのか?辻解説委員、福岡県糸島市に向かいました。かつてはタケノコの一大産地でしたが、今ではほとんどの竹林が放置されています。ここで日高さんは、メンマ作りに取り組んでいます。

「竹を食べるというと、タケノコ以外の発想がなかった。4月の中旬から5月の始めにかけてのぐっと伸びた2メートルくらいまでの竹。柔らかくて全部食べられる。幼竹はのこで切るだけなので。竹林整備も進む」(日高さん)

さっそく、幼竹を探し始めた辻解説委員。

Q.これは?
「細いですね」(日高さん)
Q.これはいいのでは?
「(根元が)硬いのでここ(真ん中くらい)から切ります」
Q.食べられる部分は?
「大体食べられると思いますよ、上まで全部」

誰でも簡単に伐採できるということで、辻解説委員も挑戦しました。

「あ!!柔らかい、柔らかい。さくさくいきます。簡単ですね」

お金になる「放置竹林」

これまで、見向きもされなかったこの幼竹。メンマ用に加工すると、タケノコよりも価値が上がるといいます。

(日高さん)「(長さが)決まってるんですよ、40センチとか、タケノコの場合は。加工することで付加価値を地域で高める。湯がい1キログラム250円、塩漬けでメンマにしたら1キログラム1000円、味付けで1キログラム4000円になっていくので。幼竹1本1万5千円か2万円くらいになると思います」
(辻解説委員)「竹林が、宝の山に見えてきました」

以前は竹とは無縁のサラリーマンだった日高さん。住み慣れた糸島に広がる荒廃した竹林を見て、なんとか元の姿に戻したい…そんな思いから、試行錯誤の上にたどり着いたのが、メンマ作りだったそうです。

(日高さん)「もともと農家でもないし、県の人からも言われたんですけど、『メンマ事業につながったのは、素人だからつながったんじゃないのか?』と」
(辻解説委員)「竹の知識がなかったから食べられるんじゃないかと」
(日高さん)「素人の怖さですよね、そこから始まっている。『食べてみよう』とか、普通の人は食べてないですよね」

純国産メンマの味は?

加工の工程を見せていただきました。切り出した幼竹は、皮をむき節を取るなどの下処理をし、1時間近くかけてしっかりボイルします。その後、約1か月塩漬けにすると調理用のメンマができあがります。日高さんは、この塩漬けメンマを使った様々な商品を地元の企業と開発。地域の活性化にも取り組んでいます。

続いてやって来たのは、糸島市にあるコミュニティカフェ&デリ「ことこと」。

「しょうゆ・みりん・お酒・お砂糖を入れています。日高さんのメンマは中国産と比べて、すごく竹の香りがあって上品。ちょっと味わいが違うかも」(コミュニティーカフェ「ことこと」・惣菜チーフ 辛島啓子さん)

そして完成したのが、糸島の竹から生まれた「かぐや姫の贈り物(税込み520円)」。試食させていただきました。

「竹の香りがすごいですね!!全然違います、これ!!」(辻解説委員)
「タケノコよりも、ちゃんと歯ごたえが残っている」(辛島さん)
「白ごはんないですか」(辻解説委員)
「糸島でも放置竹林があちこちで問題になっているので、糸島と言えば『糸島メンマ』となるように」(辛島さん)

「ほとんどボランティアでやっているんで、そこの中にお金を生むシステムが入ってくるので、それ竹林整備に生かすとか。(純国産メンマが)日本の財産になれば、メンマ事業は確立される」(純国産メンマプロジェクト代表・アプレ有限会社 日高栄治さん)
「今は、春先はたけのこのイメージですが、ちょっと先の未来では春はメンマの季節じゃないですかと、言われる未来が来るかもしれないですね」(辻解説委員)

(『辻憲のちょいサキ!』より)

最近の記事

バックナンバー