MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

特集記事

【特集】40年以上一度も稼働されなかったゴミ処理施設を解体へ...無駄な税金は3億6千万円

2019年06月10日(月)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

兵庫県・淡路島にあるゴミ処理施設。かつて1億8000万円をかけて建設されたものの一度も稼働しないまま老朽化してしまったため、取り壊されることが決まったのですが、市民からは「税金の無駄遣いだ」という声があがっています。

一度も使われず解体される「ゴミ処理施設」

「一方的に造ったら何とかなるわ、みたいな感じやったかもしれないな。市民が負担かかってるな」(淡路市民・女性)
「40年前の1億8000万円やったら大きいですよね。こういうことをやっぱり市民に知らせてないっていうのも問題ですよね。淡路市ってお金持ちなんですね」(淡路市民・女性)

と、あきれ返る市民たち。怒りの矛先が向けられているのは、兵庫県の淡路島に建設されたある施設…山の中にそびえ立つ巨大な煙突、今から42年前に建設されたゴミ焼却施設「賞美苑」です。淡路市に合併する以前、旧津名郡北淡町は将来の人口増加に備えて町内の一般廃棄物処理を目的に約1600平方メートルの土地を民間から買い上げ、このゴミ処理施設を建設しました。かかった工事費は約1億8000万円。ところが…

「40年も経ってるということなんですけども、その間なにも使われてないということ、本当に税金の無駄遣いの最たるものだと感じますね。企画の段階で非常にずさんで甘かったんじゃないかと、その結果だと思いますね」(市民オンブズマン兵庫 今井清純さん)

多額の税金を投入して建設されたものの一度も稼働することなく、廃墟と化してしまったのです。市は施設の老朽化が進み倒壊の恐れがあるとして、2020年4月までに解体・撤去する方針ですが、市民オンブズマンとして活動する今井清純さん(78)は憤りを隠せません。

「当時のお金の1億8000万円かけたということなんですが、この使い方としては非常に残念だと思いますね」(今井清順さん)

40年以上にわたって放置され続けた建物の中は?

取材班は6月3日に市の許可を得て、普段は立ち入りが禁止されている施設の中に入りました。40年以上にわたって放置された建物の中には、ぽっかりと口を開けたゴミの投入口だけが…

「もう何もないんですけど、葉っぱとか錆しかないんですけど。ここでゴミを入れる、この下でゴミを焼く」(市の職員)

落ち葉を踏みしめながら建物の下の階へ向かうと、これまで一度も使われたことのない焼却炉が姿を現しました。

「こちらが焼却炉なんですが、放置された結果、そのほとんどが錆びつき、使用できない状態になっています」(記者リポート)

錆びだらけになった焼却炉。誰かが侵入したのでしょうか、空き缶などのゴミも散乱しています。多額の公費を投じて作られた焼却施設はその務めを果たすことなく、静かに朽ち果てていました。

では、せっかく作ったゴミ処理施設がなぜ一度も稼働することなくこのような状態になってしまったのでしょうか。淡路市などによりますと、施設の建設が決まった後、周辺の農家などから農作物への影響を懸念する声が上がり、反対運動が起こりました。そして、住民と行政の対立は裁判に発展。裁判は条件付きで和解しましたが、その後も施設の稼働には至らず、放置されたままになってしまったというのです。

建物が放置され続けてしまったのはなぜ?淡路市の担当者は…

一体なぜ、このような事態に陥ってしまったのか。現在、施設を管理している淡路市に聞いてみると…

「建設前、計画された時ですね、そこから地域の方々の説明・協力要請が行われたということで(記録が)残っています」(淡路市市民生活部 下原渉部長)
Q.説明会で反対意見が出たかどうか記録には?
「説明会を行ったという記録だけしか残っておりませんので、詳細についてはわかりません」
Q.あの場所に建設された経緯は?
「なぜそこになったのかというのは、聞いてないので、詳しくはわかりかねます」

市の担当者によりますと、当時の記録が残っていないため、施設を建設する前から反対する声があったのかどうかなど、詳しいことはわからないということでした。

Q.結局いくら費用がかかる?
「当時建設費用が約1億8000万円と聞いています。この度も解体に1億8000万円程度ということですので、合計で3億6000万円程度を予定しております」(下原渉部長)

建設費約1億8000万円、解体にかかる費用も約1億8000万円。結果、無駄遣いされることになる税金はあわせて約3億6000万円。市民オンブズマンの今井さんは、なぜこのようなてんまつとなってしまったのか、市民にきちんと説明する必要があるのではないかと話します。

「これだけのお金を投入したものだから、資料がないとうことでは済まされないと思うんですよ。地元の行政としても、俗にいう臭いものにふたをしてね、オープンにしないと、国民も住民も知らないからそのままやっていこうと、どうも逃げのスタンスではなかったかと思いますね」(オンブズマン今井さん)

一度もその役目を果たすことなく解体されることになったゴミ焼却施設。解体費用は今後、国からの交付税と市の借金で賄われるということです。

(「Newsミント!」内『特集』より)

最近の記事

バックナンバー