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「おねしょ」は治療できる時代に...親子で悩まず病院へ ズボンに見える"対策グッズ"も

2019年05月30日(木)放送

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子どものおねしょ(夜尿症)で悩んでいる親子は、決して少なくないと思います。けれども今、おねしょは治療できる時代になっています。33年前から「夜尿症外来」を開いている医師に、そもそもの原因や治療法を聞きました。また自分たちで「おねしょ対策グッズ」を開発し、前向きに乗り越えることができた親子を取材しました。

「夜尿症」になる3つの原因

松本麻衣子アナウンサーが訪ねたのは、徳島県の阿南医療センター(阿南市)。小児科医の上田隆先生(66)がこの病院で「夜尿症外来」を始めたのは、33年前。特別な思いがありました。

「私も小学校6年までずっとおねしょ、夜尿をしていまして、一晩に2回毎晩するような」(阿南医療センター・小児科 上田隆医師)

当時は治療方法もなく、中学生になるまで夜尿症に悩まされた上田先生。

「夜中に一度して自分で起きて、お布団裏返して寝る。また朝に夜尿があると。朝から自信のない毎日でした、だめな自分だなって」(上田隆医師)

そこで、そうした子どもや家族の力になりたいという思いで夜尿症外来を開設。これまでに2000人を超える患者を診てきたといいます。夜尿症になる原因は、大きく3つあります。1つ目は通常寝ている間はおしっこを減らすホルモンが出ますが、このホルモンの分泌が少なく起きているときと同じ量のおしっこが作られてしまうタイプ。2つ目は膀胱が小さく、おしっこを溜めることができないタイプ。そして、3つ目が一度寝てしまうと尿意を感じてもなかなか起きられないタイプです。

上田先生の外来では、まず規則正しい生活を目指してもらいます。寝る3時間前から水分を控えることや、おしっこが溜まっていないのに夜中に無理やり起こしてトイレに連れて行かない、などです。

親子で「辛い」と少しでも感じたら受診を

それでも改善しない場合には、2つの治療方法があります。1つ目は薬を使う方法。寝ている間の尿の量を少なくするホルモン剤や、尿を膀胱にたくさん溜められるようにする薬などがあります。そして、もう1つが「アラーム療法」というもの。

Q.これが1つのセットですか?
「はい、目的はおしっこをしたくなったときに起こしてトイレに連れていく」(上田隆医師)

水分を感知するセンサーを専用のパッドに取り付け、おしっこをすると…アラームが鳴って知らせてくれます。

「(アラームの)近くにいたお母さんがそれに気付いて起こす。あるいは子ども自身が音に気付いて起きてトイレに行くと、こういうやり方です」(上田隆医師)

おしっこが出てしまったことを自覚させることで、徐々に症状が改善するというこのアラーム療法。なぜ夜尿症に効果があるのかメカニズムは解明されていませんが、これを数か月続けると改善することが多いそうです。

ほとんどの患者は、小学校高学年くらいになると膀胱が大きくなって症状がなくなるそうですが、上田先生は「辛い」と思う気持ちが親子ともに少しでもあれば受診してほしいと話します。

「親の気持ち考えても腹が立つこともあると思う。毎晩おねしょしたら怒ったり、あるいは怒らなくてもバツをあたえたり『玄関で立ってろ』と。辛い記憶、辛い思い出が重なるというのはよくないし。一日のはじまりの朝から、『自分はだめなんだ』と思っていましたので、家族が悩んでいるなら(受診に)来られたらいいと思います」(上田隆医師)

「おねしょ対策グッズ」を開発 前向きに乗り越えた親子

そうした辛い状況を前向きに乗り越えた親子がいます。福岡県糸島市の和田さん親子です。和田さんが夜尿症を乗り越えた方法…それは、「おねしょ対策グッズ」の開発です。息子さん(16)が小学生だったころ、和田さんは毎日のおねしょに悩まされていました。市販のオムツにはサイズが合うものがなく、いつも布団はびしょびしょだったといいます。

「朝から布団をどこに干せばいいんだろう、シーツどうやって洗おう、2回3回洗濯機回して、とにかく夜起こしたら朝出る量少なくなるんじゃないかと思って、真夜中に『ほら起きるよ』って起こして、おんぶして下(1階)のトイレまで行ってさせて、寝てるから(2階まで)おんぶして抱えてあがってみたいな。そんなふうにやっていても、途中で廊下で立ったままジャーってしてしまって『あー』って。そのとき自分でも、あとで考えたら怖くなるくらい、鬼のように怒りました…怒っちゃっていましたね…。朝起きて何回も洗濯まわしてというのがなかったら、もうちょっと子どもに優しくなれるのかもしれないなというのがあって」(和田麻衣子さん)

そこで和田さんは、苦手な裁縫に挑戦することを決意。息子のために、自分のために。思いつくまま試作を重ねました。

「最初に考えたのが、おねしょシーツ・防水シーツ。これのタオル地の部分を内側にしてズボンを作ったらどうだろうと思って、適当に切ってズボンの形にして『これはいてみて』って。『暑い』って言われまして」

むれる、デザインが気に入らないという息子さんの意見を取り入れ、2年がかりでできあがったのが「おねしょガードズボン(税込み5600円)」です。修学旅行先などでおねしょ対策だとわからないように、見た目は普通のズボン。でも、裏は全体が肌ざわりのよいパイル地となっています。200CCの水をズボンに垂らしてみても…

(松本アナ)「普通だったら下に水が漏れているはずですよね…これはなにもない、濡れていません。ズボン自体にすべて吸収している、冷たくもない、中で全部止まっているんですね」
(和田さん)「このズボンだけ洗ってハンガーにかけて干すだけで済むので」

このズボンをインターネット(おねしょバイバイ.com)で販売したところ、すぐ売り切れてしまうほどの人気商品に。買った人からは、「魔法のパンツ」「おかげで、宿泊も安心です」などのお礼の言葉が届くといいます。そして、和田さん親子にもこんな変化が…。

(和田さん)「『もういいよ、おねしょし。なんとかしちゃあけん、お母さんが』と」
(松本アナ)「すごい気持ちとしてはだいぶ変わりますよね」
(和田さん)「かなりポジティブになりましたね」

小学生の間に夜尿症を卒業した息子さんも…

(息子)「自分が寝ているときも、親が自分の部屋のあかりをつけて仕事(商品開発)しているところをちょくちょく見ていたので、普通に尊敬します」
(和田さん)「初めて聞きました。もっと言っていいよ!」

(『特命取材班・チームF』より)
※このコーナーは女性スタッフが企画を出し合い、調査・取材をするコーナーです。

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