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【特集】全国で被害の訴え...「副業ビジネス」をめぐるトラブルの実態

2019年05月23日(木)放送

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岡山県の会社が行っていたとされる副業ビジネスをめぐって、「お金が振り込まれない」という被害の訴えが全国で相次いでいることがわかった。その数は1500人に上るという。

金が戻って来ず…500万円の負債抱える

大阪市に住む会社員のAさんは去年6月、岡山県内にある農園の社員から“ある儲け話”を持ち掛けられたという。それは、まず、農園「N社」に指定された通販サイトでマンゴーなどの果物約数十万円分をクレジットカードで購入する。果物は実際に手元に届くことはなく、N社の持つ海外の販売ルートなどで転売されるという。そして男性が払い込んだ額に数パーセント上乗せした金額が戻ってくるというものだ。当初は話のとおり金は返ってきていたが、今年1月になって突然、N社からの支払いが滞り、500万円の負債を抱えたという。

「(N社を紹介してくれた)知人自体も信頼できる相手だったし、(N社が)岡山で有名な会社というところもあってそこは信用して自分はスタートした。まさかそんな会社がそんなことをするのかと思ってもみなかった。正直許せない、ありえないことだと思います」(Aさん)

愛知県に住む会社員のBさんもN社の社員からSNSを使った似たような仕組みの副業ビジネスを持ちかけられた。

「SNS広告の影響力がこれだけあるよって。インスタグラムを使って、たくさんの人が投稿することで売り上げが上がるので、その協力をしてほしいというお話」(Bさん)

内容を説明しているサイト(※現在は削除)には、「老若男女誰でも参加ができる副業サービスです」と記載され、“誰でも簡単に稼げる”と強調されているが、リスクに関する説明はない。その副業ビジネスの仕組みはこうだ。N社が指定する通販サイトで高額な健康食品などをクレジットカードで購入する。商品は転売業者へと送られ、その後、業者から届く商品の写真を使ってSNSで宣伝する。SNSに投稿したことをN社に報告すると、払い込んだ額がそのまま戻ってくるという仕組みで、女性はクレジットカードのポイントがたまるというものだ。

「皆さん旅行は好きですか?マイルが貯まればこれだけいろんな所にお安く行けますよって」(Bさん)

ところが、Bさんも始めてから4か月後に支払いが滞り、200万円の負債が残ってしまった。

「私の年収くらいですよ、1年間ただ働きですね。想像するとかなりしんどいですね。信用できる人が紹介してくれたから何も疑うことがなかった」(Bさん)

このような被害を訴えている人は全国各地で1500人に上っているという。

N社では何が?記者が現地へ

果物の生産をメインに行うN社で何が起きているのだろうか。取材班は早速、その農園がある岡山県へ向かった。現地を訪れてみると…

Q.大阪のテレビ局の者ですが、副業ビジネスの事業を知っている人は?
「ここの人間は正直誰も…何が起こったのかも(知らない)。ここは日々、イチゴ狩りだったり桃狩りのお客様の対応をして。もともとはここは道の駅みたいに何もドアとかもなくシャッターだけでやっていて、つい1、2年前にこういうおしゃれな雰囲気になってきた」(N社の従業員)

従業員は、問題の副業ビジネスが始まったのは数年前、今の社長の息子が副社長に就任した後からだと話す。

「ここが何かをしたっていうことではなく、岡山オフィスと名古屋オフィスが主導でやっていた」(N社の従業員)
Q.今回の事業は副社長が?
「上層部がやっていたこと」

問題発覚後は本業の農園にも影響が出ているという。

「5月末で30人くらい事業縮小によるリストラ。いろんな請求書が未払いになっている状況でして、会社として。資金繰りがよくないことがファックスや電話でわかる。お金の行方が全くわからない」(N社の従業員)

取材班は副社長から直接話を聞くべく、岡山市内にある事務所に行くと…

Q.取材している中では副社長がご存知だと聞いている。副社長とつないでいただくことは難しいですか?
「難しいですね」(N社の従業員)
Q.それはなんでですか?
「まずここにはいないということと、いつどこにいるのかもわからない」(N社の従業員)

N社関係者「お金をぐるぐる回しているだけ」

その後も取材を進めると、N社で副業ビジネスに関わっていたという男性から、カメラ撮影はなしという条件で話を聞くことが出来た。

「2つの副業スキームはどちらも建前のみで、ほとんどが物は実在していない。お金をぐるぐる回しているだけだった」(男性の話)

男性によると、AさんやBさんが説明を受けた副業ビジネスの構図はほとんどが嘘で、実際はN社が指定した通販会社の大半がペーパーカンパニーであり、果物などの商品も実在しないという。顧客が支払った金はそのままN社に入金されていて、ここから再び顧客に払い戻すという作業を繰り返していたというのだ。

「実態は空クレジットを切り、架空に売り上げを増やしていた。この架空の売り上げをもとに複数の銀行から融資をもらっていた」(男性の話)

男性の話が事実ならば違法行為に当たるのではないか?被害の相談を受けている弁護士は…

「買っていないものを買ったことにしてお金をカード会社を通じてN社に渡す、それに金利を付けて返すという投資システムだと思います。資格がない者が預り金をしてはいけないから出資法に違反するという面がある。架空の売り上げを実際の売り上げとして計上していたら当然粉飾決算ということになる。商法上も問題になりますし、それを前提に融資を受けていたら明らかに詐欺罪に該当します」(被害相談を受ける加納雄二弁護士)

これに対してN社の代理人弁護士は…

「社長の息子は確かにN社の従業員ですが、副社長というのは自称しているだけです。果物の仕入れの副業はN社の事業ですが、被害を訴えている方のうち85%の方とは分割して返金することで和解しています。SNSを使った副業については社長の息子が別の会社で行ったことで、N社とは関係がありません」(N社の代理人弁護士)

また、当の副社長は取材班の取材に対し、「副業ビジネスは架空の話ではなく、詐欺でも出資法違反でもない」と答えた。全国で被害の訴えが相次ぐN社をめぐる副業ビジネス、今後、実態の解明は進むのだろうか。

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