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【特集】京都で増え続ける簡易宿所 近隣住民困惑、規制の網くぐる施設も!?

2019年05月16日(木)放送

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京都市内では、増える訪日外国人観光客の宿泊需要を背景に、ホテルだけでなくフロントもない部屋の面積も小さな簡易宿所の開業が相次いでいる。そんな中、規制の網をくぐるような宿泊施設が新たに建てられたことにより、住民たちの間には波紋が広がっている。

訪日観光客の増加で“お宿バブル”

5年連続で5000万人以上もの観光客が訪れている京都市。今も海外からの観光客が増え続けていて、外国人の宿泊者数は3年前に初めて300万人を突破するなど10年前の約3.8倍に膨らんでいる。京都市東山区の東福寺の周辺は次々とホテルや料金が比較的安い簡易宿所が開業し、いわば“お宿バブル”とも呼べる状況だ。市内にある簡易宿所の数は今年3月末時点で2990施設で、2016年度の1493施設から過去3年で2倍に増えた。

新たな宿泊施設が増え続ける一方、このお宿バブルに困惑している住民も多い。外国人に道を尋ねられることは日常茶飯事で、住民たちが最も頭を悩ませているのは、宿泊客の出す音だ。1つの宿に十数人が宿泊して一晩中大騒ぎすることもあったという。

「私の家はこっち(民泊の隣)。やかましい、ここは壁1つやもん」(住民女性)

さらに、以前は簡易宿所にもフロントの設置が義務づけられていたが、京都市は去年5月に条例を改正し、客室の数が1つで宿泊者の定員が9人以下の小規模な施設の場合は免除することとした。この結果、小さな簡易宿所の数は増え続けているというが、新たな問題も。

「10分以内に駆けつける」はずが…

市はフロントを置かなくてもよくするかわりに、宿泊客と近隣住民とのトラブルなどに対応できるよう10分以内に駆けつけられる場所に管理人を駐在させるよう義務づけている。しかし…

「(別の近所の人も)電話してはった、『夜うるさーい』って言って」(住民女性)
Q.すぐに対応してくれた?
「10分で来られるって言ってたのに30分かかる、チャリンコやから」
「駆けつけはしない、遠いもん」(住民女性)
Q.10分で来られない?
「来られない、来られない」

実際、去年1月に近くの簡易宿所で火災が発生した際、管理人が現場にやって来たのは住民の連絡から40分以上経った後だったという。

「だいたい(住民が)連絡をしないといけない、することになっているのがそもそもおかしい。『なんかあったら電話くれ』って従業員扱いですやん」(東山区に住む男性)

フロントの設置義務を免れようと?

そんな中、去年11月に建設された新たな宿泊施設が住民たちの間に大きな波紋を広げている。

「新たに建設された簡易宿所は1階と2階に部屋があるのですが、それぞれを別の宿泊施設として許可申請しているということです」(記者リポート)

建物には1階と2階に部屋があるが、それぞれ別の宿泊施設として市に許可申請が出されている。宿泊定員はそれぞれ5人。オーナーと管理者はどちらも同じ会社なのだが…。

「同じオーナーで同じ管理会社で2つに分けて経営すると、普通ありえないですね。なんでそんなことをするのかといったら、管理人を常駐させない、(人件費がかかると)儲けが減るからすると。儲けのことしか考えてない。私らは当然、そういったやり方に対して反発する。当たり前の話ですね」(東山区に住む男性)

京都市の条例では、客室が1つで宿泊者が9人以下の小規模な簡易宿泊施設の場合、フロントの設置義務が免除される。この施設の場合、単純に1階と2階の宿泊定員を合算すると10人となり、小規模施設という枠からはみ出てしまう。このため、1階と2階の部屋をそれぞれ個別の宿泊施設として申請することでフロントの設置を免れようとしているのではないかというのだ。施設の管理者に話を聞くと…

「違法な物件だという認識は一切ありません。条例上もなんの問題もありません。現在、京都市の許可待ちです」(施設の管理者)

取材班は建物のオーナーにも何度も取材を申し込んだが、結局応じてもらうことはできなかった。

市議会で質問受けた京都市は…

この施設をめぐっては、今年3月の市議会でも「脱法行為ではないのか」という質問が相次いだ。

【京都市議会・教育福祉委員会 今年3月】
「同一敷地内に2階建ての1戸の建物があり、その1階と2階部分を分離活用するというものです。1階2階ともに定員は5人ずつ。両方に定員数の宿泊者が泊まれば10人規模ということになります。しかし、これはそれぞれの構造上は問題がないということで、京都市は許可をすると?」(くらた共子市議)
「これまでから建物の一部で旅館業の許可を取られるということはありました。2階建ての建物を1階だけとか、2階だけをするということが今までありました。これについては、それぞれ同様に取り扱って差し支えないというふうに考えております」(京都市医療衛生推進室 中谷繁雄室長)
「両方が詰まれば10人規模のこれは1つの簡易宿所ですよ。しかも同一事業者が管理運営をすると。完全にこれは脱法的な行為だと言わなければなりません。いかがですか?」(くらた共子市議)
「我々が決めた独自ルールの中で、事業者さんが計画を練られているというふうに理解をしている」(中谷繁雄室長)

市は今後、この施設に対して旅館業の許可を出すつもりなのだろうか。市の担当者は…

「個別の案件の審査内容については、答えることができない。一般論として言うなら、書類や手続き上の不備がなければ旅館業の許可は下りる」(市の担当者)

これに対し、民泊問題に詳しい弁護士は…

「運用実態が2つの部屋を一緒に管理するという状況なのであれば、『小規模宿泊施設に当たりません』というふうに(京都市が)ちゃんと解釈を示せばいいだけなのかなと思う」(京都第一法律事務所 藤井豊弁護士)
Q.京都市が許可を出したら?
「同じようなやり方をするところが増えてくる可能性はあるかなと」

市内の風景を急激に変えるお宿バブル。市の判断は、今後の京都の宿泊施設の在り方に大きな影響を与えるかもしれない。

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