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【特集】モスクにドバイ旅行に書道まで 「アラビア文化」に魅せられた人々

2019年05月15日(水)放送

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いま、ドバイなどの中東地域に旅行に行く人が増えていますが、日本国内でもアラビアの魅力に触れることができる場所があります。とりわけ女性たちがアツい視線を注ぐ、アラビア文化の魅力とは…。

“東アジア一美しい”礼拝堂に日本人女性

閑静な住宅街の中にたたずむ日本最大のモスク「東京ジャーミィ」。イスラム教の礼拝場であるモスクの中は、重厚な大理石に光り輝くステンドグラス。そしてアラビア文字がモチーフのシャンデリアがひと際目立ちます。“東アジア一美しい”と言われていて、誰でも見学が可能だという礼拝場には日本人の姿もありました。

「すごく素敵なところよね。装飾とね、ステンドグラスとかがとてもきれい」(観光客)
「トルコ旅行に行きたくて、でもなかなか行けなくて。ここに来ると一歩近づいたような」(観光客)

「普通のストールというか、家にあるスカーフを持ってきて頭に巻きました」(学生)

「ステンドグラスがすごくきれいで、芸術ってこういうものなんだなって思いました」(学生)

実はいま、こうしたアラビア文化の世界に魅了される人たちが増えています。例えば、インスタグラムで「アラブ」と検索すれば、世界中の美しいモスクなどの写真があげられています。

中東地域が旅行先として人気急上昇

近年日本人の旅行先として人気が急上昇しているのが、ドバイやモロッコなどの中東地域で、特に関西空港から直行便が出ているドバイは、毎年訪れる人が増え続けていて去年初めて10万人を突破しました。その人気の秘密とは…

「高層ビルの近代的な部分とドバイは中東のイスラムの国なので、そういったアラブ系といいますかイスラム系の建物も残っているので、両方楽しめるのでそこが人気かなと思います。治安面は本当に抜群に良くて、女性だけで夜歩いていても全然危険を感じないようなところかとは思いますね」(エス・ティー・ワールド 松尾祐吾さん)

「アラビア書道」に熱中

アラビア人気が高まる中、アラブの文化をより深く学べる場所が「アラブ・イスラーム学院」です。ここは1982年からサウジアラビア大使館に付属するアラビア語などが学べる施設です。これまでに、のべ3000人以上の日本人がアラブ・イスラーム文化を学んできました。

「アラビア語だけではなくて、アラビアの文化とか、アラビア料理の紹介の活動とか、『アラビア書道』の活動もやっています」(アラブ・イスラーム学院 アハマド・アルハルビ学院長代理)

なかでも最近人気だというのが「アラビア書道」。書道といっても日本の書道とは一味違います。まるで絵画のような作品ですが、よくみるとアラビアの文字で描かれています。この「文字」に熱中する人たちがいます。

学院で年に10回開催されるという「アラビア書道」の講座。習っているのは、始めたばかりの人から30年近く通う人まで。

講師を務めるのは山岡幸一さん(65)。40年ほど前にサウジアラビアで駐在をしていたときにアラビア文字と出会い、アラビア書道を始めました。指導を始めてから約15年。いまでは関東や関西を中心に17か所に教室を構え、生徒の数は300人を超えました。アラビア書道を始める理由は様々です。

「エジプトに旅行に行ったときに初めてアラビア文字を見まして、うわーきれいって思ったんですけれど。全然読めないです。(Q.読めなくても楽しい?)楽しいものですね。そこに普遍的な美しさを感じるので」(アラビア書道歴7年 日本書道家・50代)

「日本の書道とは全然違いますし、文字の曲がった感じとか。漢字とかにはないかなって」(アラビア書道歴1か月 会社員・24歳)

毛筆ではなく「竹の筆」で書くというアラビア文字。アルファベットのような28文字からなり、文は右から左へ書きます。文字同士が連なるのがアラビア文字の特徴です。もともとイスラム教の聖典コーランを正しく書き写すために始まったとされるアラビア書道。求められるのは“正確な形”だといいます。

「日本の書道っていうのは結構個性が出る感じがするんですが、このアラビア書道の場合、勝手に伸ばしたり、点の打つところを書き違えたりするとまずいので、読み間違えたりするとコーランの内容が間違って伝わったりするので、これはしっかりと書き方を決めてます」(山岡幸一さん)

正しく書けるようになるまでに10年以上もかかるといわれていますが、ゆくゆくは芸術的な作品を描けるまでになるといいます。

「違うからこそおもしろい」アラビアとの文化交流を絵本で

この書道をきっかけにアラビアとの文化交流を深めている片桐早織さん(53)。片桐さんが熱中しているのは「絵本」です。自宅には中東の各国で出版された約1500冊ものコレクションがあります。ついには翻訳家として日本の昔話をアラビア語に訳し、自ら描いた絵本を出版するまでになりました。きっかけは7年前、小学校でスーダンから来た女の子に日本語を教えていたときのことでした。

「図書館に連れて行って『どれでも好きな本を選んでごらん』って言ったんですよ。そしたらその子がすごくたくさんの本を選んだんだけど、開いてみると結構イスラムの教え的には受け入れられないっていうので、すぐに本を閉じちゃうんすよ」(片桐早織さん)

イスラム教の教えでは、肌の露出や肌の色の違い神様を人間の姿に表現することなどはタブーとされています。そのため、片桐さんは問題になる場面を省いたり表現を変えたりして、ムスリムの子どもにも絵本が伝わるよう工夫しました。例えば、昔話の「ももたろう」は…

「これはですね、この表紙です。ヌードがだめなんですよ。男性であれ女性であれ。なのでちょっと隠す形で描きました」(片桐早織さん)

片桐さんは今後、アラブの絵本を紹介する活動にも力を入れたいと話します。

「日本の子どもたちに、もっと中東やアラブの文化に興味を持ってほしいなと。違うからということで拒絶するのではなくて、どうして違うのかなっていうところがおもしろいのであって、違うからこそおもしろいというのを伝えたいなと思います」(片桐早織さん)

人々の心をひきつけるアラビア文化の世界。訪日するムスリムが増える中、受け入れる私たちの理解が求められています。

(「Newsミント!」内『特集』より)

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