MBS 毎日放送

2019年10月17日 20時30分 公開

関西人には魔法の言葉!それ以外の人には 「はあ?」となる『知らんけど』を徹底調査!

関西人と話をしていると最後に「えっ?」となった経験はないだろうか。それは、会話の最後に「知らんけど」とわざわざ付け加えることだ。真剣に「そうなんだ」「なるほど」と聞いていたのに最後に「知らんけど」と落とす関西人。
そこで、このおかしな締めくくりの言葉「知らんけど」について、10月13日(日)の「コトノハ図鑑」(MBS)が徹底調査した。「知らんけど」と関西人はなぜ言ってしまうのか?今回、その理由が明らかになった…。

「私も『知らんけど』使いたい!」
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 取材担当は、MBSの東京出身・辻沙緒里アナウンサーと、生まれも育ちも大阪の松井愛アナウンサー。松井アナは、普段からコテコテの関西弁を話す親しみあるアナウンサーだ。
大阪生活2年目の辻アナは「私も『知らんけど』を使いたいです!」と意気込み、今回、関西弁の歴史に詳しい大阪大学の金水敏教授から「関西人が『知らんけど』を使う理由」を学ぶことに。

「関西人は『ん』が語尾につく言葉が好き」

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 「関西人は『知らんけど』を使う4つの理由がある」と話す金水教授。
1つ目は「関西人は、語尾に『ん』がつく言葉が好き」。例えば「あかん」「ですねん」「ちゃうもん」「そうやん」など。語尾に「ん」がついていると調子よく話せるので好んで使っている。
 2つ目は「関西人はあやふやなことでも面白ければ"言いたい"」。それはもはや、汗と一緒で、止められないのだとか。それに対して東京人は、あやふやな情報を避ける傾向があるという。それは、江戸時代にさかのぼり、江戸は「武士文化」。関西は「商人文化」という土壌の違いから。あやふやな情報を流すと身の危険すらあった「武士文化」とは違い、「商人文化」の関西では会話で場を盛り上げて物を売っていた。そのため「あやふやな情報」でも会話を続けるために、「知らんけど」という言葉を生み出し、ビジネスチャンスを作ったのだ。

「面白さを重視/事実をより盛る」
 3つ目の理由は「関西人の会話は正しさより"楽しさ重視"」。これは、関西人の悪い癖で「で、オチは?」と、必ず相手に"面白いオチ"を求めるという事にもつながるかもしれない。辻アナも「『で、オチは?』と言われる」と言っていた。意地悪で言っているのではない。会話を楽しみたいからである。
 そして、4つ目の理由は「会話を楽しくするため"事実をより盛る"」。金水教授は「関西人同士は"知らんけど"の意味を共有し会話が成立している」と解説した。
VTRを見ていた福岡出身の新人・野崎紗己子アナは「私は、大阪に来て半年になります。初め先輩にアドバイスをいただき、いろんな話しを10分・20分聞いて最後に『知らんけど』と言われた時、『すみません!知らないこと聞いちゃって!』となりました...」と打ち明けた。

「知らんけど!」「知らんのかーい!」

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 そして、「『知らんけど』を使いたい」と言っていた東京出身の辻アナが、大阪で活躍している"オバちゃんキャラ"が強烈なタレントと喫茶店でお茶をしながら「リアル関西弁」を学ぶことに。
 ここでは、「関西弁の撮影とだけ伝えている」のだが、果たして"オバチャン"たちの口から「知らんけど」はでるのか?
結果は、自然に「知らんけど」は出た。そのツッコミとして「知らんのかーい」も。この流れは3つ目の理由「関西人の会話は正しさより"楽しさ重視"」に当てはまる。

「会話の4つの原則」

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 次に、金水教授は「人は会話をしている時、基本的に守っているマナーがある」といい、イギリスの哲学者のポール・グライスの「日常会話の4つの原則」を知ると、「知らんけど」の使い方がよく分かると解説した。お気楽な関西弁の「知らんけど」で哲学とは・・・。
グライシスによる会話の原則
①量の原則(長すぎても短すぎてもダメ)
②質の原則(ウソをついてはダメ)
③関連性の原則(関係ないことを言ってはダメ)
④様式の原則(不明確・曖昧な内容はダメ)

上記の文字の羅列だけを見ると「無味乾燥」として、全く面白味がない。しかし関西人はわざとこの原則を外してボケるのだ。なかでも「不明確・曖昧な内容」を言うときには、わざと「知らんけど」と言うことによって、「これはボケですよ」というのが分かるようにするのだ。実は、先に記した"オバチャン"の会話でも出ていた「知らんけど」のあとの「知らんのかーい」は、このグライシスの原則が根底にあるからこその"ボケ"だという。
「『知らんけど』を使いたい!」と言っていた辻アナは、「(会話に)型があったのが分かったので、その型を習得したら徐々に使えるかも知れないです。知らんけど!」と締めくくったが...。松井アナや他のアナウンサーたちは「ああ・・・」となった。
 この「知らんけど」は、別に練習して使う言葉でも、「習得する言葉」でもない。関西で暮らし、関西人と接していくうちに自然と使えるようになるものではないだろうか。知らんけど。

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