MBS 毎日放送

2019年06月23日 19時00分 公開

中島みゆき、大塚愛らが作詞した「歌詞」を大解剖 人の心に残るヒット曲はやはり違った!

 「この曲好き!」と感じた時、「メロディが気に入ったから」「歌詞に共感したから」など好きになる理由は人それぞれ。今回、6月9日(日)に放送された「コトノハ図鑑」では、「あの歌詞はなぜ心に残るのか」の著書で、いきものがかりの大ファンでもある岐阜大学の山田敏弘教授を迎え、「ひと文字違いで大違い!歌詞のコトノハ」を特集した。中島みゆきが作詞した工藤静香のあの大ヒット曲からカラオケの定番ソングなどの“歌詞”について調査した。

「言えないのよ~言えないのよ~」反復の効果とは?

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 今回取材を担当したのは、歌うことが大好きというMBSの山中真アナウンサーと武川智美アナウンサー。2人は、山田教授にJ―ポップの様々な曲の歌詞を題材に「相手により強く想いを伝える日本語表現」について学ぶ。まずは、「言えないのよ~言えないのよ~」のフレーズは世代でない人も「あ!あの曲だ」と分かる人も多い工藤静香の「MUGO・ん...色っぽい」 。中島みゆきが作詞した大ヒット曲だ。「慟哭(どうこく)」も同じく中島みゆきが作詞した「ひと晩じゅう 泣いて 泣いて 泣いて...」の言葉の繰り返し・反復が特徴的なヒット曲。これらの歌詞について山田教授は「繰り返すことで、"ひと晩中"の時間の長さを強調している」と解説した。この歌詞をアナウンサーの山中アナと武川アナは「ニュース原稿とは全然違いますね。そもそも主語がないです」と言い、武川アナが題材となった「MUGO・ん...色っぽい」をニュース原稿風に言い換えた。「言えないのよ 言えないのよ いいたいことなら どれくらい あるかわからなくあふれてる」を、「女は主張したいことがあるようですが、現在は混乱していて黙秘を続けています」とした。
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また、河島英五の「酒と泪と男と女」の歌詞にも反復した言葉がでてくる。教授は「飲んで 飲んで《飲まれて》飲んで」の《飲まれて》の歌詞に注目した。この曲の繰り返しの中には、「時間の経過と、酒に弱い男が飲み続けている寂しい様子も表現している」と説明した。

「君だけしかいなくて~」

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 「若かったあの頃 何も怖くなかった ただ貴方のやさしさが怖かった」は、1973年にリリースされたかぐや姫の「神田川」。教授によると「前に否定の歌詞がある時、伝えたいのは後ろの歌詞」だという。「貴方のやさしさが怖かった」という歌詞は、現代でも変わらない男女間の切ない感情がたったの1フレーズで表現されている。そしてこの歌をカラオケで熱唱した山中アナの歌声のせいもあってか(?)、武川アナは「この歌詞聞くだけで泣けてきますぅ...」と涙ぐんでいた。
次に、1993年に発売された藤井フミヤの「TRUE LOVE」。この歌詞の「君だけを信じて 君だけを傷つけて 君だけをみつめて 《君だけしかいなくて》」の最後の歌詞に注目した。「《だけ⇒だけしか》で、より強い気持ちを表現している」と説明。さらに、この「TRUE LOVE」には、先に解説した「繰り返し・反復の言葉」がでてくるのだ。「はるか はるか 遠い未来を」と。その表現もプラスされ、「君だけしかいなくて~」と当時超人気アーティストだった藤井フミヤの甘い声でこの曲を歌われると「そりゃ、多くの女性の心をわしづかみしたでしょうね」と簡単に推察できる。

レタス言葉でイマドキの雰囲気を出した歌詞

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レベッカの大ヒット曲「フレンズ」は、カラオケの定番になっている大人気ソング。この曲の歌詞「口づけを交わした日は ママの顔が見れなかった」だが、アナウンサーや文筆業などはかなり気になるフレーズ。本来は「見られなかった」となるのが正解で「ら」抜きになっている歌詞に、武川アナは「私はこれ!最初から気になっていました」といい、続けて「ママの顔というのが(先に)あるので、余計に『見れなかった』が、若い子のイメージがある」と分析していた。最近は「ら」抜き言葉のほか、大塚愛の曲「さくらんぼ」には、"レタス(れ足す)言葉"があると山田教授。「さくらんぼの歌詞」⇒「書きあらわせない」は、「レタス(れ足す)言葉」になっている。アナウンサー的に言うとこれは「書きあらわせない」で、正しくは「書きあらわされない」だ。しかし、このような言葉で表現することによってイマドキの歌詞の雰囲気になると解説した。

「この曲!不倫の曲だよ!」

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 このほか、ドリームズカムトゥルーの「決戦は金曜日」の歌詞、「この夜《が》だんだん 待ち遠しくなる」「この夜《を》どんどん 好きになってくる」について、教授は「夜が変わっていく様と、私の気持ちが変わっていく様を《が》と《を》で表現している」。つまり、「が」よりも「を」使う方がより強い気持ちを表すことになるという。ほかにも、沢田研二の「勝手にしやがれ」だが、A「壁ぎわ《に》寝返りうって 背中できいている」と、B「壁ぎわ《で》寝返りうって 背中できいている」。教授は、《に》と《で》の違いで全く印象が変わることも解説した。Aの「に」の方が、「壁の方向を向きたい」という意思が出ていて、「彼女に対して心苦しい感情を表現している!」と武川アナは補足した。
今回、ヒット曲の歌詞の魅力について調査したが、西村麻子アナは「私、全然歌詞を聞かずに曲を聞いてしまう。メロディとかノリだけで...」と言い出し、「前に、夫と一緒にドライブしてる時、『この曲いいね!好きだわ!』って言ったら、夫に『この曲、不倫の曲だよ』って言われまして...。その時に『私、歌詞を全然聞いてなかった!!』と初めて気づきました...」と明かしていた。まさか、西村アナに限って...?!

「コトノハ図鑑」(MBS 毎週日 あさ5時45分放送)は、MBSのアナウンサーが「コトノハ図鑑」の編集者として様々な分野の"言葉(コトノハ)"の世界を取材。「アナウンサーが言葉を学ぶこと」を通して、視聴者にも発見を届ける。"コトノハ"を深く知れば、『人生が少し豊かになる』をコンセプトに知的好奇心をくすぐる番組。

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