建築家 Vol.1251

永山祐子

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05.14(日)

よる11:00

大型プロジェクトのオファー殺到!
光のデザインで描く街の未来

地上48階、地下5階、高さ225メートル、超高層のエンターテインメント複合施設だ。
この巨大ビルの外装を担当したのが、建築家・永山祐子、47歳。
噴水をモチーフとした大胆な形状と色使いは、オフィスフロアや企業テナントが入らないからこそできたという。ビルを覆う4000枚以上のガラスの反射を、表面の特殊印刷によってコントロールすることで、水のキラキラした反射、しぶきの白さを表現している。光の使い方を得意とする永山の感性が遺憾なく発揮されていた。
高校在学中に建築家を目指すことを決心。大学卒業後に就職した設計事務所で、「スタッフは4年で卒業する」というルールのもと、朝から晩まで建築を学び26歳で独立、自らの事務所を設立した。
永山の事務所には現在16人が在籍している。夫と2人の子どもとの生活と、仕事を両立させている永山に憧れて入所する女性スタッフも少なくない。
複数のプロジェクトが常に同時進行している。若いスタッフに委ねた細部をチェックし、適確なアドバイスを与える姿は、頼もしい指揮官に見えた。一方で、悩んだときには他のスタッフたちに声をかけ、意見を求める柔軟さもある。それもまた、彼女が慕われるゆえんだろう。独立してゆくスタッフを見送る永山の姿には、母親にも似た心遣いが覗いた。
2025年大阪・関西万博では、2つのパビリオンを担当する。1つは、2020年ドバイ万博の際使用した資材をリユースして設計するというもの。そこにはサステナブルを地で行く知恵と工夫が生きている。
いま、最も注目を集めている建築家のひとり。そのエネルギッシュな日々を見つめた。

Yuko Nagayama

1975年、東京生まれ。
昭和女子大卒業後、「青木淳建築計画事務所」に就職。
2002年、永山祐子建築設計を設立。
独立直後、「ルイ・ヴィトン京都大丸店」の外装デザインで注目される。
代表作に「豊島横尾館」、「女神の森セントラルガーデン」、「ドバイ万博 日本館」など多数。「JINS PARK 前橋」は世界三大デザイン賞の1つ、iF Design Award 2023を受賞した。
2025年大阪・関西万博「パナソニックグループパビリオン『ノモの国』」と「ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartier」、Torch Tower(2027年度)などの計画が進行中。
大型プロジェクトから家具のデザインまで幅広く活躍を続ける。

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