この企画は、私自身が父を淀川キリスト教病院のホスピスで看取った実体験が出 発点です。複数の病院で見放され、余命一週間と言われて転院したのがこのホス ピスでした。
そこでは、これまでの病院の概念を覆される出来事の連続でした。 ナースが一時間以上座り込んで患者と話をする、何を食べてもよい、お茶会やボ ランティアさんによるコンサートなどイベントが盛りだくさん、一ヶ月に一回、 何でも好きな料理をリクエストできるなどなど。 結果、父は何度も旅行や退院ができるまでになり、充実した日々を過ごした後、 8ヵ月後に他界しました。 そこで出会い、大きな感銘を受けたのがここの主任ナースの田村恵子さんでした。 それから7年、紆余曲折の後、田村恵子さんをモデルとしたスペシャルドラマが 実現することになりました。 「命あるものには、かならず限りがある」 昨年、東日本大震災を経験し、この「間違いのない真実」をより身近に感じた今 だからこそ、このドラマを見て頂き、どんな時にも「希望」を持って、生きるこ とを大事にするきっかけになればうれしく思います。
真矢みきさんには、数年前にこの企画を是非やりたいと言って頂き、このドラマ はスタートしました。 共演者に、石田ひかりさん、岸本加世子さん、遠藤憲一さん、本仮屋ユイカさん など、リアリティを表現するのにすばらしい役者さんたちが揃いました。 熱意とあたたかさに溢れた、すばらしい撮影現場で、きっと映像からもその雰囲 気が伝わってくると思います。
このドラマは前向きな「希望」のドラマです。 「死」のドラマは暗いからいや、という偏見にとらわれず、是非見てください。 きっと見終わった後に、あたたかさを感じていただけると確信しています。