愛親病院ホスピス病棟の新人看護師・西村紗希を演じる本仮屋ユイカさん。今回、ナース役は初めての挑戦だそうです。収録前に淀川キリスト教病院のホスピスで研修も受けて役作りした本仮屋さんにお話を伺いました。
―今回、ナース役は初めてということで、ホスピスに研修にもいかれたとのことですが、いかがでしたか?
きめ細やかな愛情深いケアに感動しました。間近に看護師さんと患者さんの生活に同行させていただいて、死とまっすぐに向かい合いながら過ごされている患者さんの姿に胸がいっぱいになりました。実際のホスピスは空気が済んでいて、光が溢れているような明るさがあって、山の頂上のような気持ちのいいところでした。でも研修を終えて、ホテルに戻ったら切なくなってしまって、自分がこれから看護師役を演じる自信がなくなってしまって…。そんな気持ちを田村さんに正直に伝えると、「新人ナースはみんなそうなのよ。役柄も新人看護師なんだから、気持ちがリンクしていて良いじゃない」と励まされて、役に対するモチベーションと自信が持てました。
―実際に演じてみていかがでしたか?
演じていて勉強になったのは、相手の人(患者さん)のことを思って、相手の側に立ち続けるホスピスナースの姿勢です。毎日が勉強になりました。ナースをやるに当たって、本当のホスピスナースの方々の働きぶりや考え方に触れて元気をもらったので、そのすばらしさ伝えたい、それをどうにか表現したいという使命感がありました。ドラマの中で患者さんがやり残したことがあると、役でもなんとかしてあげたいと思いました。
―次第にホスピスナースになっていかれたんですね。
クランクインの日に病院の名札用に顔写真を撮ったのですが、収録の最後になって、真矢さんと「やっぱり顔が違うよね、成長してるよね」と話していました。カンファレンスルームのシーンで真矢さんと目が合って、アイコンタクトだけでお互いの仕事を理解し合うところがあって、なんとも言えない連帯感を感じて、うれしかったです。
―真矢さんとは初共演ですね。
実は、私は5年くらい前から真矢さんのことが、大好きで、大好きで、大好きで。つねづねご一緒したいなと思っていましたので、共演できることがすごく幸せでした。実際、とってもすてきな方でした。いつでもパワーがみなぎっていて、疲れたりしている姿を見たことがなくて。ずっと(役柄の)田辺さんでした。真矢さんについていくと自然に紗希になれたので、ありがたかったです。
―印象に残るシーンはありましたか?
ありました。岸本加世子さんが演じる北山君子さんとのファーストシーンです。北山さんの病室で私が怒られるシーンで、「すいませんっていいなさい!」と、アドリブのようなセリフに岸本さんのパワーを感じました。こんなにも何気ない短いシーンを明るくパワフルに演じられることで、スタッフさんも笑わせて、一瞬にして北山君子の人柄を印象づけてしまう。すごいなあ、と思いました。
―このドラマをご覧になる方に一言お願いします。
台本を読んで、いま、この作品に関われることが幸せだなと思いました。昨年の震災以降、みんなが不安な状況のなかで、「いのち」や「人の絆」の大切さが改めて見直されるようになっていると思います。このドラマはホスピス病棟を舞台に「生きてゆく」思いの詰まったドラマだと思います。ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。