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田丸一男アナウンサーのブログ

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日本語の連濁化

更新:2015年7月9日
ニュースで出てきた「悪口」という言葉。私はこれまで「わるぐち」と濁って読むことが多かったのですが、東京からのニュースで、濁らない「わるくち」と読むアナウンサーが多いのに驚きました。国語辞典の多くが「わるくち」で掲載している例がほとんどです。でも連濁の法則に従うと「わるぐち」と濁るはずなのですが・・・

★例外も多くなかなか規則性は見出せない「連濁」

日本語の「連濁」とは「カ」「サ」「タ」「ハ」行ではじまる語頭の清音が、語の複合によって濁音化する現象のことです。

わたしは連濁するかどうかの基準にしていることがあります。「絶対的」な規則性はないのですが、前に来る語に濁音が含まれていると連濁が起こらないというものです。

例えば「水玉(みずたま)」は「水」に濁音が含まれるため、「玉」は連濁しないのです。一方「赤玉」は前の語に濁音はないので「あかだま」と連濁するというわけです。

日本語の連濁は、複合語の一体性を高めるという見方があります。「悪口」も「悪」と「口」という複合の意識が薄れ、「悪口」でひとまとまりになっているという意識が働いた結果、連濁が起こっているのではないでしょうか?

ただ、例外もあります。「ごみ箱」は前の語に濁音が含まれるので連濁しないかとおもいきや「ごみばこ」ですし、「紙屑」は前の語に濁音はないけど連濁はせず「かみくず」です。「悪口」の場合も、前の語に濁音が含まれないので「わるぐち」と濁るのが連濁の法則ですが、「わるくち」と濁らない例が辞書では優先されています。

「悪口」とは逆に、最近は、NHKの放送文化研究所の「ことば世論発音調査」を見ると連濁の読みを優先すると回答する人が増えているといいます。どうも違和感があるのですが、例えば、「過不足(かぶそく)」「過払い(かばらい)」「未払い(みばらい)」「河川敷(かせんじき)」「奥深い(おくぶかい)」など、いずれも連濁しないと覚えていたものです。

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