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田丸 一男アナウンサーのブログ

田丸一男のことばエッセイ

噴火警戒レベル「レベル5」とは

更新:2015年5月29日
きょう、午前10時前、鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳(しんだけ)で爆発的な噴火が発生。海岸まで火砕流が到達しました。気象庁は「噴火警報」を出し、噴火警戒レベルを「レベル5」に引き上げ、約36平方キロメートルの島の78世帯113人の住民全員の避難指示を出しました。気象庁の噴火警報についてまとめます。

★噴火警戒レベル5とは「避難」を意味 最も高いレベル

口永良部島は屋久島の西約12キロにある火山の島です。テレビに映し出された激しい噴煙はおよそ9000メートルの高さまで上がりました。これまでは噴火警戒レベルをレベル3の「入山規制」でしたが、この噴火を受けて最高の「レベル5」の「避難」に引き上げられました。新岳は去年8月、34年ぶりとなる噴火が確認され、警戒レベルが1から3に引き上げられていました。

気象庁は2007年から噴火警報を出しています。日本国内の110の活火山のうち、現在は31火山が対象です。警戒レベルは1から5までの5段階です。

レベル1「活火山であることに注意」(噴火予報)
レベル2「火口周辺規制」(火口周辺警報)
レベル3「入山規制」(火口周辺警報)
レベル4「避難準備」(噴火警報)
レベル5「避難」(噴火警報)

「レベル5」は「居住住地域に重大な被害をもたらす火山活動(噴火)が発生した、あるいはその恐れが高く切迫した状態」で危険な地域ではすべての住民が避難することが求められます。

口永良部島で噴火警戒レベルが5に引き上げられたのは、レベルが導入された2007年以来、初めてです。今回の噴火はマグマが上昇して噴出する「マグマ噴火」と見られています。

57人の犠牲者と6人の行方不明者を出した去年9月の御嶽山(おんたけさん)の噴火は、熱せられた地下水が急激に水蒸気になって爆発した「水蒸気爆発」でした。

「発令」と「発表」違います!

更新:2015年5月28日
このところ真夏を思わせる強い日差しが続いています。近畿各府県できのうは「光化学スモッグ注意報」が「発令」されました。光化学スモッグ注意報は「発表」されたとは言いません。国や地方自治体が出すものは「発令」なんです。気象庁の出す警報や注意報は、強制力がないため「発令」ではなく「発表」です。この区別は結構、重要なんです。

★「津波警報・発令」は間違い

「発令」は命令を出すことです。それが出せるのは行政側、各自治体です。放送では「発令」と「発表」を意識して区別しています。

放送で「発令」を使うのは自治体の長が出す「光化学スモッグ」などの警報・注意報と災害が予想される時の「避難勧告」「避難指示」です。「厳重に警戒・注意する」ことを住民に命じているものなのです。

一方、気象庁が出す「特別警報」「警報」「注意報」は強制力がなく「発表」です。災害への備えが必要だと予報を発表しているのであって、備える命令を発しているのではないというのが気象庁のスタンスです。

今でも「津波警報発令」と伝えるメディアが少なくありませんが、これは間違いなのです。

後発医薬品(ジェネリック)とは

更新:2015年5月27日
厚生労働省は医療費の抑制に向けて、価格が安い「後発医薬品」、いわゆる「ジェネリック」の使用割合を5年後の2020年度までに80%以上に引き上げ、1兆円以上を削減する方針をまとめました。後発医薬品はなぜ「ジェネリック」と呼ばれるのでしょうか。

★一般的に広く使用され、効能や安全性が確立された医薬品

開発された薬(先発薬)は20年間は特許で守られ、高い価格で独占的に売ることができます。しかし特許が切れると、他のメーカーも同じ成分を使って安く作れるようになります。これが後発薬です。効き目や安全性も審査されています。

研究開発費が安く済むため3割から5割も安くなるのです。欧米では全薬の8割前後まで普及していますが、日本ではまだ50%足らずです。厚生労働省は医療費の抑制に向けて、後発薬を推進しているのです。

後発医薬品は「ジェネリック」(generic)とも呼ばれます。英語で「一般的な」という意味の形容詞です。薬剤は分類する際に、商品名の他に「薬剤の主成分の一般名」が記載されます。その一般名を「Generic name」と呼ぶことから、ジェネリック医薬品と呼ばれます。正確に言えばその後発品に対する「先発品の成分を含んだ医薬品」ということになります。

「高血圧」と「低血圧」

更新:2015年5月26日
年に二回行われる会社の健康診断。若いころは血圧なんて気にしたことはなかったのですが、歳をとってくると他人事ではなくなります。「上がいくつ、下がいくつ」なんていう風に呼ぶこの数字。ちゃんと単位があるんです。

★上が140mmHg 下が90mmHg以上だと高血圧

「血圧」は血液が血管の中を通るとき、血管にかかる圧力のこと。心臓は、ポンプのように1分に60回から70回ぐらい、血液を血管へと押し出しています。心臓が収縮して血液を押し出した瞬間は、血管にいちばん強く圧力がかかり、これが収縮期血圧(最高血圧)。そして、収縮した後に心臓がひろがる(拡張する)ときには、圧力がいちばん低くなり、これが拡張期血圧(最低血圧)です。そのどちらが高ければ高血圧、低ければ低血圧と呼びます。

2000年に日本の高血圧治療ガイドラインが作られ、収縮期血圧が140mmHg以上。または拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧と判断します。この基準は世界基準と同じです。

一方、低血圧に関しては、一般に、成人で収縮期血圧が100mmHg以下をいいます。ただし、低血圧でも強い症状がない場合、通常は特別な治療は必要とされていません。

血圧の単位「mmHg」は「ミリエイチジー」(Hgは水銀=マーキュリー)と読みます。もともと「水銀圧力計で〜ミリを示す」という意味の圧力の単位です。最近は「ミリマーキュリー」も使われます。ミリエイチジーより読みやすいし、英語表記では「millimeter(s) of mercury」 となるからです。

インシデント ヒヤリハット

更新:2015年5月25日
最近、耳にすることが多くなってきた「インシデント」「ヒヤリハット」。事故には至らなかったものの適切に処理しないと事故になる可能性のある事象のことです。放送の事故も「ヒヤリハット」しながら防ぐ毎日です。

★ヒヤリハット⇒インシデント⇒アクシデント

国語辞典(新明解国語辞典・三省堂)で調べると

インシデント…付随的出来事。小事件。

事故が起こってしまうと「アクシデント」ですが、重大な事故につながりかねない事故のことを「インシデント」と呼びます。この言葉が頻繁に使われるようになったのは信楽高原鉄道事故の報告書が報じられた1990年代以降のこと。

放送ではまだまだ分かりにくいので「大事故につながる恐れのある重大インシデント」と言葉を添えることにしています。

さらに「ヒヤリハット」は医療現場などで使われる言葉で「事故につながりかねないミスに気づき汗をかくこと」です。言葉の語源は「重大な事故が起こりそうになりヒヤリとした」「重大な問題に直前に気づきハットした」から作られました。

労働災害における経験から得られた法則の一つ「ハインリッヒの法則」に基づいているとされます。1つの重大事故アクシデントの背後には、29の軽微で簡単な事故やミスがあり、その背景には300の異常すなわち、ヒヤリとしたこと、ハットしたことが存在するというものです。

簡易宿泊所は「ショ」か「ジョ」か

更新:2015年5月22日
神奈川県川崎市の簡易宿泊所が全焼したニュース。放送各社は簡易宿泊所の読み方が「シュクハクショ」「シュクハクジョ」の両方混在。特に統一はされていないよう。アナウンサー室で話題にしてみました。

★「所」の直前が濁音なら「ショ」

「○○所」の読みは「ショ」か「ジョ」か迷うことがあります。「ショ」でも「ジョ」でも構わない言葉が多いんです。会社名、組織名など固有名詞のときは、直接、電話して「読み方」を尋ねることにしています。

NHK放送文化研究所の「ことばウラ・オモテ」のサイトには『東日本では「ジョ」が多く聞かれ、西日本では「ショ」という清音が好まれている』とありました。川崎市の簡易宿泊所のニュースでは「しゅくはくじょ」と濁る場合が多い気がします。

「ショ」でも「ジョ」でも許される場合、どちらを取るべきか…一助になりそうなある「基準」を見つけました。

国立国会図書館(東京・千代田区)が決めた「読み方の基準」に「所」の読み方について次のように記されています。

●「しょ」と濁らないもの ⇒直前の母音の前にある子音が『濁音』の場合
(例)裁判所、作業所、製造所、相談所、発電所、託児所、変電所

●「じょ」と濁るもの ⇒直前の母音の前にある子音が『濁音でない』場合
(例)研究所、取引所、保育所、試験所、観測所、審判所、出版所

この定義に従うなら「宿泊所」は「じょ」と濁ることになります。

アナウンサー数人に意見を聞きましたが、最近は若い世代で「しょ」を発音する人が増えているのではないかと指摘する人がいました。「しょ」を発音する方が、「じょ」を発音するときよりも力を使わなくてもいいからではないかと思いますがいかがでしょうか?

略式命令とは

更新:2015年5月21日
国内では無効の国際運転免許しか持たずに車を運転したとして、京都府議会議員が、裁判所から罰金50万円の「略式命令」を受けたニュースを読みました。「略式命令」ってどういう命令でしょうか?

★簡易裁判所が公判手続をせずに100万円以下の罰金を科す

軽い犯罪の場合、正式な裁判を開かずに、簡易裁判所で「書面の審査」だけを行って判断することがあります。この刑事裁判の手続きを「略式起訴」と言います。被疑者が異議申し立てをしない場合に限り行われ、1回の裁判で審理が終わり、「罰金」や「科料(かりょう)」を支払えばそれで終了です。この命令を「略式命令」と呼びます。

「罰金」と「科料」にはどんな違いがあるんでしょうか?

●原則として罰金は「1万円以上100万未満」、科料は「1000円以上1万円未満」

●罰金は「前科」がつきますが、科料は「前科」はつきません。

「科料(かりょう)」と同じ読み方をする「過料(かりょう)」は別のものです。行政上の軽い禁止令を犯した者に対する罰で、例えばたばこ禁止エリアでの喫煙をする、とか老朽化した空き家を放置するなどの場合に自治体から科せられるものです。

こちらも前科にはなりませんが、ふたつを区別するために、科料を「とがりょう」、過料を「あやまちりょう」と読むこともあるそうです。ちなみにアクセントはともに「か/りょう」(平板アクセント)です。

「毒物」と「劇物」の違い

更新:2015年5月20日
放送を見聞きしていて違和感を覚えるアクセントがあると、なぜか「自分が正しいはず」とテレビ、ラジオに声を上げて突っ込んでしまいます。「名古屋大学の女子学生が同級生らに『劇物』の硫酸タリウムを飲ませた疑いで逮捕された事件」、この「劇物」のアクセントには驚きました。

★劇薬よりも毒性の強いのが毒薬 およそ10倍の差

「劇物」のアクセントは「げ/きぶつ」(平板アクセント)しかありません。衝撃でした。私は30年ずっと「げ/き\ぶつ」(中高アクセント)と思い込んでいたんです。「毒物」(ど/く\ぶつ)のアクセントと同じだと思い込んでいたんでしょう。

花の「水仙(すいせん)」のアクセントも、正しくは「す/いせん」しかありません。しかし私はずっと「す\いせん」と思い込んでいました。(「す/いせん」だとトイレ(水洗)みたいな気がするのですが)

さて、「劇物」と「毒物」はどうちがうのでしょうか?

●毒物…一定の致死量をこえると、影響を及ぼすもの。薬事法では、大人が誤って飲んだ場合、致死量が2グラムほどのものを言い、青酸カリや青酸ソーダなどです。

●劇物…大人が誤って飲んだ場合、致死量が2グラムから20グラム程度のものを言い、塩酸、硫酸、硝酸などのことです。

実際には、薬事法で定められる特定の物質がそれぞれ決まっていて複雑です。

反故(ほご)にする

更新:2015年5月19日
裁判の判決文の中に「信頼を反故(ほご)にされた被害者らの処罰感情には厳しいものがある」とありました。「反故」の語源はなんでしょうか?

★一度使った古い紙を裏返すこと

国語辞典・大辞林(三省堂)で調べると

1. 無駄にする。不用なものとして捨てる。「原稿用紙を何枚も反故する」

2. 約束や決まりなどを取り消したり、破ったりする。無効にする。破棄する。「中立条約を反故する」

語源辞典(講談社)によりますと「書き捨てた、いらない紙、また無駄なもの」といった意味があるようです。もともとは漢語で「反」は裏返すの意味、「故」は古い(紙)の意味で、本来は「一度使った古い紙を裏返すこと」でしたが、それが転じて「不要な紙」「無駄なもの」という意味になりました。

読み方も古くは「ホンコ」「ホンク」だったとか。それが転じて「ホンゴ⇒ホウゴ⇒ホゴ」と変遷したそうです。

「銃殺」「射殺」の違い

更新:2015年5月18日
中国・雲南州で絶滅の恐れがある野生のジャイアントパンダを「銃殺」して肉を売ったとしして地元の警察が10人を逮捕したニュースがありました。何の罪もないパンダを「銃殺」というとどうも違和感があるのですがどうでしょうか?

★「銃殺」は死刑の執行法の意味もある

新明解国語辞典(三省堂)によりますと

銃殺…(刑罰として)小銃で撃ち殺すこと。
射殺…銃・ピストルなどで撃ち殺すこと。

銃殺も「銃で撃ち殺すこと」という意味がありますが、刑罰の名前で「銃で撃ち殺す死刑」の意味もあります。処刑部隊の前に立たされて処刑されることなんですね。何か違和感があるのはこのためだと思います。

パンダは処刑されたわけではなく、銃で殺されたわけで、「射殺」の方が誤解を招かず適切ではないでしょうか?

「関東煮」と「おでん」

更新:2015年5月15日
先日、会社帰りに立ち寄った「関東煮」のお店。「かんとうに」と読んだら同僚に「かんとだき」だと指摘されました。わが家では「おでん」と呼びますが、関西で「おでん」のことを関東煮と呼ぶそうです。東京では「おでん」なのになぜ関西では「関東煮」と呼ぶのでしょうか?

★関東から伝わった関東煮

関西人にも「おでん」と呼ぶ人は多いのですが、特に年配の方に「関東煮(かんとだき)」という方が多いそうです。

そもそも「おでん」とは田楽豆腐のことでした。田楽の「でん」に「御」をつけで「御田(おでん)」となったもの。豆腐に味噌を付けて食べるもので「関東煮」とは違うものだったんです。

野田や銚子など関東近郊で「醤油」作りがさかんになった江戸時代から、醤油で煮込む、いまのような「おでん」作りがさかんになり関東で広まりました。これが関西に伝わった時に、それまであった「田楽」と区別するために「関東煮(かんとだき)」と呼ばれたといいます。

関西の「関東煮」と関東の「おでん」との違いは、味付け。関東が濃い口しょうゆによるやや塩辛い味付けなのに対し、関東煮は薄口しょうゆがベースで少し甘め。関西人が好む味付けにしました。クジラ肉や牛すじ、タコも関東煮では主役です。逆に関東では人気のあるちくわぶ、はんぺんはあまり見かけないそう。関西に入ってもどんどん独自の進化を遂げる「関東煮」、これはもう「関西煮」と呼ぶべきかもしれません。

虹彩(こうさい)認証

更新:2015年5月14日
携帯電話会社大手のNTTドコモが、最新モデルのスマートフォンを発表したニュースがありました。人の目を読み取って本人かどうかを判断する「虹彩(こうさい)認証」の技術をスマートフォンで初めて採用しています。この「虹彩」はなぜこの漢字を使うのでしょうか?

★ギリシャの女神「イーリス」に由来

眼球の色がついている部分を虹彩(こうさい)、その真ん中にある、通常「黒目」と呼ばれている部分を瞳孔(どうこう)といいます。普通はこの瞳孔が大きくなったり小さくなったりしているように見えますが、実際には虹彩が伸び縮みをして、光の量を調整しています。カメラに例えると虹彩は絞りに相当します。

この「虹彩(こうさい)」と呼ばれる「しわ」は個人によってパターンが異なり、スマートフォンの赤外線カメラで登録しておくと本人であることを瞬時に判断します。ロックの解除やインターネットへのログインなども虹彩認証で行えるそう。

ところで、この「虹彩(こうさい)」という言葉、実にきれいな漢字が使われていると思いませんか。「虹(にじ)」の「彩(いろどり)」ですもんね。

実は「虹彩」を英語では「アイリス」と呼びます。ドイツ語やオランダ語でも同じ表記です。もとはギリシャの「虹の女神=イーリス」に由来するもので、光の量を調節して網膜に届けるこの器官を「虹の女神」から取ったんです。

国際空港の「自動化ゲート」

更新:2015年5月13日
増加する外国人観光客へのサービス向上を図ろうと関西国際空港で「自動化ゲート」が増設されるニュースがありました。何を自動化するかというと「出入国審査」だそう。

★出入国の手続きを簡素化・迅速化

海外旅行で日本の空港を出るとき、または帰って来たとき、パスポートを税関職員に渡して出入国のスタンプを押してもらうというのが通常の流れです。ただ混雑のひどい時には長蛇の列が出来ることも珍しくありません。

これを高速道路のETCゲートを通るようにスイスイ行えるのが「自動化ゲート」です。成田、中部、関西、羽田の四大国際空港に設置されています。2007年から始まったサービスですが利用者は思ったほど伸びていないそうです。

事前にパスポートと指紋の登録をすることで、通常の係員のいるゲートではなく、別の「自動化ゲート」の端末を使って瞬時に出入国の手続きができます。ただ、パスポートに出入国のハンコが押されません。自動化ゲートを利用した後に審査官に「スタンプ押してください」と伝えると、押してもらえます。

登録には、申請書を書き、その申請書とパスポートをスタッフに渡し、その後、指紋登録をして完了。5分もあればOK。簡単に登録できますし、一度登録しておけば、パスポートの有効期限の前の日まで使えます。日本人や日本に住んでいる外国人なら登録できます。

「パンケーキ」と「ホットケーキ」

更新:2015年5月12日
「パンケーキ」の名店が各地に増えています。私は「ホットケーキ」の薄いものくらいに思っていたのですが、この機会に調べてみました。

★「パンケーキ」の中に「クレープ」も「ホットケーキ」も含まれる

国語辞典(新明解国語辞典第七版・三省堂)には次のように定義されています。

<パンケーキ>小麦粉に牛乳や卵を入れ、フライパンや鉄板で焼いた、ホットケーキに似た薄い菓子

<ホットケーキ>小麦粉、卵、砂糖に「ふくらし粉」を加えて水で溶き、鉄板で平たく丸く焼いたもの。みつ、バターをつけて食べる

「ホットケーキ」が日本で最初に登場したのは大正時代、東京のデパートの食堂で「ハットケーキ」と呼ばれたそうです。しかし一般的に広く知られるようになったのは1957年に製粉メーカーが加糖タイプのホットケーキミックスを発売したことからでした。

日本で言う「ホットケーキ」は、海外では「パンケーキ」と呼ぶのが一般的で、「ホットケーキ」は通用しません。

「パンケーキ」は甘くなく「ホットケーキ」は甘味があるもの。厚さでも「パンケーキ」は比較的薄いもの「ホットケーキ」は比較的厚いもの。「パンケーキ」は食事向き「ホットケーキ」はおやつ・デザート向きとなるそうです。

ちなみに「パンケーキ」のパンとは、フライパンで焼くという意味のパンで、ブレッドの意味ではありません。フランス語の「パヌケ」が英語のパンケーキにあたり、クレープ生地でクリームなどを巻いた甘いものから、前菜にもなる塩味系のものまで幅広く存在するようです。

ヘクトパスカル

更新:2015年5月11日
今年は記録的に早い台風シーズン入りです。台風6号が今夜以降、沖縄に接近する予報です。5月に台風が接近するのは4年ぶり。普通、台風の発生が多くなるのは7月以降ですが、5月に台風が7個発生するのは1951年の統計を取り始めて、最も早いペースです。きょうは気圧の単位「ヘクトパスカル」について調べました。

★フランスの学者・パスカルの名前から取られた圧力の単位

台風のニュースでよく耳にするのが「ヘクトパスカル」という単位。気圧や圧力の単位で、以前は「ミリバール」を使っていましたが、1992年12月から国際基準に合わせ変更されました。単位は変わっても、ミリバールで表した気圧の値とヘクトパスカルで表した気圧の値は同じです。

パスカルはフランスの哲学者、科学者の名前です。「人間は考える葦(あし)である」という有名な言葉を残したことで知られますが「圧力の法則」を考え出した人です。ヘクトは100倍という意味で、1ヘクトパスカルは100パスカルです。

大気は1気圧。日本周辺での平均気圧は1013ヘクトパスカルです。空気は気圧の低い方に流れます。中心気圧が下がれば下がるほど風が強くなります。仮に930ヘクトパスカルの台風が現れると、気圧差が大きく、その分強い空気の流れができ強風になる訳です。

ことばを「噛む」

更新:2015年5月8日
テレビを見ていた家族に「ニュース、噛(か)んでたね」と指摘され、「ことばを噛む」って普通に使うんだ、と驚きでした。元々、業界用語だったはずですが、最近はテレビなどの影響で一般的になってきているんでしょうか。語源はなんでしょうか?

★口がうまく回らずに滑らかに話せないこと

言葉がつかえたり、言い間違えることを「噛む」といいます。もともと放送や演劇業界だけで使われる言葉でしたが、タレントなどが多用して一般にも広まった、比較的新しい言葉です。

語源は「ファスナー」と関係があるようです。「ファスナーの歯がかみ合わずに絡まって進まなくなること」。そこから「口がうまく回らず滑らかに話せない」ことを「噛む」というようになった説が有力です。

以前は、言い間違えることは「とちる」をよく使っていました。「とちる」は「あわてふためく」ことで、「橡麺棒(とちめんぼう)」に由来するといいます。語源辞典によりますと、橡(とち)の実の粉を原料にした橡麺を作るときの棒のことで、せわしなく伸ばさないと麺が固くなってしまうことから、あわてるさまやあわて者をたとえて言うようになったといいます。

そこから歌舞伎などで、「とちる」は、せりふやしぐさを間違えることをいうのに使われ、一般でも「失敗する」という意味の俗語として広まりました。ただ「とちる」は芸能界では別の意味もあって「舞台をすっぽかすこと、大遅刻すること」の意味で使われることもあります。

曾祖母・ひいおばあちゃん

更新:2015年5月7日
イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃との間に生まれた王女の名前が「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」と決まりました。王女にとっては、祖父にあたるチャールズ皇太子、曾祖母(そうそぼ)のエリザベス女王、さらに、亡くなった祖母のダイアナ元妃からとった名前です。曾祖母は「ひいおばあちゃん」のこと。「ひい」の語源はなんでしょうか?

★「ひい」は「ひ・ふ・み・・・」の「ひ」

王女からみるとエリザベス女王は「ひいおばあちゃん」です。この「ひい」は漢字では「曾」と書きます。広辞苑で調べると「血縁関係を表す語に付いて、それよりさらに1代離れる意」とあります。

数を数える時に「ひ、ふ、み・・・」と数えますがありますが、その名残で「ひい」は「一つ(ひ)」の事だそうです。その「ひ」が長音化し、接頭語として定着したのが「ひい」です。

つまり、「ひいおばあちゃん」という事は、「おばあちゃん」の代から1っ遡る(さかのぼる)という事です。「ひい」が3っ付いているなら、おばあちゃんの代から3つ遡るという事です。「ひ、ふ、み」の「みぃばあちゃん」とは言わないんですね。

「おっぱい」の語源は?

更新:2015年5月1日
クジラの町、和歌山県太地町の博物館で4月に生まれたゴンドウクジラの赤ちゃんが人気というニュースで、ときどき「おっぱい」を飲む姿が見られるというコメントがありました。「おっぱい」の語源はなんでしょうか?

★古代朝鮮語で「パイ」は「吸うもの」の意味

新明解国語辞典・第七版(三省堂)には「一杯(いっぱい)の意。乳・乳房の幼児語」とあります。

日本国語大辞典・第二版(小学館)には「乳汁、また乳房をいう幼児語」とあり、古い文献では、1859年―60年ごろに発行された「於路加於比(おろかおい)」に掲載があるようです。この書は昔の流行、風俗などの起源を考察した随筆で「乳汁をおっぱいとは、ををうまい(おおうまい)の約りたる語なるべく」→「おおうまい」が約まったというのですね。

語源由来辞典によりますと、古代朝鮮語が語源という説もあります。「パイ」は古代朝鮮語で「吸うもの」という意味なんだそう。どうやらこれが一番、有力な感じがします。



プロフィール

田丸 一男Photo
名前:田丸 一男
生年月日:1960年9月11日
入社年:1991年
出身都道府県:大阪府
出身大学:関西学院大学
趣味:ワインとイタリアン、クラシック音楽鑑賞、日本美術と印象派絵画
何でもひとこと:寝起きの良さが強み、朝一番からしっかり声が出せます。ナレーションにはこだわりがあって、硬派から軟派までOK。
もう9年、チェロ演奏が趣味。クラシック音楽が頭に常に流れていますし、庭の草むしりをしながらモーツァルトを口ずさみます。アイロン掛けや料理など家事が好きで、妻からは重宝がられていると思います。

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