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秋のシーズン終了!

2017年11月15日

高校野球は秋の地区大会、明治神宮大会が終わり、秋のシーズンが幕を閉じました。これからセンバツまで、各チームは厳しい冬を越えて、逞しく成長するはずです。
近畿大会は大方の予想通り大阪桐蔭が優勝。初戦からコールド勝ちを重ね、4試合で失点わずかに「1」。自責ゼロという完璧な試合運びでした。
初戦は京都翔英に7回コールドの12-0。翔英の1年生3投手が相手を意識しすぎたか、自滅に近い形で失点を重ねました。
勝てばセンバツが確実となる準々決勝は同じ大阪の近大付と。大阪大会でも準決勝で当たり、コールドで退けています。この試合も、大阪大会同様、190センチ左腕の横川くんが先発。失策がらみで1点を失いましたが、打線が力強く援護しまたもや7回コールドの10-1。これでセンバツ連覇への道が拓けました。
準決勝は近江(滋賀1位)が相手。強風の中、相手外野手の守備の乱れで2点を先制すると、近畿大会初登板の根尾くんが素晴らしい投球を見せます。近江打線から16三振を奪い、完封。5-0で危なげなく決勝進出を決めました。
決勝は、この夏も甲子園で対戦し、苦戦を強いられた智弁和歌山と。智弁和歌山はエースの平田くんを温存しましたが、控え投手が緩急をうまく使って、根尾くんの本塁打の1点で凌ぎます。一方、桐蔭はエースの柿木くんが初回の満塁ピンチを併殺で切り抜けると、虎の子の1点を守りきり、近畿大会で2年ぶりの優勝を飾りました。
準優勝の智弁和歌山は、主砲の林くんをヒジ痛で欠きながら、初戦の履正社(大阪2位)に打ち勝つと、続く法隆寺国際(奈良3位)にも猛打を浴びせ、コールド勝ち。準決勝では乙訓(おとくに=京都1位)と接戦になり、9回裏に逆転サヨナラ勝ちをおさめました。決勝で惜敗したものの、ベテラン・高嶋監督は、「(エースの)平田に続く投手のメドが立ったのは収穫。中軸はかなりやれる」と自信のコメント。センバツでは林くんも復帰しますから、活躍は必至です。
近畿大会初出場で4強入りした乙訓は公立の雄として、近年メキメキ力をつけてきました。京都大会で初優勝すると、近畿大会初戦では、甲子園常連の神港学園(兵庫3位)を初回から攻め、序盤で大差をつけます。投げては左腕の富山くんが素晴らしい投球で、相手打線を寄せ付けず、コールドで近畿初陣を飾りました。準々決勝は昨春センバツ覇者の智弁学園(奈良1位)が相手。智弁の好左腕・伊原くんを立ち上がりから攻めて主導権を握ると、この試合でも富山くんが力投し、9-4で完勝しました。智弁和歌山には逆転を許しましたが、内容的には遜色なく、大きな自信を得たはず。市川監督は、鳥羽(京都)の主将として甲子園経験があり、初の大舞台での采配が楽しみです。
近江は1年生バッテリーが躍動し、初戦を5回コールドで圧勝するなどして4強入りを果たしました。大きなカーブが武器の左腕・林くんと有馬くんのバッテリーが大きな試合を経験して、センバツではさらに成長が見込めます。打線は1年で4番を打った北村くんが復調。8月の練習試合で足を痛めた不動の1番打者・木村くんもセンバツは復帰できそうで、得点力アップは確実です。
この近江と準々決勝で1点差の熱戦を演じたのはこの夏の滋賀代表・彦根東。エースの増居くんが健在でしたが、野手はほぼ入れ替えになり、守備位置や打順も固定できていません。そのため、守備の乱れから失点する場面も見られましたが、増居くんの経験が生きました。何と言っても初戦の明石商(兵庫1位)を破った星が光ります。最後がセンターからの本塁好返球で同点阻止という勝負強さもこのチームの特長でしょう。メンバーが決まってくれば、かなりの上積みが期待できそうです。
3年連続8強入りの智弁学園は、西脇工(兵庫2位)にサヨナラ本塁打で辛勝すると、乙訓にはいいところなく敗れ、3年連続で8強の壁を敗れませんでした。小坂監督は、「練習しかない。ほんまに弱い」と落胆していましたが、毎年センバツではいい戦いをしていますから、必ず仕上げてくるでしょう。
法隆寺国際は、甲子園経験のある斑鳩と、片桐が合併してできた学校で、初戦は古豪の比叡山(滋賀2位)にコールドで完勝。エースで4番の柚留木(ゆるき)くんが、力強い速球を武器に牽引しました。智弁和歌山には力負けしましたが、下級生も多く、伸びしろはありそうです。
大阪桐蔭の前に2回のコールド負けを喫した近大付は、左腕の大石くんが奮闘しましたが、相手が悪かったですね。
履正社は、3人の投手が智弁和歌山に12失点。岡田監督は、「いくら打線が頑張ってもこれだけ取られたら。夏までに投手の柱をつくらないと」と課題がはっきりした様子でした。
兵庫勢は、3校揃って初戦敗退。相手校のその後の勝ち上がりや府県バランスなどから、一般枠でのセンバツ出場はきわめて困難です。
神宮大会は、大阪桐蔭が準決勝で創成館(長崎)にまさかの完敗。その創成館を破った明徳義塾(高知)が36年ぶりに優勝し、四国のセンバツ枠が「4」になりました。