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特命取材班 スクープ

『被害133億円』桃ビジネス巨額詐欺 首謀者とされる人物は海外移住...その前に直撃取材「俺はウソはつかない、絶対に」

2021年10月20日(水)放送

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岡山県の観光農園「西山ファーム」を舞台にした被害総額133億円の巨額詐欺事件。2021年10月17日、警察が元幹部ら5人の逮捕に踏み切りました。「桃の輸出ビジネスに投資すれば利益が得られる」などとウソの投資話を持ち掛けて金をだまし取っていたということです。MBSは2019年からこの巨額詐欺事件の実態を取材していて、現在警察が行方を追っている「首謀者とされる人物」にも直撃していた。

巨額詐欺の舞台は観光農園「西山ファーム」

2021年10月17日、詐欺の疑いで逮捕された岡山県の観光農園「西山ファーム」の元幹部・伊藤弘敏容疑者(37)ら5人。警察によると、岡山県の名産品である桃の輸出ビジネスで利益が得られるなどとウソをつき、横浜市に住む30歳の女性から約800万円をだまし取った疑いが持たれている。元幹部らが集めた金は全国で約133億円。
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この巨額詐欺事件の実態を取材班は2019年から追っていた。

2004年に創業した西山ファーム。桃やいちごの収穫体験で人気を集めていた。しかし日本の果物が海外で注目されて輸出額が増加していた2015年、伊藤容疑者らは『香港への桃の輸出事業』に出資を募り始める。クレジットカード決済を悪用していたという。
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仕組みは、まず出資者は西山ファームに指定された通販会社を通じて桃100万円分をクレジットカードで購入する。この桃について、西山ファームは「海外に転売する」と説明。出資者のもとに実際に桃が届くことはなく、代わりに配当として利益の3%を上乗せした103万円を返金するなどとうたっていた。毎月100万円投資すれば1年で36万円もうかる計算だ。
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こんなうまい話が本当にあるのか。2019年、匿名を条件にビジネスに深く関わっていた関係者が取材に応じていた。

(西山ファームの関係者(当時) 2019年取材)
「実態もないし在庫もない。自転車操業みたいにぐるぐる回していた」

関係者によると、投資の対象となる桃などの商品はそもそも実在しておらず、ビジネスの構図はほとんどがウソだったという。2018年ごろから出資者への配当の支払いが徐々に滞り始め、各地で民事訴訟に発展。
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西山ファームに500万円を出資したという男性は次のように話す。

(西山ファームに500万円出資した大阪の男性 2019年取材)
「岡山で有名な会社というところもあったので、そこは信用して自分としてはスタートした。まさかそんな会社がそんなことをするとは思ってもみなかったというのもありますし。正直許せない。ありえないことだと思います」
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中には1000万円以上を出資した人もいる。

(西山ファームに1260万円出資した愛知の男性 2019年取材)
「西山ファームさんの農園は一度見に行きました。ちょうど行った頃はいちごの時期だったので食べさせてもらった。立派ないちごを栽培していましたよね。自分たちの非を認めて、早く説明をして、事態の収拾を図っていただかないと」

この男性は、当初は返金があったため、事業を信じてしまったという。

『四天王』と『副社長』

今回、逮捕された5人のうち、勧誘役だった4人は出資者の間で「四天王」と呼ばれていた。言葉巧みに投資を募り、それぞれが150人~500人の出資者を束ねていたとみられる。
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そのうちの1人、花本将光容疑者(32)のSNSには華やかな暮らしぶりがうかがえる写真が投稿されていた。こうしたSNSの投稿は若者の興味を引き、『クレジットカードさえあれば貯金がなくても手が出せる』という仕組みも相まって、被害は若い世代にも広がっていった。
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元々は果物の栽培を手掛けていた西山ファームで何が起きていたのか。2019年、取材班が岡山県の農園を訪ねた際には、西山ファームの従業員は次のように話していた。

(西山ファームの従業員(当時) 2019年取材)
「ここの人間は正直誰も何が起こったのかというのも。ここは日々、いちご狩りだったり、桃狩りをしたりするお客さまの対応をして。元々はここは道の駅みたいにドアとかもなくシャッターだけでやっていて。つい1~2年前にこういうオシャレな雰囲気になってきた」

農園で働く従業員の男性は「数年前に社長の息子が副社長に就任した後、問題のビジネスが始まった」と打ち明けていた。

(西山ファームの従業員(当時) 2019年取材)
「ここが何かをしたという訳ではなく、『岡山オフィス』と『名古屋オフィス』が主導でやっていた。上層部がやっていること」
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さらに先ほどの関係者は「副社長が問題のビジネスを主導していた」と語った。

(西山ファームの関係者(当時) 2019年取材)
「(副社長が)もっと決済額増やせと。もっと人集めろと。どんどん増やしていくつもりでしたね」

副社長を直撃「俺はウソはつかない」その後、海外移住

取材班は2019年にこの副社長を直撃した。首謀者とみられる西山ファーム元副社長・山崎裕輔容疑者(40)。取材に対して、出資を募っていたことは認めつつ、「違法なことはしていない」と主張していた。
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(山崎容疑者)「間違いなく信じてほしいんだけど、俺はウソはつかない。絶対に」

   (記者)「ウソをついてお金をだまし取ったということはないということですね?」
(山崎容疑者)「ない」
   (記者)「絶対ないですね?」
(山崎容疑者)「ない」
   (記者)「信じていいですか?」
(山崎容疑者)「信じていい。ウソをつかないっていうのはそういうこと」
   (記者)「山崎さんの知らないことがいっぱい起きたってこと?」
(山崎容疑者)「めちゃくちゃ起きているよ。そういうことを調べてほしい」
   (記者)「警察が動いたらどうする?」
(山崎容疑者)「それはしょうがないでしょ。逆に言ったら、そういう司法の判断をきちっとしてくれた方が俺はありがたい」
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多額の金を集めていた理由については次のように話した。

(西山ファーム元副社長 山崎裕輔容疑者)
「とりあえずたくさんお金を集めて、研究して、障がい者をたくさん雇っていたから、障がい者の人たちだけでも桃といちごを作れる会社にしたかった」

こう話していた山崎容疑者だが、その後、海外へと移住。警察が逮捕状をとって、現在、行方を追っている。
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観光農園を舞台にした133億円の巨額詐欺事件。警察は、すでに逮捕した5人の認否を明らかにしていないが、動機や金の流れなどの実態解明を進めている。

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