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特命取材班 スクープ

感染した23歳記者が自ら撮影した"保健所から連絡が来ない日々"「私だけ忘れられている?」家庭内感染の不安、味覚障害のつらさ

2021年05月12日(水)放送

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今年4月に新型コロナウイルスに感染したMBSの23歳の記者が、体調の変遷や保健所の対応について、映像とメモにしていました。若い世代が置かれている現実です。

記者の「感染日記」~保健所からの連絡が来るまで~

【感染判明から1日目(4月17日)】
(記者の日記)『4月17日土曜日。午後5時ごろ、新型コロナウイルスの陽性が判明。その後の症状や保健所とのやりとりなどを記録として残す』

23歳の有馬加奈子記者の感染が判明。机もない寝室での隔離生活が始まりました。当初、のどに違和感があり、咳などは少し出ましたが、発熱や味覚障害などはありませんでした。

(記者の日記)『家族に説明し、すぐさま3階の寝室で1人隔離。2階からは、母が仕事先に、妹がバイト先に電話する声が聞こえる』
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【感染判明から2日目(4月18日)】
(記者リポート)「2日目の朝になりました。お茶漬けの味もちゃんとわかります」

2日目も体調に異変はありませんでした。濃厚接触の家族は感染していないのか?不安を抱えながらも何もできない状況が続きました。

【感染判明から3日目(4月19日)】
感染判明から3日目の朝、記者と接触しないように部屋の前に母親が朝食を置いて受け渡します。この日、記者は異変を感じました。

(記者の日記)『納豆の独特な匂いはわかるが味がわかっていない気がする。味噌汁もいちごもよくわからない』

陽性判定を受けて、「数日で来る」と言われた保健所からの連絡がなかったため、この日の夕方に電話をかけました。

(電話で話す記者)「すみません。コロナに感染したんですけれども、保健所からの連絡を待っているのですが、いつぐらいに来るのかなと思って。明日中にはかかってきますか?」

保健所からは「順番に連絡している」と言われました。

【感染判明から4日目(4月20日)】
この日の食事も…

(記者リポート)「やっぱり味がわかりません。いつもわかるスープもチャーハンも全く味がわかりません」
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(記者の日記)『コーヒー、チョコレート、いずれも味がわからない。父がのどに違和感を訴えた。最悪だ』

そして保健所に再び電話をかけます。すると…
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(電話で話す保健所の担当者)
「高齢の方や基礎疾患を持っている方とかね、そういう命が危うい方を保健師さんは先に先にとやっていて、若い方は後になってしまいがちなのかもしれないです。申し訳ないですね」

この日の大阪府の新規感染者数は1153人。連日、感染者が1000人を超える中、重症化リスクがある高齢者から対応していて、若い世代は症状があっても後回しにされる現実を知りました。

【感染判明から5日目(4月21日)】
(記者の日記)『熱もないし、しんどくないけど、味がわからないこのつらさは誰にもわかってもらえない』

この日も保健所からの連絡はなく、記者は区役所に電話をかけてみました。

(電話で話す区役所の担当者)
「土曜日(4月17日)に陽性で、まだ連絡が無いのはちょっとあれかなと思いますので、お調べさせていただいてもよろしいですかね」

そして30分後、電話がかかってきました。

(電話で話す区役所の担当者)
「16歳以上39歳未満の方につきましてはね、大阪市の保健所がやはり連絡を入れるみたいなんですけれども、ちょっと遅れているみたいで」
(記者)「家族がまだPCR検査を受けられていないんですけど」

結局、5日目も何も対応してもらえませんでした。
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【感染判明から6日目(4月22日)】
感染判明から6日目。ネットで購入したパルスオキシメーターが届きました。数値は正常。この日も保健所からの連絡はありません。
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(記者の日記)『私だけ忘れられているのではと不安になる』

【感染判明から7日目(4月23日)】
(記者の日記)『感染判明から1週間。お茶漬け、りんご、ナッツなど、少し味がわかりつつある気がする。きのうよりは確実に味がする。午後5時半すぎ保健所から突然電話』

(電話で話す大阪市保健所の保健師)
「大阪市保健所です。ご連絡が遅くなり申し訳ありません。いまの症状や濃厚接触者の方の調査でお電話させていただきましたけれど、お時間は今よろしいですか」

ようやく保健所から電話があり、症状や濃厚接触者などを確認する疫学調査が始まりました。

(電話で話す大阪市保健所の保健師)
「(発症日の)4月15日をゼロとして10日間数えますので、4月26日から解除という感じになります」

保健師からの聞き取りは45分ほど。保健所のひっ迫した状況は理解しつつも、待ち続けた時間は、精神的にも過酷なものでした。
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【感染判明から10日目・療養解除(4月26日)】
(記者の日記)『療養解除となった4月26日。濃厚接触者と認定された家族もPCR検査でようやく陰性だったことがわかりました』

30代女性がストレスで?円形脱毛「感染者として認識されているのか不安に…」

新規の感染者が1日1000人を超える第4波。大阪市保健所では、4月29日時点で約900人の感染者が放置されていた実態が明らかになっています。SNSで「保健所から連絡がない」と訴える感染者たち。その1人である30代女性に連絡を取ってみました。

(新型コロナウイルスに感染した30代女性)
「本当に私が感染者として(保健所に)認識されているのかなと不安になりました。(Q陽性判定からどれぐらいで連絡がきた?)9日後に来ました。無症状で元気だったんですけど。きのう気づいたんですけれども、頭に円形脱毛ができていて、自宅待機や色々なストレスでなったのかわからないですけれども、そういうことになりました」

感染者は第3波と比べて倍近くになる日も 保健所「対応追いついていない」

5月1日の大阪府の枚方市保健所。取材班が訪れると、ゴールデンウィークにもかかわらず保健師らが朝から患者への電話対応に追われていました。
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(電話で患者対応をする職員)
「保健所の業務が滞っているといいますか、追いついてない状態で、今も2~3日前に陽性と判定された方にやっと連絡が取れているような状態でして」

(枚方市保健所 西岡美砂子副所長)
「感染者の増えるスピードがすごく速くてこちらの対応が追いついていない。第3波と違って第4波の方が心も体も大変。だけどそれよりもみんなが思っているのは、患者さんが待ってるから、本当にそこが申し訳ない」

枚方市保健所では、1日の感染者数が第3波と比べて倍近くになる日もあり、深夜まで働いても陽性者への連絡が滞るケースが起きているといいます。

(枚方市保健所 西岡美砂子副所長)
「施設でクラスターが発生すると、そこでの調査が加わってきますので、そこだいぶ時間がかかってしまうので、集団発生を食い止めることが大事」

感染者の爆発的増加で、難しい対応を強いられる保健所。どうしても若い世代が後回しにされる実態。命の選別(=トリアージ)はすでに現場で行われているのです。

(5月12日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)

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