よんチャンTV(テレビ)

特命取材班 スクープ

生きたハムスターをトカゲの餌に...「Fight!」など"演出"して動画投稿 捕食か虐待か?YouTuberを直撃

2021年04月28日(水)放送

SHARE
Twitter
Facebook
LINE

“生き餌”動画を投稿していた『は虫類系YouTuber』の「F」を警察が動物愛護法違反で書類送検した。捕食か虐待か…取材班は「F」を直接取材。ほかの動物系YouTuberや法律の専門家にも話を聞いた。

ハムスターの動画をアップする「小動物系YouTuber」

かわいらしいハムスターをスマートフォンで撮影する女性。「ココナッツ」という名で活躍するYouTuberだ。
1b'''.jpg
(YouTuberココナッツさん)
「この子がたぶん一番手にすぐ来てくれます。ちょうど1歳くらい。4月24日に生まれたので。この子は“キナコ”って言います。(Q今は何匹飼っているのですか?)全部で7ハム(7匹)います。ハムちゃんって犬と違って指示とかできないので、20分くらいカメラ回しても何もない(撮れない)ときもあります」

ココナッツさんは自宅で飼っているハムスターの動画を投稿する最近流行りの『小動物系YouTuber』だ。医療系の会社で働く傍ら、2年前から副業としてYouTubeの世界に飛び込み、今では約3万人がチャンネル登録するなど、本業の半分ほどの収入を得ているという。

(YouTuberココナッツさん)
「(再生回数は)お利口なところよりも、ちょっとドジしてかわいい方がいいみたいです」
1c.jpg
撮影はほぼ毎日。撮影が終わると編集作業へ。

(YouTuberココナッツさん)
「編集のコツはとにかく効果音を入れる。ハムスターの口が開くと思うんですけれど、そこに効果音を入れている。あとは自分が思っていることをテロップに入れている感じですかね」
1d.jpg
1e.jpg
この日アップされた動画。1匹のハムスターが友達を紹介するという構成だ。ケージの外に落ちている餌を必死に取ろうとするハムスターの様子や、机の上に散らばった餌を食べるハムスターなど、小気味よい効果音がココナッツさんの動画の特徴だ。投稿から1週間で1万回以上再生されている。

こうした小動物系動画はコロナ禍も相まって人気が高く投稿者も多い。そんな中、ココナッツさんはある動画に目が留まったという。
1g.jpg
(YouTuberココナッツさん)
「私が初めて見た動画は、大きなヘビがハムスターをグルグル巻いて食べている動画があって、ちょっとトラウマになったことがあります。捕食動画自体は、は虫類が好きな人にとってはおもしろい・かっこいいというので需要はあるかなと思うけれども、純粋には虫類の生態を楽しんでいるというよりは、ハムスターが苦しんでいる姿を楽しんでいる」

生きたハムスターを餌として“は虫類”に与える動画

取材班がYouTube上で捕食動画を調べてみた。『生き餌』というキーワードで検索すると、多くの捕食動画が見つかり、中には“閲覧注意”と書かれているものもある。飼育の一環として食用の冷凍マウスなどの代わりに“生きたハムスターやネズミ”をカエル・ヘビ・トカゲなどのは虫類に餌として与える動画のようだ。
2b.jpg
中でも異質な存在だったのが、大阪のは虫類系YouTuber「F」と名乗る動画だ。

【は虫類系YouTuber「F」の動画】
「きょうはね、サバンナモニター(トカゲ)なんだけど、久々に大きめのハムスターを与えてみようと思います」
2c.jpg
映像を確認すると、オオトカゲとハムスターを並べて逃げられないようにして、「Fight!」という字幕が表示された。その後、凄惨な瞬間を「REPLAY」と表示して繰り返すなど興味を引くかのような演出が施されていた。他にも同様の映像が数多く投稿されている(現在は削除)。

弁護士「“みだりな殺傷行為”は刑事罰をもって規制するべき」

こうした映像は動物虐待ではないのか。動物愛護法に詳しい植田勝博弁護士に映像を見てもらった。

(植田勝博弁護士)
「ハムスターが食べられていくのを見せるために、これをある種の実演ショーみたいな形でやると。苦しんでいるの見せるため、命を奪っていくところの状況を見せるため、という形になると、その目的は“は虫類が生きるために必要な正当行為”とは言えなくて、“みだりな殺傷行為”という形で、この行為は取り締まられるべきかなと。ネット上に流す行為は刑事罰をもって規制するべきである」

は虫類カフェの店長「完全に炎上狙い」

そもそもハムスターを『生き餌』として与えることは必要なのか。は虫類100匹以上を飼育する“は虫類カフェ”「FunnyCreaturesForest京都祇園店」の木村晃平店長はこう話す。

(FunnyCreaturesForest京都祇園店 木村晃平店長)
「生き餌をわざわざあげる必要はもちろんないと思う。完全に炎上狙いだとは思うので、視聴回数を稼いで、という感じだと思います」

このカフェではヘビやトカゲには冷凍のネズミなどを餌として与えている。残酷な生き餌動画が投稿される一方で、は虫類の生態などを投稿した動画は人気で、その影響もあってかこの店の客の8割が女性だという。
4'.jpg
(FunnyCreaturesForest京都祇園店 木村晃平店長)
「は虫類自体がそんなに表立った趣味ではなかったんですよ。は虫類を飼っている人ってそういう人なんやなと思われてしまいがちだと思うので。わざわざ残酷な感じに演出して見せるというのはやめてほしいかなとは思いますね」

動物愛護団体がYouTuber「F」を刑事告発

動物の虐待動画を巡っては、2019年にインコを水に沈める動画をネットに投稿していた名古屋市の男が動物愛護法違反容疑で逮捕されたほか、2017年には飼い猫に熱湯をかける動画を投稿した税理士の男が動物愛護法違反容疑で逮捕されるなど、警察は近年、動物の虐待動画の取り締まりを強化している。

そして2020年10月、横浜市の動物愛護団体が、は虫類系YouTuber「F」の動画が動物愛護法に違反しているとして、大阪府警に刑事告発した。
5b.jpg
その動物愛護団体に話を聞いた。

(日本動物虐待防止協会 藤村晃子代表理事)
「動画を確認したらヘビとかトカゲに生き餌を与えている70本以上もの動画を見つけまして、“ハムスター対ヘビ”の対決みたいな形で演出をして、再生回数を目的とした動物虐待だと思ったので、通常のただ生き餌をあげるというのではなくて、みだりに殺傷するという動物愛護法の禁止事項に抵触していると思いました」

YouTuber「F」の最後の動画「逮捕されずに終わるわ」

こうした事態を受けてか、現在はは虫類系YouTuber「F」の動画は全て削除されている。「F」は最後の動画で本人が顔出しでこんなメッセージを投稿していた。

【は虫類系YouTuber「F」の最後の動画(現在は削除)】
「は虫類のかっこいい捕食シーンとかを見てもらおうと楽しくやっていたんやけど、面白くないからやめようという感じ。愛護のやつらとかもやりあいつつ、結構ね、収益にもなったしね。中古のベンツ買えるくらいの収益になっているからね。愛護の人たちの中には俺が逮捕されるようにすごくいろいろと言ってきた人もいるけど、残念やったね。逮捕されずに終わるわ。ほんじゃさよなら」

YouTuber「F」を直撃取材

動画では「あくまで、は虫類の捕食シーンを見せるためのものだった」と主張。それであれば「Fight!」などのあおるような字幕などは必要だったのだろうか。取材班は、は虫類系YouTuber「F」を直撃した。

(記者)「なぜああいう動画をアップされたのか?」
 (F)「答える気ないから。それ撮ってるん。それめっちゃ迷惑やからやめて。とりあえずカメラ止めよ。置いてそれ。撮られるの気分悪い」

は虫類系YouTuber「F」は、カメラ取材は拒否した上で、「虐待目的で動画を投稿したことはない」と話した。警察は4月26日、は虫類系YouTuber「F」を動物愛護法違反で書類送検し、捜査を続けている。

(4月28日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)

SHARE
Twitter
Facebook