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「オリちゃんへの嫉妬心があった」判決前日に被告が記者に語る...殺意は最後まで否認 判決は傷害致死罪を適用で『懲役10年』【3歳児虐待死事件】

2023年07月14日(金)放送

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 交際相手の3歳の息子にシャワーで熱湯を浴びせ続け殺害した罪などに問われた男に、大阪地裁は懲役10年を言い渡しました。判決前日、大阪拘置所でMBS記者の接見に応じた被告。そこで語られたこととは…。

3歳児虐待死事件 異変に気付いた知人の『SOS』は届かず…

 2021年4月、誕生日ケーキを前に笑顔を浮かべる新村桜利斗ちゃん(当時3)。この4か月後、大阪府摂津市の自宅マンションの浴室で全身にやけどを負い死亡しました。

 大阪府警捜査一課などが捜査に乗り出し、母親の交際相手だった松原拓海被告(25)を殺人罪などで逮捕・起訴しました。

 虐待が日常的に行われていたとみられる今回の事件。なぜ防ぐことができなかったのでしょうか。母親の知人女性は、桜利斗ちゃんが亡くなる2か月前に異変に気付いていたといいます。

 (母親の知人女性)
 「1日で消えるようなアザではないですし、1日、2日で消えるようなアザやったらわかりますけど、そうじゃない大きなアザが何回も見られた」

 この女性はすぐに摂津市に通報。「このままでは殺されてしまう」、こんな強い言葉でSOSが出されたにもかかわらず、市は目立った外傷がなかったことなどから「緊急性は低い」と判断。児童相談所への要請や警察への通報をしていませんでした。

 (母親の知人女性)
 「(私たちが通報したときも)最後の砦だから助けてあげてくださいとお願いしたのに、対応をちゃんとしてくれなかったせいで…砦の意味がないですよね」

 そして今年6月に始まった裁判。松原被告側は「暴行罪」は認めたものの、「殺人罪」については…。

 (松原被告)
 「トイレトレーニングに失敗し、わびる様子もなくYouTubeを見ていたので懲らしめたいと思った。お尻を洗い流しているときに浴室に閉じ込めることを思いつき、壁にシャワーを向けて給湯温度を高くした」

 その上で、「シャワーヘッドの向きが変わり、桜利斗ちゃんに熱湯が当たる状態になった」と主張。傷害致死罪にとどまると訴えました。

 一方、検察側は「やけどは全身の90%以上におよび、被告が意図的に高温の湯を浴びせた以外はありえない」とした上で、「被害者が死ぬ危険性を認識しながらも犯行に及んだ。未必の殺意があった」などとして、懲役18年を求刑しました。

判決を前に…被告が記者に語った思い

 判決前日の7月13日、大阪拘置所で松原被告がMBS記者の接見に応じました。

 (記者)「裁判で『懲らしめるために桜利斗ちゃんに罰を与えた』と言っていたが、なぜそんなことをしてしまったのですか?」
 (松原被告)「オリちゃんに対する嫉妬心です。彼女(桜利斗ちゃんの母親)に受け入れられているオリちゃんを見ていると疎外感があった」

 記者の問いかけに終始、落ち着いた様子で答えました。やけどの理由については…。

 (松原被告)「シャワーヘッドの向きが変わったのはオリちゃんがシャワーヘッドを触った以外考えられない」

 最後まで殺意を否定しました。

 これまでの裁判で松原被告は、5歳の頃に両親が離婚し、幼い異父兄弟を育てるヤングケアラーだったことが明らかになっていて、事件の背景に被告の生い立ちが影響しているとの指摘も出ています。

 (記者)「桜利斗ちゃんに対して、いま何を思いますか?」
 (松原被告)「『オリちゃん、本当にごめんね』という気持ちでいっぱいです。愛情を持ってお世話したらよかったと、いまになって思う。どんな判決でも受け入れるつもりです」

判決は『懲役10年』 殺人罪ではなく傷害致死罪を適用

 そして迎えた判決。松原被告が桜利斗ちゃんに熱湯を浴びせたことは認めたものの、大阪地裁は「死の危険性があると認識していたかについては、そこまで深刻に考えていなかったからこそ高温の湯をかけ続けたとも考えられる」として、殺人罪ではなく傷害致死罪を適用。懲役10年の判決を言い渡しました。

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