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京都の地元住民が猛反対!『日本最古の公立植物園』の隣に『1万人収容の巨大アリーナ』建設の再開発計画で「景観損なわれる」「植物が育たない」

特盛!憤マン

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 日本最古の公立植物園の再開発計画。京都市左京区の北山エリアにある「京都府立植物園」を愛する近隣住民が憤る理由は、植物園の隣に建設予定の京都府内最大級の巨大アリーナ。どういった問題なのでしょうか。

京都府民の憩いの場『日本最古の公立植物園』

 満開に咲き誇る色とりどりのバラ。京都の閑静な住宅街・北山エリアに広がる京都府立植物園です。

 (来園者)
 「2週間に1回くらい来ている。いいですね。もう自分の庭みたいですね」
 「花が好きなので。ピクニックみたいなのもできるんですよ、芝生があって。入園料もすごく安いし、助かっています」
 「バラ園を見たり、イチョウがすごくきれいなんですよ。で、あの辺のチューリップを見たり。比叡山も見えるし晴れているから癒やされますね」
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 京都府立植物園は公立の植物園として最も古く、今年開業99年を迎えます。甲子園球場約6個分の敷地に1万2000種類の植物が展示されていて、府民の憩いの場となっています。
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 中には数年に一度しか咲かない幻の花「ショクダイオオコンニャク」など珍しい植物もあるのです。

 (「ショクダイオオコンニャク」の臭いをかぐ記者 2021年)
 「うわっチーズが腐ったような臭いがします」

巨大アリーナ建設で「自然豊かな景観が損なわれるのでは」

 ほぼ毎週この植物園に足を運んでいる鰺坂学さん(75)。北山エリアで生まれ育った鰺坂さんにとって、植物園はまさにふるさとのような場所です。しかし、この北山エリアの再開発計画により植物園がピンチだといいます。

 (鰺坂学さん)
 「あくまで計画ですけども、ここに巨大なアリーナという1万人が入るものが建つということです。景観がどうなるんだろうか。あまりにもひどいと思います」
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 京都府の再開発計画では、植物園のすぐ南側にある京都府立大学の体育館を建て替え、1万人収容の巨大アリーナを建設します。鰺坂さんは『アリーナが完成すれば自然豊かな景観が損なわれるのではないか』と心配しているのです。さらに…。
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 (鰺坂学さん)
 「この建物を建て直してずっと向こう側まで木は切られると思います。ここにレストランの案が作られていて、多分レストランは必要でない」

 計画では売店や休憩所のスペースを広げて新たにレストランを建設します。このため建設予定地にある植物が伐採される恐れがあるといいます。

 (鰺坂学さん)
 「やり過ぎだと思いますよ。この時代、特に京都ですからね、良さを残しながらどういうふうにリフォームしていくのかと。そういう開発にしていただきたいと思いますね」

植物園の元職員も計画に反対

 計画に反対しているのは地元住民だけではありません。磯見吉勝さん(65)は京都府立植物園の職員として32年にわたり植物を見守ってきました。巨大アリーナ建設による植物への影響をこう指摘します。
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 (京都府立植物園・元職員 磯見吉勝さん)
 「病気が出やすい、そして日照不足で徒長してしまう。要するに、健全な光が入らなくてひょろひょろになってしまうとか、影響がかなり大きく出てくるんじゃないかなと。人工的な影響を受けるというのは相当怒りと憤りを感じる」

府の計画をシミュレーションしてみると…

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 再開発計画によって植物園はどのような状況になるのか。取材班は、京都市内の設計事務所が府の計画を基にシミュレーションしたものを見せてもらいました。

 (企業組合もえぎ設計 川本真澄さん)
 「相当迫ってくる感じはわかるかと思います」

 今ある体育館より一回り以上大きい巨大アリーナ。かなりの圧迫感があることがわかります。

 (企業組合もえぎ設計 川本真澄さん)
 「否応なく100mを超える直線的な長い建物を、壁を意識せざるを得ない」
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 さらに巨大アリーナが建つことで日当たりが悪くなり、植物の生育に影響が出る恐れがあると指摘します。
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 (企業組合もえぎ設計 川本真澄さん)
 「ここですね。色がちょっと変わっている、ここまでが冬至の日の日陰のラインですね。(今ある木も)影響を受けますね」

住民説明会での議論は紛糾

 住民の不満が高まる中、京都府は今年3月に住民説明会を開催。議論は紛糾しました。

 【住民説明会の様子】
 (参加者)「近隣にアリーナを作るとか、なんで今の素晴らしいものをそのまま守らないんだろうって。計画を決めるときには民間の人たちの思いがちゃんと反映されるんでしょうか?」
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 (府の担当者)「木1本切らんと作り変えというのはまず無理だと思っております」
 (参加者)「計画を決定する委員はきちんと決められているんですか?」
 (府の担当者)「植物園の整備は本当に論点が多岐にわたっておりますから。公園的機能、博物館的機能、そういったウイングを広げていくという…」
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 (参加者)「ちゃんと質問に答えてください!」
 (参加者)「官僚答弁や!」
 (参加者)「それはお聞きしました!もう」
 (司会)「ご静粛にお願いいたします」
 (参加者)「官僚答弁や!」

 参加者から次々と反対の意見が。毎週のように植物園を訪れている鰺坂さんも黙っていません。

 (鰺坂さん)「ここから見える景観、涙が出ますね。本当に涙が出ます。そのすぐ右側に高さ20m・長さ100mを超えるような施設ができる。これがアリーナです。日が当たらなかったら植物が育たないでしょう、ほとんどの植物が。計算されたんでしょうか?園長先生!大丈夫ですか?理学博士だと聞いています。そういう意味でね、心配なんですよ」
 (植物園の園長)「植物園からどれだけの距離のところにどういう高さでどういう規模のものがどんな向きでできるのか、今はわからないので」
 (鰺坂さん)「そんなことないですよ。ちゃんとKPMG(コンサル会社)が報告出しているでしょ。あなた責任者なんですから!」
 (司会)「ご静粛にお願いいたします」
 (参加者)「ちゃんと検討してみてくださいよ」
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 (植物園の園長)「それができたときに…」
 (鰺坂さん)「できたら終わりやないか」

 終了時刻を迎えて説明会は打ち切られましたが、最後まで住民たちの不満はおさまりませんでした。

京都府「計画はあくまでもイメージ図で検討段階」

 (鰺坂学さん)
 「みんな心配したように、植物園の周り全体のことも考えてみると、非常に不安がまだ残る。もう少し具体的な改善案を出していただきたかったと思っています」

 一方で京都府は取材に対して「計画はあくまでもイメージ図に過ぎず、植物園への影響や意見への配慮も含め検討段階だ」と話しました。長年愛されてきた植物園の危機。本来、植物園が体現するべき多様性を残すためにも、府と住民が互いの意見に耳を傾けるべきではないでしょうか。

2023年05月23日(火)現在の情報です

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