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■憤懣本舗「ネット通販『なりすまし』の大胆手口」 2012/01/30 放送

 月曜日は憤懣本舗。

 今回は、手軽に利用できるネット通販を巡るトラブルです。

 ある日突然、個人情報が不正に利用され、覚えのない指輪などが購入されたという被害者。

 その巧妙化する手口と防止策を検証します。




 インターネットがあれば、いつでもどこでも簡単に買い物ができるネットショッピング。

 その利用者は今や、若者世代や主婦層を中心に広がりを見せています。

 <利用者の女性>
 「わざわざお店に行かなくても、色んなお店の情報知れるのが結構いいかな」
 <利用者の男性>
 「やっぱり安さかな、手軽やね」

 経済産業省によると通販サイトの市場規模は、およそ6兆7,000億円に膨れ上がり(2009年)、今後も拡大が予想されます。

 ところが、一方でトラブルも増えているようです。

 鳥取県に住む主婦のAさん。

 5年前に大手通販サイトの会員になり、水やレトルト商品など毎月3,000円ほどを購入しているといいます。

 しかし今月5日、ある異変に気付きました。

 <通販サイトのユーザー Aさん>
 「購入履歴を見てみたら、パソコンと一眼レフ(カメラ)が買ってありました」
 <記者>
 「御自身が買われた記憶は?」
 <Aさん>
 「ないです。買ってません」

 購入したはずのない商品。

 Aさんは、すぐに通販サイトの運営会社や商品の販売会社に問い合わせ、パソコンやカメラは買っていないと申告しました。

 支払いはクレジットカードを使っていましたが、商品の発送をすぐさま中止させることができたため、被害はありませんでした。

 Aさんの場合は、この通販サイトを頻繁に利用するため、名前や住所のほかクレジットカードの情報などを事前に登録して、自分専用のページを作っていました。

 ただしAさんのページを使うには、専用のID、パスワードが必要です。

 ところが今回は何者かがAさんのIDとパスワードを不正に取得し、ネット上でAさんになりすましてカメラやパソコンを購入した疑いが出てきたのです。

 <Aさん>
 「怖かったです。まさか自分が対象になると思ってなくて、すごいショックで…」

 こうした他人のIDやパスワードを使ったインターネットの不正アクセスは、増加傾向にあるといいます。

 これは、警察が不正なアクセスを認知した件数の推移です。

 中でも、ネット通販で商品をだまし取ることなどを目的に不正アクセスして、情報を入手する事案はおととし急増し、全体のおよそ8割近くを占めるようになりました。


 
 情報セキュリティーの専門家は…

 <情報処理推進機関 加賀谷伸一郎調査役>
 「最近はネット上で買い物できるサービスが増えていて、ID、パスワードに金融情報も紐付いている。それが狙われると、直接、金銭的被害に結びつくというのが、ここ数年の特徴」

 では、不正に取得されたID、パスワードを使って購入された商品は、どのように第三者に手に渡るのでしょうか。

 その手口の一端を垣間見る事例が・・・。

 <Bさん>
 「指輪購入されてました」
 <記者>
 「この携帯番号と住所は心当たりあるんですか?」
 <Bさん>
 「いえ、心当たりはないです」

 「憤懣取材班」、出動です!

 <記者>
 「ここですね〜、こちらの住所で間違いないと思います」


 その手軽さから、利用者が急増しているネット通販。

 しかし、IDやパスワードが何者かに不正に使われ、身に覚えのない商品が購入されるというトラブルが増えています。

 兵庫県に住むBさんも、その被害にあった1人です。

 先月15日、およそ1週間ぶりに通販サイトの自分の専用ページを開いて、目を疑いました。

 <通販サイトのユーザー Bさん>
 「パソコン見ると、自分の買った覚えのないものが買われていたので、驚いて色々調べると指輪が購入されてました」
 <記者>
 「いくらぐらいの?」
 <Bさん>
 「30万円弱です」

 自分のIDやパスワードが勝手に使われ、高額な指輪が購入されていたのです。

 Bさんは、一刻も早く注文を取り消そうと通販サイトの管理者や商品の販売会社に連絡しました。

 ところが、指輪はすでに何者かが指定した場所に配達されていたのです。

 <Bさん>
 「怖い・・・、恐怖が一番大きかったです。買い物だけですんでるのか、もっと個人情報が盗まれてるのか、その辺りが分からなかったので」

 Bさんになりすまして、指輪を購入したのは誰なのか?

 その手がかりを、Bさんが配送業者に頼んで見せてもらった伝票から掴むことができました。

 届け先は東京都品川区。

 受け取り人欄には、Bさんの名前と見知らぬ携帯番号。

 配送希望日は、12月14日の18時〜20時となっています。

 取材班は早速、その場所に向かうことにしました。

 <記者>
 「あっ、ここです。こちらの住所で間違いないと思います」

 どうやら、賃貸マンションのようです。

 チャイムを鳴らしても応答はありません。

 伝票に記されていた携帯番号に連絡しても繋がりません。


 さらに周辺取材を進めると、偶然通りかかった宅配業者に話を聞くことができました。

 男性はこの周辺の担当で、12月14日に同僚が指輪を届けたというのです。

 <配達業者>
 「アシストのものに配達してもらった。『こういう方住んでらっしゃいますか?』と、ちゃんと確認しました」

 やはりこの場所に指輪は届いていたようです。

 しかしこの宛先への配達では、不可解なことが起きているといいます。

 <配達業者>
 「その次の日も、配達がやっぱり来て。名前も違う方でした。時間指定とかも変更されたりとかして。ちょっと僕らも要注意という感じで…」

 その後も取材を続け、ようやく住人の勤務先を見つけ出し本人と接触することができました。

 <記者>
 「指輪届いているんですけれど、受け取られた記憶あります?」
 <宛先の住人>
 「僕はないな」
 <記者>
 「場所はあってますよね?」
 <宛先の住人>
 「うん、場所はあってる」

 指輪は受け取っていないと答える男性。

 しかし見知らぬ人物から、自宅に荷物が届いたことはあるといいます。

 <宛先の住人>
 「気が付いたら、ポストにあれ(不在届け)入ってるじゃない。電話して『そういうのいないから』と言って『差出人のところへ送り返してくれ』って」

 食い違う宅配業者と住人の証言。

 一体、誰が指輪を受け取ったのでしょうか。

 関係者によりますと、今回とよく似たケースが以前にもあったと言います。

 不正に商品を購入した人物は自分と無関係の住所を届け先にし、あらかじめ配達時間も指定しておきます。

 そして配送先の近くに待機し、宅配業者が来たところを見計らって、そこの住人を装って商品を受け取るというのです。


 
 では、こうした不正アクセスの原因となるIDやパスワードの流出を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。

 防犯の専門家は「利用者の注意でリスクは減らせる」と指摘します。

 【ポイント(1)「IDとPASSの設定」】

 <防犯アドバイザー 京師美佳さん>
 「IDやパスワードに関しましても、できるだけ定期的に変更することをお薦めしますし、複数のショッピングサイトとかで同じID、パスワードを使わないことも対策のひとつだと思うんですね。ひとつ狙われると、他のサイトでも狙われてしまいますので」

 【ポイント(2)「クレジットカードの登録」】

 <京師さん>
 「ショッピングサイトなどでクレジットカードを登録されてる方は、ぜひ一旦削除、外していただいて、面倒ではあるんですが買物の度にクレジット番号とかを入力するようにしてほしい。クレジットカード番号をホームページに登録して、自分で入力しなくても買い物できる状態になってて、被害にあってるんですね」

 何者かに指輪を購入されたBさん。
 
 今回、カード会社が「不正アクセスの疑いがある」と判断したため料金の支払いは免れましたが、これを機にIDとパスワードを変更したといいます。

 <Bさん>
 「それほど怖いと思ったことなかったんですが、今回こういうことがありまして、もう少し慎重に色々しないといけないなと思いました」

 手軽さとリスクが隣あわせのネット通販。

 不正アクセスが急増しているこの時代、ユーザー側にも自己防衛が不可欠と言えそうです。




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