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■憤懣本舗「“ネットショップ”の思わぬ落とし穴」 2009/10/26 放送

 月曜日は憤懣本舗。

 ネットで購入したのに商品が届かないといったトラブルはよくありますが、今回はネットショップのオーナーも騙されてしまったという憤懣です。

 「誰でも儲かる」という業者の謳い文句を信じて高額な入会金を払い、ネットショップを始めたものの利益が上がらない上にトラブル続出で、オーナーたちがついに業者を訴えました。




 大阪市内で建築業を営む斉藤さん(40・仮名)。

 去年5月、甥っ子の勧めでサイドビジネスを始めようとインターネットショップのオーナーになりました。

 <斉藤さん>
 「甥っ子がこの商売をしたいって、こんなに安く仕入れられるから、お兄ちゃんやらへん?と言ったのがきっかけですね」

 斉藤さんは自分自身でホームページを作ることは出来ません。

 「ネットショップのオーナーになりませんか?」というある業者の案内に申し込んだのです。

 この会社のホームページには…

 「何もしなくても儲かるビジネス」
 「少ない資金でコンビニ経営に引けを取らない収益」
 「サイドビジネス副業で稼ぐ、ドロップシッピング」

 「ドロップシッピング」。

 これが、今回の憤懣のキーワードです。


 「ドロップシッピング」とは商品を販売するひとつの形態で、これ自体は正当な取引です。

 ホームページを開設したネットショップのオーナーは、商品の購入希望者から申し込みを受けます。

 オーナーはサービス提供業者に商品の発送を依頼し、購入者からは商品代金がオーナーに支払われます。

 オーナーの儲けはサービス提供業者へ支払う仕入れ代金との差額ですが、商品の在庫を抱えるリスクはなく、運転資金も少なくて済むとされています。

 これは斉藤さんがサービス提供業者から受け取った見積書です。

 総額およそ213万円。


 
 入会金94万5,000円をはじめ、ネットショップを始めるためのホームページ制作代金などが盛り込まれています。

 商品の仕入れ値が安く、儲かると考え契約した斉藤さん。

 ところが、その後、商品の注文がまったく入りませんでした。

 <斉藤さん>
 「『(業者は)お客さんまでつけると言ったのに、2か月たった今でも注文が1件も無いのはどういうことや』と再三言って…」

 2か月後、サービス提供業者に文句を言ったところ、すぐに1台5万円の薄型テレビの購入申し込みが40人から寄せられたといいます。


 しかし、本当のトラブルはここから始まったのです。

 <斉藤さん>
 「発端はそれからで、そのテレビが送られてきたのが、1台目が3週間近く経ってからやっと1台、2台送られてきて、40以上の注文あったんですけど、半分くらいキャンセルです。実際には商品を送ってくるのが遅過ぎるので、お客さんとのトラブルが耐えないんですよ」

 テレビが届かないという購入者からのクレームが後を絶たず、代金の返金に追われたと斉藤さんは言います。

 ドロップシッピングに関する相談は、国民生活センターにも届いています。
 
 大阪では去年1年間で8件、今年はすでに12件あったということで注意を呼び掛けています。

 <国民生活センター 狐塚知子さん>
 「契約時に高額な費用を請求されるケースは、契約する前にそれが本当に必要なのかどうかというのを、慎重に検討して頂きたいと思います」

 東京都も「緊急消費者被害情報」としてドロップシッピングを誘い、高額なパッケージを斡旋する業者に気をつけるよう注意喚起を行っています。

 斉藤さんが契約したサービス提供業者では、18万円台のスタンダードクラスから130万円台のラグジュアリークラス、そして、スペシャルプライスのVIPクラスがありました。

 213万円支払った斉藤さんもVIPクラスです。

 安いクラスではオーナー自身が宣伝などの工夫をしなければならないのに対し、VIPクラスでは注文が次々と入るよう業者側が対策を施すという約束になっていたようです。

 ホームページには、月90万円近く儲かっていると紹介されているオーナーも…。

 体験談の中には・・・

 「最初の1か月目からかなりの注文数がありました」
 「簡単できるなあ」

 取材班は、このうちの一人に成功の秘訣を聞いてみようとメールで質問をしてみました。

 しかし、10日以上たった今も返事はありません。

 これは、このサービス提供業者の今年7月のホームページを印刷したものです。

 ここには「狙える高収入!月100万円以上が可能」や「ノーリスク運営・・・」などという言葉が踊っています。

 しかし、斉藤さんが契約解除を申し入れた後の現在のホームページには、こうした謳い文句は消えています。

 斉藤さんはドロップシッピングへの勧誘の宣伝文句は実際とは違ったと主張します。

 <斉藤さん>
 「誰がやっても儲かるような書き方で安心サポートとかそういうの書いてるんですけどサポートしてもらったことないし、(ホームページの)過剰な部分を消してきてますよね」

 こうした業者のやり方に憤懣です。


 <斉藤さん>
 「そういう商売にのった自分がバカかも知れないですけど、その正直さをだまされた気分で、怒りで一杯です」

 斉藤さんは契約金を取り戻そうと弁護士に相談、同じサービス提供業者とトラブルになっている他の3人と一緒に裁判を起す準備を始めました。

 <奥野弘幸弁護士>
 「今回我々はクーリングオフ(=違約金なしの契約解除)してですね―、クーリングオフすると契約自体が最初から無かったことになりますから、最初に払ったお金を返せということがいえます。契約すれば安く商品を仕入れられて、それに利益を上乗せして売れるからやりましょうってことですよね。にも関わらず商品はもともとやすい仕入れなんか出来ませんよって、出来ないにもかかわらず出来ますと言ってお金を出させたわけですから、そこがはっきりすれば詐欺にもなります」

 購入者にテレビが届かなかったという斉藤さんの主張。

 これについてサービス提供業者に取材しました。

 <業者の担当者>
 「弊社の方で把握している事実ですと、ご注文頂いてる商品は出しておりますので、届かないということは考えづらいんですが」
 <記者>
 「消費者に届いてないってことなんですね。消費者のほうからオーナーに対して来ないぞってことで…」
 <業者の担当者>
 「ですからそれがすでに考えられないことなんですよ。オーナー様から弊社にご注文頂いた商品ていうのは私達の方で責任を持って配送させて頂いております」
 <記者>
 「儲かるってことは当初の契約金ありますよね。その額を超える額の収益がないと儲かるとはいえないですよね?」
 <業者の担当者>
 「何をおっしゃってるのかイマイチ分からないので、これ以上お話することはないんですよ」

 10月26日午前、弁護士が裁判所に訴状を提出しました。

 ドロップシッピングの契約解除を求め、契約金の返還を求めています。

 <弁護団の会見>
 「ものすごい勢いで(ドロップシッピングに対する)相談が増えています。東京の方でも数社相手に訴訟を起こしているという話は聞いております」

 26日の提訴に対し、サービス提供業者は「訴状が届いていないので、現時点ではコメント出来ません」と文書で回答しました。

 インターネットの世界に溢れる甘い儲け話。

 果たしてそんな簡単に儲けることができるのか・・・。

 手を出す前に冷静に見極める眼が求められています。




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