馬あいにいきます

谷川直子

作家 神戸市出身。
高橋直子の名前で競馬エッセイ、海外競馬ルポ、
ファッション評論、詩、小説と幅広く活動。
訪ねた海外の競馬場は30以上。
2005年から五島列島に移住し谷川直子と改名した。
小説「おしかくさま」で第49回文藝賞を受賞。
『四月は少しつめたくて』 『競馬の国のアリス』
『ステイゴールド物語』 『アイ・ラヴ・エース!』
『お洋服のちから』 など著書多数。
ブログで日記公開中。
谷川直子日記 谷川直子日記
タイトル・イラスト:ナカムラ ミナ

最終回 ゴールドシップの収支決算(1/14)

絵

 2015年の年度代表馬はモーリス。年間6戦全勝、Gl3勝はすごい。香港マイルでは調教が非常に軽く、調子は決していいとはいえなかったはずだ。それでもレースは完勝で、吉田和美オーナーに「年度代表馬もあるんじゃないですか?」と質問が飛んだ。そのときはまだ有馬記念が残っていたので、オーナーは「そんなこと、ねえ」と笑っておられた。結局有馬記念は8番人気のゴールドアクターの劇的勝利で、その時点でモーリスの年度代表馬がほぼ決まったと言える。ドゥラメンテが三冠を達成していたらどうだっただろうか。
 その後8着に終わったゴールドシップの引退式が行われた。振り返ってみると、ゴールシップが一番強かったのは3歳時だろう。その後は父のステイゴールドに似てレースで手を抜くことを覚え、強い勝ち方と凡走を繰り返した。そのわがままぶりに翻弄されていたのはスタッフやジョッキーだけではない。馬券を買ってきたファンも一喜一憂した。オレが買うと来ないんだよ、と嘆く人のなんと多かったことか。生涯成績は28戦13勝2着3回3着2回と勝率は46%。まさに一喜一憂にふさわしい数字なのである。宝塚記念15着→ジャパンカップ10着と惨敗していながらラストランの有馬記念で1番人気に推されたのは、二回も楽をしたのだからそろそろまじめに走ってくれるのではないかと多くの人が期待した結果だと思う。結果的に3歳暮れの強さは再現できなかったわけだが、まくりに出たときのどよめきはファンからシップへの最後のはなむけだった。
 ところで、ゴールドシップの勝ったレースで単勝がいくらついたかを調べてみた。一番安かったのは4歳の阪神大賞典で110円。菊花賞→有馬記念を連勝し、こんな強い馬はいないと誰もが信じて疑わなかったなつかしいレースだ。反対に一番高かったのはなんと皐月賞で710円。タイムスリップしてもう一度買いたいでしょ? まあいつも人気だったから応援してきた人も儲けた感じがしないかもしれない。しかし全レース単勝を1000円買い続けていたとすると、出費は28000円で払い戻しは40400円。なんと12400円のプラスだったのだ。気まぐれなやつだったがちゃんとポイントは押さえていたってわけね。ほんと子どもが楽しみです!

 
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