『知っとこ!』 毎週土曜日朝7時30分〜9時25分 生放送


▼2月28日の知っとこ!

今週コレ知っとこ!

伝統の技が生んだ新しい逸品たち

知っとこ!恒例企画「匠の世界」。
そのこだわりの確かな技と、物作りへの思いがいつも私達を惹きつけます。
今回のテーマは古から伝わる伝統の技を、現代に合った品に活かす。
表参道で人気のお店に、300年前から受け継がれた伝統とは?
世界がうなったすごいグラスを作る、下町の職人技!
オシャレで丈夫な実用品、代々変わらぬ作り方の秘伝とは?
老舗の挑戦、伝統の技が生んだ新たな逸品のこと、知っとこ!

【伝統の技が生んだ新たな逸品たち(1)
             蚊帳生地からお洒落なふきんが誕生!】

東京・表参道ヒルズ。常に流行の最先端を発信するこのビルに店を構える「粋更」。
日本の贈り物をコンセプトに、さまざまな和の雑貨が並びます。
中でも人気の商品が「花ふきん」。ことのほか使い勝手がいいと評判で、昨年のグッドデザイン賞金賞を受賞しました。手がけたのは、中川政七商店という、奈良のメーカー。創業以来300年、今も奈良の郊外に本社を構え、全国に商品を送り出しています。
人気商品「花ふきん」は、守り抜いているある奈良の伝統から作られたもの。
それは?
蚊帳生地。最盛期には全国の8割を手がけていた奈良の伝統産業でした。
今では需要がなくなってしまった蚊帳の素材を、ふきんに使用、現代のニーズとして生まれ変わりました。ひとつひとつ手作業で、丁寧に縫われる花ふきん。生地以外にも、他のふきんと違う特徴があります。それは、そのサイズ。普通のふきんと比べると4倍近い大きさ。更に、通常のものが8枚以上の生地を重ねているのに対し、花ふきんは2枚重ね。大判で薄く仕上げることで、洗って干すときには広げて。乾きが早くにおいもつきません。使う時はたたんで普通のふきんと同じ感覚で…と単純ながらこれまで思いつかなかった発想で、日本のトップメーカーと並んで、グッドデザイン賞を受賞することになったのです。
料理の下ごしらえに、台ふきに、最後は雑巾に…、と暮らしのさまざまな場面で活躍。目が粗い蚊帳生地は、使い込むほどに柔らかさを増し、やさしく手に馴染みます。
表参道ヒルズ以外にも直営の店舗を持つ中川政七商店、扱うメインの商品は、「麻」で出来たもの。この麻の品物にも、奈良の伝統が息づきます。奈良晒と呼ばれるやり方で作ったもの。
江戸幕府の御用品にも指定された最高級の手織り麻、当時と同じ手法で今も織られます。
一日費やして出来る布は2メートルほどなんだとか。
乾燥させた麻の葉を糸にするところから、奈良晒の工程ははじまります。一本一本、人の手で、糸の細さになるまで裂いていくのです。そのままでは短い麻の繊維を、端と端を縒り合せ、反物が出来る長さになるまで紡いでいきます。江戸時代から変わらない作り方。こうして出来上がった糸を、へそ巻き、と呼ばれる工程で、まとめます。これを織り機にかける道具に入れて、ようやく機織りが出来るまでになります。手間を惜しまぬ努力の結晶が形になり、私達に届けられます。人の手で織られた独特の風合い、中川の商品だけが持つ魅力です。300年続く老舗のこだわりです。

【お問い合わせ】
中川政七商店
住所:奈良市池田町178-2
電話:0742−61−6676
詳しくは「中川政七商店」のHPをご覧ください。
HP:http://www.yu-nakagawa.co.jp/

粋更kisara 表参道ヒルズ店
住所:渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ本館B2F
電話:03-5785-1630
営業時間:11:00〜21:00(日曜日は20:00まで)

遊 中川 本店
住所:奈良県奈良市元林院町31-1
電話:0742−22−1322
営業時間:11:00〜18:00

【伝統の技が生んだ新たな逸品たち(2)電球から極上のグラスが誕生!】
これで飲むとビールが進んで止まらない、と酒好きに嬉しい悲鳴をあげさせるグラスがあります。「うすはりグラス」。独特の手触りと飲み口で熱烈なファンが多いグラス。繊細なボディ、その薄さは名前のとおり、わずか0,9ミリ。
東京は錦糸町にある「松徳硝子」という町工場で作られています。2階にある作業場、グラスはすべて手作り。というのも、その製法は、昔あるものを作っていた技術を応用したもの。
その技とは?
電球。大正年間に創業した松徳硝子は手作りの電球を手がけていましたが、機械で大量生産が出来るようになり、廃れてしまいました。会得した手吹きの技術を活かせないか、と考えられたのがグラス作り。1300度、夏には灼熱になる窯で溶かされたガラスを、管に巻きつけて、手早く吹いていきます。「うすはり」を作れる職人は数人だけ。第一人者が片桐さん、現代の名工にも選ばれました。ある程度大きくしたガラスを、型に入れ整えていきます。この時に大事なのは、ガラスを型につけないこと。表面に微妙な凹凸が出来てしまわぬよう、型に触れないところぎりぎりで止めます。デリケートなグラスならではの技と心配りガラスを取る量や、吹く加減は経験と勘…。
吹き終わったグラスの、飲み口に当たるところに筋を引き、その部分をバーナーであぶります。そうすると切れ目が入った部分がきれいに切断されます。そのままではまだ手が切れそうなくらいの鋭さ。それを研磨した後、飲み口の部分だけを焼いていきます。焼く時間が短いと滑らかにならないし、長すぎると熱でガラスがへたってしまいます。へたらないよう、ぎりぎりの火加減を見極めて、一つ一つ調節していきます。
職人技が作るうすはりの口当たり。火を入れる前と後では、明らかにその仕上がりが違います。グラスを運ぶだけの役目も、ここでは熟練の職人が担当。少しでも吹き上がりが悪いものを、チェックするためです。
そんなうすはりグラスもなかなか認められず、一時は廃業を考えたそう。その時、会社を救ったのが熱意あふれる職人達でした。徐々にうすはりグラスの良さが広まり、売り上げも上昇。今ではラインナップも豊富、日本酒の器や、ワイングラスも好評です。うすはりを扱いたいという小売店も年々増加、今では北海道から九州まで、全国150以上のショップと取り引きしています。
海外のセレクトショップでも高い人気があります。そんな松徳硝子の最近の取り組みが「e−glass」。グラスとしては初めてのエコマーク認定商品。何がエコかというと、材料に蛍光灯を用いたこと。これまでリサイクルできなかった蛍光灯のガラスを、水銀を無害化する技術を使い、グラスを作りました。この材料を使った「うすはり」も手がけています。
下町の職人達が作るグラスは、今日も世界中で使われています。

【お問い合わせ】
松徳硝子株式会社
住所:東京都墨田区錦糸4-10-4
電話:03-3625-3511

ドクターグッズ
住所:台東区西浅草1−4−8
電話:03−3847−9002
営業時間:9:30〜17:30(日祝・第3土曜休)

【伝統の技が生んだ新たな逸品たち(3)
            印傳の技法からかわいい小物たちが誕生!】

最後の老舗が作る品は、この可愛らしい模様が施された財布などの実用品。それに施された模様、よく見れば微妙な凹凸があります。漆で描かれた模様。
代々伝えられてきた、印傳と呼ばれる技法。甲府にある印傳屋は創業天正十年、その暖簾を400年以上守ってきました。印度伝来、から来たともいわれるその名前、鹿の革に漆で模様をつけたものをそう呼びます。漆が水を弾くことから、革を守るために発達したやり方です。
その作り方はもちろん、手仕事。漆をよく練り、鹿革の上に模様のついた型紙を置きます。
その上から漆を一気に塗っていきます皮の表面に、細かな模様が浮き上がります。少しでもかすれたりにじんだりすれば、商品にはなりません。
一枚一枚微妙に違う革の具合を確かめ、塗る力を変えるそう。温度や湿度でも微妙に変わる漆の硬さ。一定の環境を保つための努力を怠りません。常にベストの仕事をするための心配り。
そして模様を作る命となるのが「型」。400年の間に作った模様の種類は、800以上に及びます。柄が豊富なところも印傳の特徴。ほしい品物の形を決めれば、何十という色と柄の組み合わせから自分の気に入ったひとつを選べます。そしてその模様も、昔からの伝わるものには一つ一つ意味があるんだそう。
例えば、青海波と呼ばれる模様は、穏やかな波のように安らかな日々への願いが込められ、小桜は、散り際が美しいことから、武士が好んで用いました。
漆のほかにも、印傳屋に代々伝わる秘伝があります。「ふすべ」と呼ばれる製法。鹿革に焼きゴテを当てて柔らかくし、わらと松脂でいぶします。こうすることで、革がよりしなやかになるんだそう。この工程を何回か繰り返して洗うと、糊を置いた模様のところは白く、地の部分は褐色に染まります。門外不出の、印傳屋でしか作られないやり方です。
伝統に胡坐をかかず、新しい柄にも積極的に取り組みます。日本特有の技術を用いた洋風のアレンジも。若い女性に好評です。
工夫を凝らして400年続いてきた、甲府の伝統です。

印傳屋本店
住所:山梨県甲府市中央3-11-15
電話:055−233−1100

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