知っとこ!
今週コレ知っとこ!

“地方発!ニッポンの元気を生む人たち”のこと知っとこ! 2010/10/09

秋、到来。実りの風景が鮮やかな季節、都会では出会えない地方の風景です。
そんな地方が、今、元気!
ご当地グルメの祭典、B1グランプリは今年、43万の人を集めました。
地方のリーダーも地元のために日々、奮闘中。今日は、そんな地方の元気を大特集。
北海道の集落から全国へ。本気の素人たちが作る映画に賭けた思い。
日本一元気と言われる長崎の商店街。人が集まってくるワケとは?
島根、山あいの小さな町から届けられる素敵な贈り物。
地方発!ニッポンの元気を生む人たちのこと、知っとこ!

“地方発!ニッポンの元気を生む人たち”知っとこ!(1)「群言堂(ぐんげんどう)」

世界遺産、石見銀山の町、島根県大森町。
人口400人の、この小さな町にあるのが群(ぐん)言堂(げんどう)。婦人服のお店です。
着やすい服を、自然素材と国内生産にこだわって作っています。
そのデザインを手掛ける群言堂の創始者が松場(まつば)登(と)美(み)さん。
30年の歩みの末、今や年商10億円、全国で26店舗を展開!という規模なのに、
東京に中心を移そうとは思わないんだとか。
本社と本店は、あくまでもこの大森の町。服も雑貨も暮らしの中から生みだされる品、
都会では作れないと言います。社員は全国から。地元の雇用にも一役買っています。
機能的な本社の中、ですが実は外から見ると古いトタンの建物のようです。
町の景観を壊さないようにするため、手間をかけてわざわざ古い素材で覆ったそうです。
200年以上昔の古い家屋が残る大森。松場さんはこの街並みを保全する運動にも
力を注ぎました。本社の隣には移築した茅葺の民家。実に250年前の建築です。
日本の田舎の原風景を大森に再現しました。普段の利用法は社員食堂。
地元の人たちの交流の場でもあります。
そんな松場さん、これまでに7軒の古民家を生まれ変わらせてきました。
その集大成でもあるのが「他郷(たきょう)阿部家」。
300坪近くある220年前の武家屋敷を10年かけて改修しました。
ここを住居にして、昔ながらの日本の暮らしぶりを実践しています。
とはいえ「温故創新」の考えはここにもしっかりと。
蔵を改造して、ホテルのような宿泊施設を作りました。
和と洋、古と今が混じり合った不思議な調度なのに、どこか懐かしくて寛げる空間です。
古いものを生き返らせた工夫は他にも…。ヨーロッパのプチホテルを思わせる脱衣場。
洗面台は閉鎖した銀行にあった大理石の階段を削った物。
鏡の額には、かまどの材料を利用しました。

登美さんが特に気に入っているのが、台所です。囲炉裏も備えたこの台所で、
地元の旬の食材を昔ながらのやり方で調理するのが松場家流。
とれたばかりの新米で炊き上げた栗ご飯は、この時期だけの贅沢。
かまどならではのふっくらとした仕上がりです。
スタッフ大勢で食卓を囲むのも群言堂の習わし。
まるで一つの家族のよう、都会では味わえない、大森だからこその豊かな時間です。
「ウイ・アー・ヒア」私たちはここにいます。
その思いのもとに、町の皆で年に一度集合写真を撮り、カレンダーにしています。
20年続いている大森の名物です。
ご主人の故郷、大森にやってきて30年、今では登美さんにとっても故郷。
様々なアーティストを招いてのライブなども頻繁に開催、新たな交流が生まれています。かつて猫も通らないと言われていた大森の町、
今では多くの観光客が訪れる、活気ある街になりました。
確かな暮らしに根付いた元気のエネルギー溢れる、島根の小さな町です。

VTRでご紹介した 群言堂 のお問い合わせ先

『群言堂石見銀山本店』

住所 島根県大田市大森町ハ185
電話 0854-89-0077

『他郷阿部家』

住所 島根県大田市大森町ハ159−1
電話 0854-89-0022

“地方発!ニッポンの元気を生む人たち”知っとこ!(2)「させぼ四ヶ町商店街」

続いては、長崎県佐世保。この町の中心部にある、させぼ四ヶ町(よんかちょう)商店街。
一見どこにでもありそうな商店街ですが、実はここ、「日本一元気な商店街」と
言われているんです。平日でも3万人が訪れるという、地方の商店街には珍しい賑わい。
この活気を生み出したリーダーが竹本慶三さん。商店街でかばん屋さんを営んでいます。
繁栄のきっかけとなったのは実は、存亡の危機からでした。
商店街初めてのピンチ、大型施設にお客を取られないためにはどうすればいいか。
知恵を絞った結果、開催したのが「きらきらフェスティバル」。
商店街の広場を100万個のイルミネーションで飾りました。
よくあるイベントのようですが、他の地域と違うのは、
地元の人に参加してもらって作り上げるイベントだということ。
イルミネーションは、一口千円で買ってもらう仕組みにしたのです。
「きらきら大パーティー」。800メートルのアーケード全体を宴会場に見立て、
1人千円で参加者を募りました。料理や酒は全て持ち込み、なのに大成功だったそうです。ひと月半のきらきらフェスティバル開催中はイベントが目白押し。
お金を払うことで逆に参加意識が生まれ、
商店街や佐世保の町に愛着が出るようになる、新たな発想でした。
たとえ買い物に直結しなくても、まずは人に来てもらうことが大事。
重鎮も若手も一緒になっての朝会議からこれまで色んなアイデアが生まれました。
中でも最大のものが「よさこいさせぼ祭り」。
北海道のよさこいソーラン祭りのビデオを見て、
「佐世保にもこの熱気を作ろう」との意気込みでスタート。
初年度に2チームからはじめたものが13年目の今年は163チーム、
20万人以上のお客を集める祭りに成長しました。
地方の商店街を活気づけたモデルケースとして、様々な賞を受賞。
イベントのほかにも、日々訪れるお客のことを考えた仕組みも誕生しました。
「よんぶらこ」は、子ども連れのお母さんが育児や情報交換に利用できる施設。
3年前にはコミュニティFMも作りました。
地に足のついた町の情報を商店街から発信しています。
ラジオCMは1本500円から流せます。町の個人商店は、大事なスポンサーです。
国や町に頼らず、地元の人たちが自らの力で生んだ活気です。
楽しむ力が元気の源、の商店街です。

VTRでご紹介した させぼ四ヶ町商店街 のお問い合わせ先

『させぼ四ヶ町商店街』

住所 長崎県佐世保市本島町4−15
電話 0956-24-4411

“地方発!ニッポンの元気を生む人たち”知っとこ!(3)「田んぼdeミュージカル」

住民たちが映画作りに精を出している北海道むかわ町穂別(ほべつ)。
地域をあげての映画作りはよく聞きますが、
ここが特別なのは出演者やスタッフのほとんどが、お年寄りだということ。
平均年齢78歳の映画集団なんです。その原点が、「田んぼでミュージカル」。
2002年に作った、タイトル通りのお年寄りによるミュージカル映画です。
コメ作りにかけた夫婦の人生を、時におかしく、時にまじめに綴りました。
もちろんキャスト、スタッフ全員が初めての経験。脚本を担当したのが斉藤征義さん。
映画作りのきっかけは、10年前の町の文化講演会でした。
講演者は「血と骨」や「カムイ外伝」などの映画を手掛けた崔洋一監督。
「ワシらでも映画作れるべ?」と尋ねてみると崔さんの返事は「撮れる撮れる」。
以来、手弁当での総指揮を買って出、完成までに穂別の町を20回以上も訪れたそうです。
作品はその情熱とクオリティが認められ、数々の賞を受賞しました。
1作目で勢いづいた穂別のお年寄りたち。
田んぼにステージを作ってファッションショーを開催。それを記録した2作目。
第3作は、町村の合併反対に立ち上がる老人たちの活躍を描いた「いい爺ライダー」、
と次々に映画を作ってきました。そして先月、満を持して4作目がクランクイン。
テーマは、西部劇です。セットも自分達でほとんど手作り、と本格的。
自分たちの出来る範囲で一番の高みを目指すのが穂別の映画作り、妥協は許しません。
大事なのは一つ一つ学びながら成長していくこと。そしてとことん、まじめに遊ぶこと。
時には音を上げそうになりますが。全ての作品で監督を務めたのは81歳の伊藤さん。
今回の西部劇、タイトルは「赤い夕陽のジュリー」。
町を征服しようとする炭鉱の一味に虐げられる住民の物語です。この日は馬小屋のシーン。
主人公となる獣医の役は高橋さん、80歳です。撮影前には毎回、血圧の測定と問診。
穂別の映画ならではの決まりです。
獣医が馬の診察をするシーン。助監督はいつもの通り、崔さんです。
この日は、法事のため欠席の伊藤さんに代わり、斉藤さんが監督を務めます。
皆、本業の合間をぬっての撮影、欠員は日常茶飯事。音声さんもこの日がデビューでした。

「撮影中は葬式を出さない!」その合言葉のもと、映画作りを始めて9年。
映画がお年寄りの意識を変えていきました。
そして崔監督から教えられた、忘れられない言葉があります。
「自分達がいなくなっても映画は残る。だからこそ納得のいかないものは作れない。」
そんな穂別の映画、毎回伝えたいメッセージがあります。
それは戦後引き揚げてきたお年寄りが一から作ってきた穂別の歴史。
今回の映画では、その歴史を西部の開拓民にオーバーラップさせて描きます。
自分達の歴史と思いを永遠に残すため、穂別の町には今日も元気な声がこだまします。

VTRでご紹介した 田んぼdeミュージカル のお問い合わせ先

『北海道むかわ町穂別総合支所』

住所 北海道勇払郡むかわ町穂別2番地
電話 0145-45-2115