STORY




◆第十ニ話「お嬢様、また会う日までお元気で」

 お互いを認め合い共に上を目指そうと手を取り合った小田切(八神蓮)たちと一条(湯江健幸)たち。その矢先、コモンローズを買収したいという女性が現れた。あちらこちらで強引な手口で企業買収をし、営業不振に陥ったスポーツジムをセレブ専用の会員制にし利益を生んだ伝説女・美由紀(橋本愛実)だったのだ。大旦那様に聞くところによると美由紀のおじい様、おばあ様に恩義があるとのことで断ることが出来ないのだという。コモンローズに来るなり内装を見回す美由紀。そして買収に関する計画書を取り出し明日の正午明け渡すようにと言い放ち出て行ってしまう。
 残り数時間・・・
 たとえあと数時間しかないとしてもお嬢様がたに最高のおもてなしをし、喜んでもらうことを誓う小田切たち。いつものようにお嬢様がたに紅茶を注ぐ鳴羽(河合龍之介)。いつものようにお嬢様を注意する桜庭(永岡卓也)。
 そして運命の12時―
 このままお嬢様がたの安らぎの場所、英国へ留学している繭乃(兼子舜)の戻る場所は消えてしまうのか?



◆第十一話「お嬢様、ニューフェイス登場でございます。」

 開店準備にとフロアへやってきた小田切(八神蓮)、鳴羽(河合龍之介)、桜庭(永岡卓也)。だがフロア内は既に準備が整っている。そこには燕尾服に身を包んだ見覚えのないフットマン帯刀(中村誠治郎)、霞(福山聖ニ)、不動(齋藤ヤスカ)の姿が!?フロアの片隅で不敵な笑みを浮かべる一条(湯江健幸)。小田切たちには一言もなく一条は新しいフットマンを連れてきていたのだ。
 ベルの音に近くにいた桜庭が歩み寄ろうとした時先廻りをしやってきた不動。お嬢様の前にティーポットを置いた鳴羽を押しのけるようにやってくる霞。常に小田切の一歩手前を歩き至近距離でお嬢様に話かける帯刀。小田切たちに挑発的な態度の帯刀たちに鳴羽、桜庭はつい弱気になってしまう。時代にあったサービスの提供をするべきだと話す一条とお嬢様達に癒しの空間を提供するべきだという小田切たち。果たして彼らが歩み寄ることはできるのだろうか!?



◆第十話「お嬢様、お触り厳禁です!?」

 繭乃(兼子舜)と彼の後見人として黒美崎(団時朗)がコモンローズを旅立ってから数か月。コモンローズには新しい執事・一条(湯江健幸)がやってきていた。黒美崎からコモンローズを託されプレッシャーに感じているのではと小田切(八神蓮)を気遣ったり、執事としては珍しくフロアに立つ事も多くお嬢様方からも信頼を得ていた。
 いつもと変わらない様子のコモンローズだが、小田切には気になることがあった。お嬢様へケーキを運ぶ鳴羽(河合龍之介)。すると近くに座っているお嬢様方の手が伸び鳴羽のお尻を触ろうとしている。お嬢様へ紅茶を注ぎたす桜庭(永岡卓也)。するとまたどこからか手が伸びお尻を触ろうとしている。コモンローズにご帰宅するお嬢様の間で「フットマンのお尻を触ると願いが叶う」という噂が流れているのだという。



◆第九話「お嬢様、もしやあなたなのですか?」

 コモンローズには数年に一度、査定の上、選抜されたフットマンが英国に留学するシステムがあった。先輩フットマンが更なる上を目指し英国に旅立ったと聞いている小田切(八神蓮)は執事の黒美崎(団時朗)が大旦那様に呼ばれたと聞きハッとする。コモンローズに長年お仕えしている小田切もその光景を見たことはないが、密かに査定が行われているという噂は耳にしていた。英国留学の話を初めて知った鳴羽(河合龍之介)、桜庭(永岡卓也)、繭乃(兼子舜)は思わずフロアを見渡すが、誰が覆面調査官なのか検討がつかない。気にせず平常心を保つようにと3人に話す小田切だが、やはり視線が気になるのかいつもより襟元を気にしている。テーブルを拭く鳴羽も拭いても拭いても気になり、煙が上がりそうな勢いで拭いている。メガネを取り出しかけ直す桜庭。だがいつもよりしっくりこない。そして花に水をやる雪江もなぜか急に襟を正しはじめ…とそこへ英国帰りのご婦人、大宮五月(小松みゆき)お嬢様がやってくる。



◆第八話「お嬢様、わたくしが先輩でございます」

 コモンローズに1週間研修のためにやってきた草笛(細貝圭)。彼の教育係として黒美崎(団時朗)が推薦したのは繭乃(兼子舜)だった。ガチガチに緊張している草笛に深夜遅くまで指導をする繭乃。ここで勉強し優秀なフットマンになりたいという草笛の言葉に自分が研修時代に小田切(八神蓮)から教えてもらったことを思い出し、指導にも熱が入る。そして草笛のお屋敷デビューの日。雅(山本真菜香)が友達の珠美(紗綾)を連れ久し振りにお屋敷に帰ってきた。草笛をみて繭乃が先輩になったことを知り、うれしくなる雅。珠美のカップに紅茶を注ぐ草笛の姿は優雅でスピーディ。別のテーブルでベルの音が聞こえるとサッと別テーブルへ移動するなどなかなか優秀。それに比べ繭乃は珠美に出すケーキを間違えたりとミスが続く。焦りを感じている繭乃を心配そうに見つめる雅。お嬢様方がお出かけになった後のコモンローズで黒美崎と草笛の密談を目撃してしまった繭乃。草笛はミスを犯した繭乃のフットマンとしての仕事ぶりに疑問をもったという…。



◆第七話「お嬢様、素敵な音色をどうぞ」

 年に一度の「コモンローズ」クラシックコンサートの日。今年も予約で満席となり、小田切(八神蓮)、鳴羽(河合龍之介)、桜庭(永岡卓也)、繭乃(兼子舜)、そして雪江(JUNE)はそれぞれの楽器を今日のために練習を重ねていた。ただ一つ、鳴羽には気になることがあった。
 ちょうど一年前…その日もフットマン達によるクラシックコンサートが開かれ「G線上のアリア」を奏でていた。毎晩決まってコモンローズにご帰宅していた綾小路翠(長澤奈央)は何かに導かれるようにバイオリンを弾く鳴羽の手をずっと見つめていた。結婚も決まり幸せなはずなのに浮かない表情の翠は、どうしても「G線上のアリア」をもう一度聞きたいと鳴羽に伝えるが、コンサートは年に一度と決まっている。来年も必ず演奏すると約束をし、帰って行った翠。
 だが、翠から今年のクラシックコンサートの予約は入っていなかった。そして開演日当日。皮肉にも台風が直撃となりひどい豪雨に見舞われてお嬢様方から次々とキャンセルの連絡がはいる。さらに近くの変電所に落雷がありコモンローズは停電となってしまう。
今日のコンサートは中止を余議なくされ落胆する五人だったがそこへただ一人、翠がやってくる。



◆第六話「お嬢様、恋の相談にのりましょう」

 リラックスできるお茶があると聞きコモンローズにやってきた礼奈(芳賀優里亜)。聞けば友達に彼氏を奪われたショックで不眠症になったのだという。桜庭(永岡卓也)が運んできたカモミールティを飲みながら職場で知り合ったという彼との思い出にふける礼奈。過去の恋など忘れたほうが良いとアドバイスする桜庭に微笑み返すも礼奈の気分はすぐれない。
 別の卓では鳴羽(河合龍之介)が美夜(肘井美佳)を担当していた。彼氏が前の彼女と連絡をとっているのではないかと悩んでいる美夜に、思いすごしではないかと元気づける鳴羽。そんな二人の様子をカーテンの隙間から見ている礼奈の手には黒魔術と書かれた本が…。


◆第五話「お嬢様、旦那様、漫画はお好きですか?」

 いつも周一(唐橋充)と二人で執事喫茶を訪れる梢(石川紗彩)。若者の間で大人気の漫画家でもある梢と、周一の左手の薬指には指輪が光っている。旅行会社のパンフレットを見ながら楽しそうな雰囲気の二人を微笑ましく見つめる小田切(八神蓮)。だが今日のご帰宅は何やら悩んでいる様子の梢ひとり。現在執筆中の北欧を舞台にした恋愛小説「フィヨルドの風」の最終話の締切に追われている梢は周一とすれ違いの日々を過ごしていた。周一もまた、梢のアシスタントとして出版社や編集社を忙しく回っていた。
漫画家の先生とアシスタントという立場の二人にとって夫婦でいられる時間はコモンローズにいる時間だけだったのだ…。食事もせず溜息を繰り返していた梢にすっかり冷めてしまったパニーニを温め直そうと小田切は声をかけた。このままではいつか周一との仲が冷めきってしまうのでは…と考えていた梢は、「冷めきってしまった」という小田切の言葉につい涙してしまう。


◆第四話「お嬢様、お坊ちゃま、勇気をお出しください」

 ボーイッシュな雰囲気の薫(寉岡瑞希)が高校時代の同級生だと知った桜庭(永岡卓也)は薫との思い出を懐かしんでいた。話したいことがある…と意味深な言葉を残し帰って行った薫にドギマギしてしまう桜庭だったが実は気になる同級生との恋愛相談だった。
いつものようにびしっと立っていたドアマンの雪江(JUNE)の前にコモンローズには珍しい男性客・鼓太郎(久野雅弘)がやってくる。冴えない雰囲気の鼓太郎は周りのお嬢様に圧倒され肩身の狭い尾思いをしながら「英国執事読本」を読み、時に桜庭に熱い視線を送っていた。もしや桜庭のことが好きなのか?と二人の様子を探る三人だったが、聞けば桜庭に弟子入りしたいのだという。実は気になる女の子がコモンローズにご帰宅するお嬢様の一人で自分も桜庭のように凛々しい男になりたいのだというが。



◆第三話「お嬢様、ハッピーバースデーでございます」

 制服姿の雅(山本真菜香)がひとりで執事喫茶へとやってくる。ジャジャ馬でお嬢様らしからぬ態度の雅にフットマンの4人はいつも手を焼いていた。待ち合わせをしているという雅の隣の席では静奈(坂本佳菜子)のバースデーパーティが行われていた。華やかで美しいケーキを前に友人たちと嬉しそうに微笑んでいる静奈を見て一瞬寂しそうな顔を見せる雅に小田切(八神蓮)と繭乃(兼子舜)は気づいていた。いつも胸元に輝かせているペンダントを触りながら羨ましそうに見つめていた雅だが、繭乃にこのペンダントをプレゼントとして静奈に渡して欲しいと告げる。実は静奈に渡したペンダントは年に一度、雅の誕生日に会う約束をして出て行ってしまった父親からもらったものだったのだ。待ち合わせの相手が父親だと知った繭乃はなんとか二人を合わせたいと思うものの、雅のお出かけの時間は刻一刻と近づいていく…。


◆第ニ話「お嬢様、夢を掴んでくださいませ」

 パリの美術学校の入学が決まった島悠美恵(長谷部瞳)が執事喫茶へとやって くる。
憧れの鳴羽(河合龍之介)に案内された悠美恵は、お嬢様の中ではとてもおとな しく、目立たないほうだが笑顔が印象的だ。だが今日はどことなく寂しい雰囲気 で、店内や鳴羽を見つめている。
 お嬢様に言われない限り余計な詮索はしないのがマナーだがどことなく気にな る4人…
その時、ガチャン!という音が。騒然となるフロア内。床には貧血を起こし気を 失って倒れている悠美恵の姿が。鳴羽は動揺するお嬢様達をフォローしつつ素早 く駆け寄る。気がついた悠美恵は鳴羽にパリ行きが決まったことを告げるが…。


◆第一話「執事喫茶コモンローズでございます。」

 とある閑静な住宅街の一角にある執事喫茶「コモンローズ」。執事の黒美崎(団時朗)の指示の下、フットマンの小田切(八神蓮)、鳴羽(河合龍之介)、桜庭(永岡卓也)、繭乃(兼子舜)とドアマンの雪江(JUNE)がお嬢様にお仕えしている。
 全てにおいてパーフェクト。フットマン達を取りまとめる小田切。紅茶の入れ方、お嬢様への心配りなど卒のない鳴羽。フットマンとしては珍しく我が強くツンデレキャラの桜庭。そして新人でまだまだ頼りない繭乃。
 先輩フットマン達を感心した眼差しで見つめている繭乃に小田切は頭を悩ませていた。
 お屋敷での重要な仕事の一つと言えばお嬢様へ紅茶を注ぐことである。おいしい紅茶を淹れるために何度も練習をし、紅茶の味、ティーカップの知識なども学び、お嬢様に合った紅茶を淹れることができて初めて一人前のフットマンとして認められるのだ。
 お嬢様の一人、呉 牧葉(蒲生麻由)に紅茶を注いでいた小田切は、繭乃を一人前のフットマンにすべくある提案を思いつく…。


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