桜咲くまで日記 :#9 本多繁勝
 『桜咲くまで』ご覧の皆様、皆初めまして。わたくし42話、44話を監督させて頂きました、本多繁勝(ほんだしげかつ)と言います。監督と言いましても、この番組では、1周目から8週目までは助監督をしていたわけで、監督日誌なんて全く何を書いて良いのやら困っている次第であります。

 私にとってこの作品は監督業2作目。撮影現場で「監督!」と呼ばれてもなかなか反応せず、自分では無い他の人を呼んでいるのだと思ってしまうわけで。スタッフ、俳優部皆さんには大変ご迷惑おかけしました。(監督日誌が謝罪文になっている)

 元々この番組には、監督が3名いまして、助監督は私を含め3名でした。それがある日突然、最終週でしかも地方ロケなどあり忙しい中(ドラマ撮影はほとんど最終週が大変なのです)私が監督になってしまったばかりに、監督4名・助監督2名となり、かわいそうなのは助監督陣(陣と言っても2名)大変だったと思います。そんな助監督陣の大変なのが伝わったのでしょうか。私のロケ撮影初日、夜の公園で菜穂子(沢尻エリカ)が一人涙するシーンの準備が着々と進む中、ふっと現場を見るとスタンドイン(照明やカメラアングルを決める為に俳優の代わりに位置に着く事)をしているのは、大垣監督ではないか!さらに後ろを振り返るとレール(カメラワークに使う撮影機材、いがいと重い)を運んでいるのは竹園監督!!そして振り返ると登坂監督が!……いない?(登坂監督は撮影のため次の現場に移動中でした)なんて事もあり、とっても贅沢な、恐縮する撮影現場でした。皆さん有難うございました。

 そんなロケ撮影の日々がありいよいよセット、番組にもよりますがこの作品はロケに比べセット撮影が多い、なので撮影前に必ずリハーサルという物があります。このリハーサルというのが新人監督にとって緊張するの何のっても?あんた!大変です。顔は笑顔で冷静をよそおって、スタッフ・俳優陣にいろいろ説明などしている物の背中は汗だく。市毛さんや渡辺さんに質問なんてされたらも?、パンツまで汗だくです。(ちょっと大げさですが)

 そんな中セット本番、もっと緊張するかと思いきや?新人監督に緊張している暇はありません。とにかく「撮って撮って撮りまくり!」現場で悩んでいる暇など無いままあっという間に撮影が終わった気がします。

 そんな新人監督にゆだねられた42話(菜穂子が大変な話なのだ!)と44話(ハナさんがすごく大変なのだ!)最終回前の大事な話です、至らない所もあるとは思いますが一生懸命作りました、皆さん観て下さい。