第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

亡き恩師に誓う花園 県大会直前、43歳の浜口前監督 和工ラグビー部、19日近大和歌山と決勝 /和歌山

「命削り教えている。全力でついてきて」

 現在開催中の第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)県大会に出場中の県立和歌山工(和歌山市西浜3)ラグビー部監督だった浜口博行さんが9月、胃がんのため43歳の若さで亡くなった。4年にわたる闘病の傍ら、指導に骨身を削る姿は選手に鮮烈な印象を与えた。チームは19日、亡き恩師の思いも胸に、3年連続の花園出場を目指して近大和歌山との決勝に臨む。【木原真希】

 「座っているのが精いっぱいだった。それでも何とかして選手たちを教えようと熱く、一生懸命だった」

 浜口さんの前任監督の山下弘晃部長(54)は今シーズンの浜口さんのグラウンドでの指導ぶりを振り返る。

 浜口さんは体格に恵まれ、同校ラグビー部でナンバー8としてプレーした。生前、「何人も引きずりながらトライを決めた」と現役時代を振り返っていた。

 大学卒業後、10年間会社に勤めたが、古巣のラグビー部が低迷することにじくじたる思いを感じ、「もう一度強くしたい」と、2006年から実習助手として母校に勤務。ラグビー部コーチを務め、12年には監督に就任、それまで全国高校ラグビーフットボール大会県大会で3連覇していたチームを同年、4連覇に導いた。

 さらなる活躍が期待されていた矢先の翌13年、県大会決勝直前に胃がんが分かり、入院を強いられる。それでも14年には山下さんに監督を委ね、自らは部長として現場に復帰。ドクターストップがかかっていたにもかかわらず、スクラムの組み方などの手本を示して見せた。

 今年4月、山下さんと交代する形で再び監督に就き、まだまとまりが今ひとつだった新チームを「プレーが面白くないぞ。ちゃんと楽しめているか」と鼓舞した。しかし、9月21日、43年の生涯を閉じた。後任にはコーチだった岡本尚也さん(27)が就いた。

 「命を削って教えているから、全力でついてきてくれ。1分1秒を大切にしてほしい」

 松田武主将(3年)は生前の浜口さんの言葉が忘れられない。県大会ではベンチ脇に浜口さんの遺影を置いて試合に臨んでおり、19日の決勝でも飾る予定だ。

 松田主将は「目標は花園に出場し、勝ち進むこと。まずは県大会決勝で圧倒的な試合をして浜口先生に良い報告をしたい」と誓っている。

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記事(提供:毎日新聞/2017/11/17 14:27)

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