第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

決勝 東海大仰星5度目V 大阪勢対決、ノーサイド

 第97回全国高校ラグビー大会で「大阪対決」となった決勝は、東海大仰星が大阪桐蔭を降し頂点に立った。不振のチームを主将、副将コンビで立て直した東海大仰星。地元ライバルに食い下がった大阪桐蔭。雨天にノーサイドの笛が鳴り響くと健闘をたたえ合った。

再出発、二人三脚で頂に 東海大仰星 長田智希主将、魚谷勇波副将

 弱さを認めゼロから再スタートしてきた--。東海大仰星の左フランカー、魚谷勇波(いさな)副将(3年)の脳裏には、昨年4月の全国高校選抜予選リーグで敗退後、右センターの長田(おさだ)智希主将(同)とチームを立て直してきた道のりが走馬灯のように駆け巡った。

 「それなりの練習で勝てるという甘えを捨てろ」。選抜予選リーグは佐賀工に12-22で逆転負け。湯浅大智監督(36)は直後、選手らに訴えた。花園を4回制し現3年は1年時に優勝も経験。上級生のおかげで強豪扱いが当たり前になっていた。魚谷副将は「新チーム結成当初は必死さがなかった」と振り返る。

 魚谷副将は長田主将と立て直し策を練った。結論は過信を取り払うこと。「力があると勘違いせず練習を」。口を酸っぱくして言い続けた。

 長田主将はプレーでけん引するが、魚谷副将は一歩引き全体を見つめ、悩む部員の相談相手にもなった。チームはまとまりを取り戻し大阪府予選を突破。今大会準決勝で優勝候補・東福岡を撃破しての決勝だった。「足りない部分を補ってくれた」。長田主将がねぎらうと、魚谷副将は「一緒にできて3年間幸せだった」と涙ぐんだ。【加藤佑輔、芝村侑美】

弟にパス、日本一の誓い 大阪桐蔭 松山将輝・千大選手

 大阪桐蔭のスクラムハーフ、松山将輝(ひかる)選手(3年)と右センターの弟千大(ちひろ)選手(2年)はともに先発メンバー。千大選手はけがで一時練習から離れたが、兄の支えもあり復帰。兄弟最後の花園で持てる力をぶつけた。

 昨年5月の試合。相手の肘が千大選手の顔にぶつかり、全治3カ月のあごの骨折と診断された。「何そんなけがしてるの。ださいわ」「ちょっとは心配しろ」。自宅でのいつも通りの会話に、千大選手の気持ちも和らいだ。将輝選手は「しんどい時はお互い様」と家で割り当てられていた弟の家事も引き受けた。

 3カ月間全体練習に参加できなかった千大選手。「兄と出られる最後の花園になる」と筋力トレーニングを続け、同9月に復帰、レギュラーの座も得た。

 自分のパスで弟がトライしてくれたら--。将輝選手は最高の舞台で兄弟を起用した監督に恩返ししたかったが、果たせなかった。

 将輝選手は「同じ大阪勢だったので……」と試合後、悔しさでいっぱいだったが、「弟にはチームを引っ張っていってほしい」とエールを送り、千大選手は「次の大会では日本一になる」と誓った。【長宗拓弥、佐野格】

本紙号外を配布

 全国高校ラグビー大会で東海大仰星が2大会ぶり5回目の優勝を果たしたことを受け、毎日新聞は8日、号外を発行した。同校近くの京阪枚方市駅(大阪府枚方市)で配ったほか、同校にも届けた。

関連記事
記事(提供:毎日新聞/2018/1/9 15:17)

毎日新聞

Copyright (C) 2017 毎日新聞社 記事の無断転載を禁じます。

高校ラグビーニュース

毎日新聞