第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

決勝 東海大仰星27-20大阪桐蔭 激闘、大阪対決 仰星、走って奪冠 大阪桐蔭、力尽く(その1)

 (8日・東大阪市花園ラグビー場)

 19大会ぶりの大阪勢同士の決勝は東海大仰星(大阪第2)が27-20で大阪桐蔭(大阪第1)に逆転勝ちし、2大会ぶり5回目の優勝を果たした。3大会連続7回目の決勝進出で、前回準優勝の悔しさを晴らした。大阪勢の優勝は20回となり、都道府県別の最多優勝記録をさらに更新した。4大会前のベスト4がこれまでの最高成績だった大阪桐蔭は悲願の初優勝に届かなかった。両校ともBシードで、現行シード制でAシード校が出ていない決勝は第82回(2002年度)以来だった。

 ▽決勝

大阪桐蔭(大阪第1)反2

 2 2 1 0 17 0 0 1 0  3 20

 T G P D  前 T G P D  後  計

 2 0 0 0 10 3 1 0 0 17 27

東海大仰星(大阪第2)反4

 ▽主審=加藤真也

東海大仰星27-20大阪桐蔭

 東海大仰星が後半にバックスで3トライを挙げて逆転した。10点を追う後半12分にFB谷口のトライで反撃開始。21分にゴール前20メートルのラックから左へ展開し、WTB西村のトライで同点。2分後にWTB河瀬のトライで勝ち越した。大阪桐蔭は前半終了間際にモールを押し込んでトライを挙げるなどFW戦で優位に立ったが、後半に足が止まった。

 ■ノーサイド

雨弱まり、10点差逆転

 こだわり続けたスタイルが、土壇場で実を結んだ。最大10点差の劣勢をはね返し、後半23分に決勝トライを決めた東海大仰星のWTB河瀬は「自分たちの良い面を押し出し、強気でいこうと思っていた」と胸を張った。

 試合開始前から雨が降り、東海大仰星の持ち味の展開力を発揮するには厳しい条件。雨対策は練っていたはずだが、立ち上がりからハンドリングミスが相次いだ。それでも、選手の信念は揺るがない。「雨でもボールを回していこうと思った」と主将のCTB長田。雨が弱まった後半に真骨頂を発揮した。

 後半12分と同21分にバックス陣が連続トライを奪って追いつくと、その2分後に河瀬が大仕事をやってのけた。相手陣22メートルライン付近の左中間ラックのそばでボールを受け取り、一気に加速。軽やかなステップで相手選手をかわし、インゴールに飛び込んだ。鮮やかな展開ラグビーが目を引くが、WTBでもFW陣のサポートにも回るのはチームの基本。それを怠らなかったことが、最後に勝利を引き寄せた。

 湯浅監督が掲げる「やるべきことをがむしゃらに、ひたむきに」のテーマを、元日本代表の父を持つ河瀬をはじめ、個の能力の高い選手が実践してつかんだ2大会ぶりの栄冠。チーム目標に掲げた「誰もが認める日本一」を見事に成し遂げた選手を見つめる指揮官の目から、大粒の涙があふれた。【田中将隆】

1年生反撃T

 ○…東海大仰星のFB谷口が反撃ののろしを上げるトライを奪った。10点を追う後半12分、マイボールラインアウトからボールをタッチライン付近で受け、インゴールまで走りきった。先発で唯一の1年生は「3年生が抜け出したボールを最後にもらっただけ」と、謙虚に振り返りながらも笑顔。終盤の逆転勝ちにつなげて「1年生でめったにない経験ができた。来年、再来年も日本一を取りたい」と目を輝かせた。

 ■マイボール

長身生かし推進力 河野晶大(こうの・あきひろ)(3年) 東海大仰星・ロック

 195センチの長身を生かした力感みなぎるプレーで、チームに推進力をもたらした。中央でボールを受けた後半23分、寄せてくる大阪桐蔭の選手をはね飛ばして前進。ラックを形成し、決勝トライにつなげた。序盤は劣勢だったFW戦でも、ノーサイド直前には相手モールに尻餅をつきながら、すぐに立ち上がって押し返した。「大阪桐蔭のFWは重かったが、後半は雨もやんで対応できた。チームが一丸になることを一番に考えた」

 準々決勝で痛めた右膝は大きなサポーターに覆われていた。準決勝はハーフタイムでグラウンドを去り、別メニューで調整を続けた。「他の選手と状況は違っても、気持ちを切らさないようにしてきた」。支えになったのは前回大会でメンバー入りを逃した悔しさだ。課題のコミュニケーション能力を改善しようと、この日も試合中に声を出し続けた。

 今春に関東大学リーグの雄・東海大に進む。「まずは大学でレギュラーに入り、トップリーグに進みたい」。栄冠を手に、日本を支えるロックに飛躍することを誓う。【大谷津統一】

東海大仰星(大阪府枚方市)

 1983年創立の私立校。土井崇司前監督のもとで84年に創部し、第72回(92年度)に初出場で8強。第79回(99年度)に初優勝し、第86回(2006年度)、第93回(13年度)、第95回(15年度)も制した。準優勝2回。OBに日本代表の野口竜司(東海大)、元日本代表の大畑大介、米大リーグの上原浩治らがいる。

決勝の得点経過

<前半>       東大

 5分 大・上山 T  0-5

      江良楓G  0-7

 9分 東・河瀬 T  5-7

14分 大・江良楓P  5-10

24分 東・長田 T 10-10

30分 大・奥井 T 10-15

      江良楓G 10-17

<後半>

 8分 大・江良楓P 10-20

12分 東・谷口 T 15-20

21分 東・西村 T 20-20

23分 東・河瀬 T 25-20

      河瀬 G 27-20

最近10大会の決勝

年度大会              スコア

2008 88回(7)常翔啓光学園 24-15 御所工・実

  09 89回(2)東福岡    31-5  桐蔭学園

  10 90回(3)東福岡    31-31 桐蔭学園(1)

  11 91回(4)東福岡    36-24 東海大仰星

  12 92回(5)常翔学園   17-14 御所実

  13 93回(3)東海大仰星  19-14 桐蔭学園

  14 94回(5)東福岡    57-5  御所実

  15 95回(4)東海大仰星  37-31 桐蔭学園

  16 96回(6)東福岡    28-21 東海大仰星

  17 97回(5)東海大仰星  27-20 大阪桐蔭

※丸数字は優勝回数。御所工・実は現御所実。

90回大会は両校優勝

学校別優勝回数

 (1)秋田工   (秋田)15回

 (2)同志社   (京都) 9回

 (3)常翔啓光学園(大阪) 7回

 (4)天理    (奈良) 6回

 (4)東福岡   (福岡) 6回

 (6)目黒学院  (東京) 5回

 (6)国学院久我山(東京) 5回

 (6)常翔学園  (大阪) 5回

 (6)東海大仰星 (大阪) 5回

(10)保善    (東京) 4回

(10)伏見工   (京都) 4回

※常翔啓光学園は啓光学園、目黒学院は目黒、常翔学園は大阪工大高から校名変更

都道府県別優勝回数

(1)大阪 20回

(2)東京 16回

(3)秋田 15回

(3)京都 15回

(5)福岡 10回

関連記事
記事(提供:毎日新聞/2018/1/9 16:19)

毎日新聞

Copyright (C) 2017 毎日新聞社 記事の無断転載を禁じます。

高校ラグビーニュース

毎日新聞