第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

来季へ手応え、精神面で選手支え 桐蔭学園メンタルトレーナー・布施努さん /神奈川

 第97回全国高校ラグビー大会で、県代表の桐蔭学園は5日の準決勝で大阪桐蔭に惜敗し、決勝進出を逃した。来季を見据えるチームを精神面で支えてきたのが、元球児で商社勤務経験もある異色のメンタルトレーナー、布施努さん(54)。フィフティーンは「布施さんのバックアップで花園に戻る」と誓う。

 「もっといいプレーができるよね」。大阪市内の宿舎ホテルであった年明けのミーティングで、布施さんの鼓舞する声が響いた。準決勝まで順調に勝ち上がったが、ミスも目立った。試合結果を2人1組で議論した選手は、布施さんに促されるように、できたこと、できなかったこと、今後の課題を整理し紙に書き出していった。

 原田衛主将(3年)は「改善点を検討し無理な所は忘れる。気持ちを整理できた」と話す。このメンタルプログラムを導入した布施さんは「言葉に置き換えることで互いの考えを確認し自分を客観視できる」と説明する。

 布施さんは高校、大学と野球部に所属。チームマネジメントに興味があり、商社勤務を経て米国大学院でスポーツ心理学博士号を取得し、メンタルトレーニングの会社を運営するようになった。桐蔭学園は2014年秋に神奈川県予選で敗退、10回連続の花園出場を逃した。それを機に、チームは布施さんにトレーナーを依頼。翌年からは花園に毎回出場している。

 プログラム導入で心構えが変わった選手も多い。右プロップの細木康太郎選手(3年)は「ボールを自分が持てば取られそう」と消極姿勢が目立っていたが、議論を通じ「求められているプレーは前に出ること」と自信を深め中心選手に成長。準決勝も1トライを奪い「負けたのは悔しいが、プログラムでチームにおける自分の役割を深く考えるようになった」と振り返った。

 「選手は最後まで食い下がってくれた」と布施さん。心技体そろってレベルアップした戦いぶりに、布施さんも選手たち自身も、来季への十分な手応えを感じている。【中村紬葵】

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記事(提供:毎日新聞/2018/1/7 12:27)

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