第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

桐蔭学園、反撃届かず ゴール直前力尽き /神奈川

 第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)は5日、東大阪市花園ラグビー場で準決勝があり、県代表の桐蔭学園は7-12でBシードの大阪桐蔭(大阪第1)に敗れ、2大会ぶりの決勝進出はならなかった。桐蔭学園は前半に先制されてリードを許したが、後半に1トライ1ゴールと反撃。試合終了間際にも粘りの攻撃を見せたが、あと一歩及ばなかった。【中村紬葵、礒野健一】

桐蔭学園 反3

 0 0 0 0 0 1 1 0 0 7  7

 T G P D 前 T G P D 後  計

 1 1 0 0 7 1 0 0 0 5 12

大阪桐蔭 反6

後半7点を返す

 5点を追う後半ロスタイム。入念に確認してきたラインアウトでボールを獲得し、桐蔭学園FWは密集をつくってじわじわと前進した。選手たちから立ち上る白い湯気。何度も攻撃を仕掛けてゴールに迫った。だが、ゴール直前で鳴り響いたのは桐蔭学園へのファウルの笛だった。相手選手がボールを蹴り出しノーサイド。選手たちはグラウンドにしゃがみ込んだ。

 前半8分にスクラムから突破を許して先制された。後半2分にはキックミスから攻め込まれて左中間にトライを決められた。「ターニングポイントは後半開始5分から10分」。藤原秀之監督はハーフタイムで選手たちに強く言い聞かせたが、「大事なところでミスがでてしまった」と口を結んだ。

 グラウンドではフッカー原田衛主将(3年)が「落ちずに上を向こう」と仲間を鼓舞し続けていた。無得点に抑えられていた桐蔭学園の反撃は後半24分、左中間ゴールライン際のラックから再三の連続攻撃の後、プロップ細木康太郎選手(3年)が右に持ち出し、一度は阻まれたがそれを押しのけてトライ。「前に前に行こうと思っていた」と意地を見せ、後半に7点を返したが、大阪桐蔭の好ディフェンスに及ばなかった。副将を務めたSO田村魁世選手(3年)は試合後、「ポジションの変更もあり、みんなに支えてきてもらった。勝てなくて申し訳ない」と大粒の涙をこぼした。

前向き「やりきった」 フッカー(3年)原田衛主将

 ノーサイドの笛が響き、大阪桐蔭の選手たちが抱き合う姿をゴール前で見ていた。「頭が真っ白になった」。無念の瞬間だった。

 昨年2月の合宿で眼下骨折。「試合だけが主将の仕事ではない」とウエートトレーニングに励み、練習する仲間たちには厳しく声をかけ続けた。その仲間たちは昨春、初めて単独で全国制覇を果たした。「自分がそこにいないことが悔しかった」。全国優勝への思いはつのった。

 この日、大阪桐蔭のディフェンスにバックスが走らせてもらえず、強みのフォワードも思うように前に進めない苦しい展開になった。「強みが通用しない焦りが出てしまった」とふり返ったが、自身のコンディションに関係なくチームを支えてきた主将は、「敵陣でプレーしよう」「アタックしていこう」と試合の中で選手に声をかけ続けていた。

 「やっぱり花園で優勝したかった」。試合後うつむきがちにつぶやいたが、「勝てなかったのは悔しいが、やりきったとは思う。ついて来てくれたみんなにありがとうと言いたい」。最後には前を向いた。【中村紬葵】

60人、激しく熱い声援

 ○…「♪しんどい時つらい時はスタンド見てくれよ!」。メンバー入りを逃したラグビー部員約60人が、激しく熱い応援歌と声援をノーサイドの瞬間まで送り続けた。

 応援団長は最後までメンバー入りを争った安達拓海さん(3年)。「悔しさはあるが最高の応援で優勝を後押しする」と決意し、定番の応援歌に加え、劣勢時に踏ん張れる曲を3年生を中心に選び、1試合ごとレパートリーを増やしていった。

 試合後、安達さんは大粒の涙を流し「ありがとう、ナイスファイト!」と選手に拍手を送った。SO田村魁世選手(3年)は「声援のおかげで最後まで攻められた。あいつらは一生の宝物」と、泣きはらした目を閉じ、仲間の思いに感謝した。

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記事(提供:毎日新聞/2018/1/6 12:56)

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