第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

準々決勝 成章、思いは一つ「来年こそ」 桐蔭学園に14-36 /京都

 東大阪市花園ラグビー場で開かれている第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社など主催)は大会第5日の3日、府代表の京都成章が同じAシードの桐蔭学園(神奈川)との準々決勝に臨んだ。前半は攻守ともに持ち味を発揮したが、後半に相手の強力FWに押されてトライを重ねられ、14-36で敗れた。試合後、応援席からは「いいラグビーだったぞ」「悔しさは来年晴らせ」といった声が飛び交い、選手たちに大きな拍手が送られた。【礒野健一】

持ち味発揮、2トライ

 桐蔭学園は昨春の全国選抜大会決勝で敗れた相手。選手たちは「全てをぶつけるぞ」と思いを一つにし、グラウンドに飛び出した。

 前半2分、敵陣10メートル右中間ラックから左へ展開し、CTB西川虎哲選手(3年)が中央へ切り込み先制トライを奪う。13分に同点に追いつかれるが、26分には敵陣10メートル中央から左へ3人がつなぎ、最後はWTB南部翔大選手(2年)が左サイドを走り抜いてトライを決めた。1日の流通経大柏(千葉)戦では精彩を欠いたバックス陣がグラウンド狭しと走り回り、14-14の同点で前半を折り返した。

 スタンドの保護者やOBからは「タックルがえぐい」「うまく裏をついている」と、感嘆の声が多く聞かれた。フランカー中谷玲於選手(3年)の父政仁さん(43)は「もっと相手に食い込むタックルを見せれば、更にトライも奪える」と期待した。

 しかし、後半開始直後から降り出した激しい風雪が、風下の成章の動きを鈍らせる。流れを変えようとラインアウトからのセットプレーを狙ったが、ボールを立て続けに取られ、逆に相手FW陣に押し込まれるシーンが続いた。プロップ藤田康助選手(3年)は「サインを読まれていたようで、それを試合の中で修正できなかった」と悔やんだ。

 後半は得意の展開ラグビーが出せず、3トライを奪われノーサイド。試合中は「笑顔だ!」と必死に前を向いた選手たちだったが、試合後の整列時には皆が涙を流し、悔しさをにじませた。

 昨年4月に創部した女子ラグビー部員で、男子選手に交じって練習試合にも出場してきた3年、西川りさ子さん(18)は「ラグビーの楽しさと怖さを知った。最後まで笑顔を忘れなかった仲間は誇り」と話した。SH片岡祐二選手(2年)は「先輩から多くを学んだ。チームを一つにまとめ、来年は上に行く」と力強く誓い、花園を後にした。

急きょ代役、見事仕事 FB・笹岡海斗選手(3年)

 1日の流通経大柏戦。5-0と接戦を勝ちきった喜びの中で、バックス陣は危機感を募らせていた。思う動きが全くできなかった反省と、その試合でタックルを受けて脳しんとうを起こし、今大会の出場ができなくなったFB二村莞司選手(2年)の代役をどうするかという難題だ。

 白羽の矢は、WTBでの出場が多い笹岡海斗選手(3年)に立った。「今日はバックスで勝負をしていくぞ」。慣れないポジションでも笑顔は忘れず、そう声をかけて試合に臨んだ。

 同点の前半26分、押川敦治主将(3年)からボールをもらうと、左へ開きながら走り相手ディフェンスを引き付け、左ライン際にいたノーマークの南部翔大選手(2年)にパスを出して勝ち越しトライを演出した。

 試合後は悔し涙で目を赤くしたが、「今日はバックスの仕事ができた。花園では本当にラグビーを楽しめた」と、最後は笑顔で聖地に別れを告げた。【礒野健一】

〔京都版〕

関連記事
記事(提供:毎日新聞/2018/1/4 13:12)

毎日新聞

Copyright (C) 2017 毎日新聞社 記事の無断転載を禁じます。

高校ラグビーニュース

毎日新聞