第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

準々決勝 航空石川、前回覇者に奮闘 先制トライも4強届かず 果敢にプレー、最後まで /石川

 第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)は3日、県代表の日本航空石川が県勢として初の準々決勝に進み、2連覇を狙うAシードの東福岡(福岡)と対戦した。前半に先制トライを決めるなど果敢に攻めたが、その後は東福岡の猛攻に点差を広げられ、7-36で敗れた。目標のベスト4には届かなかったが、学校としてだけでなく県勢としても初となる8強入りの快挙。応援席からは「ナイスファイト」「いいぞ! 航空」と温かな声援と拍手が送られた。【日向梓】

 ▽準々決勝

日本航空石川 反5

 1 1 0 0  7 0 0 0 0  0  7

 T G P D  前 T G P D  後  計

 2 0 0 0 10 4 3 0 0 26 36

東福岡 反2

 「敵陣22メートルに入ったら、どんどんフォワード勝負していくぞ」。試合前に話し合った通り、日本航空石川の選手たちは序盤から積極的に攻めた。前半7分、ゴール前のラックからスクラムハーフの都世子(つよし)海人選手(3年)が素早くパスを通し、NO8アシペリ・モアラ選手(3年)が中央に先制トライ。雄たけびを上げると約1万3600人が詰めかけた会場がどよめいた。

 ゴールキックを蹴るのは、花園での成功率87・5%のCTB粟津勇哉選手(3年)。「フォワードが体を張って決めてくれた。緊張してる場合じゃない」と冷静に成功させる。粟津選手の父親のラグビー仲間で、今大会は毎試合、応援に駆けつけている杉村光庸(みつのぶ)さん(42)は「彼が小さい頃はよく一緒にラグビーをやった。胸が熱くなります」と笑顔でグラウンドを見守った。

 しかし前半10分、25分にトライを奪われ、7-10と逆転を許すと、その後は徐々に相手ペースに。小林学監督は「1対1の局面で足が前半のようには動かなくなっていた」。ディフェンスラインを突破しようとする相手選手に食らいつき、何度もラックを作ったが、素早いパスやステップでかわされトライを奪われた。

 じわじわと点差が広がっていったが、応援席の士気は下がらない。田中大智主将(3年)の母和美さん(50)は「息子と息子の仲間を最後まで信じる。ここから少しずつ取り返していきます」とメガホンを握りしめた。応援団は「行け行け航空、押せ押せ航空」と声をからしてエールを送る。

 奮闘むなしくノーサイドの笛が鳴った。初めてベンチから試合を見守ったマネジャーの阪井那希(なつき)さん(3年)は「最後まで恥じるところなんて一つもないプレーをしてくれた。言いたい言葉は『ありがとう』しかない」と涙をぬぐってほほ笑んだ。

背中でチームけん引 フッカー・田中大智主将(3年)

 苦しい練習も率先してこなし、激しいぶつかり合いから決して逃げない。小林学監督も「この子の背中にはみんながついていく」と太鼓判を押す。本人は「自分のリーダーシップではなく、みんなが支えてくれた」と控えめだが、この日も何度も密集の下敷きになりながら果敢にタックルを仕掛け、チームを引っ張った。

 トンガの留学生をはじめ、県外出身者が多い。個性の強い部員たちをまとめることについては「しゃべるのが下手なので大変だった」と振り返る。「できることはやろう」と腹を決めた。オフの日には美容師の母をまねて部員の髪をカットしてチームの雰囲気をもり立てた。「予約が取れない」と部員たちが口をそろえる人気だ。

 有名大学からの誘いもあったが、大学進学はせずに調理師を目指す。小学2年から続けたラグビーもひと区切りだ。「今日の試合は楽しかったし、やりきったから悔いはない。こんな主将についてきてくれてありがとうと言いたい」。涙をのみ込み、笑顔でグラウンドを去った。【日向梓】

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記事(提供:毎日新聞/2018/1/4 12:53)

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