第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

桐蔭学園、後半一気 決勝かけ、あす「桐蔭対決」 /神奈川

 第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)は3日、東大阪市花園ラグビー場で準々決勝があり、県代表の桐蔭学園は36-14でAシードの京都成章(京都)を降して4強に進出した。桐蔭学園は先制を許すも前半終了間際に追いつき、風上に立った後半に京都成章を突き放した。準決勝は2大会ぶりの決勝進出を目指して5日午後2時15分から、大阪桐蔭(大阪第1)と対戦する。【中村紬葵】

京都成章 反3

 2 2 0 0 14 0 0 0 0  0 14

 T G P D  前 T G P D  後  計

 2 2 0 0 14 3 2 1 0 22 36

桐蔭学園 反3

 前半2分、ディフェンスの間を突破されて先制を許し、出はなをくじかれた選手たちにフッカー原田衛主将(3年)の声がかかる。「大丈夫。やれることをやろう」

 主将の言葉にプロップ細木康太郎選手(3年)は「気持ちが楽になった」。前半13分にゴール前のラックから持ち味の推進力で相手選手を押しのけてトライを決めると、同30分にも再びトライ。キックの安定感に定評のあるWTB中村大地選手(3年)が確実にゴールを決めて、桐蔭学園はリードを2度許しながらも追いついた。

 風が強まり、小粒のひょうが降る中、後半もフォワード中心の攻めで確実に前進。スタンドで観戦していた細木選手の父敏通さん(50)が「目指していたのはここじゃない。勝ってもらわないと」と発破をかけたのが伝わったのか、細木選手が後半5分にもゴール前ラックから右に抜け出してトライを決める。この試合が今大会初戦となった息子の勝ち越しトライに敏通さんは大きく手をたたいて喜んだ。終盤にはバックスの走力が光って京都成章を寄せ付けず、追加点を許さなかった。

 昨春の選抜大会決勝で苦戦を強いられたラインアウトを徹底的に研究し、フランカー原朋輝選手(3年)は「タイミングや立つ位置をずらして工夫した」と再三ボールを獲得。自身もトライを決めたCTB竹下日向選手(3年)は「敵陣でプレーすればフォワードが取ってくれると思っていた。次はバックスが外に展開して取り切れるようにしたい」と闘志を燃やしていた。

「切り札」が始動 プロップ(3年)細木康太郎選手

 トライを取り合う展開となった前半、じりじりと前進するラックからボールを持ち出し、群がる相手ディフェンスをものともせずトライを決めた。コンディションを調整し、満を持して出場した自身の今大会初戦で持ち味を存分に発揮した。

 昨年5月、走り込みの練習中に右もも裏の肉離れを発症。復帰までに4カ月を要し、夏合宿にも参加できなかった。「焦りはあったができることをやるしかない」。仲間がディフェンスの連携など新たな練習に励む横で、黙々と上半身の筋力トレーニングをこなし、以前より30キロ以上も重いベンチプレスも上げられるようになった。

 少し動けるようになってからは同じプロップの麻生典宏選手(3年)から新しいシステムなどを教わり全体練習後に特訓。遅れを取り戻そうと必死で練習し、県予選決勝でさらに強くなったフィジカルを見せつけた。

 ただ、今季の花園ではこの日まで出場はなく、選手が躍動する姿に「自分にこんなプレーができるのかなと思った」。弱気な一面を見せながらも「ボールを持ってから前に出るのが自分の強み。チームが波に乗れるプレーをしたい」。頂点を目指し、チームの切り札がついに動き出した。【中村紬葵】

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記事(提供:毎日新聞/2018/1/4 12:13)

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