第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

2人の主将、支え合い 石見智翠館・斎藤龍夜選手/山本拓海選手

 第97回全国高校ラグビー大会で、石見智翠館(いわみちすいかん)(島根)は1990年の創部以来初めて主将を複数体制とし、試行錯誤しながら個性の違う2人がチーム作りを進めた。プレーの指示や寮生活のケアなど役割分担で部員90人以上の大所帯をまとめ上げ、30日は強豪の常翔学園(大阪第3)と対戦する。

 「合わせて一人前だと思ってくれ」。今年1月の新チーム結成後、安藤哲治(てつじ)監督は今の3年生3人を主将に指名した。NO8で中心選手の斎藤龍夜選手と、しっかり者で控えフランカーの山本拓海選手、そして状況判断に優れるスタンドオフの川瀬諒太選手も選んだ。

 安藤監督は「言葉やプレーで引っ張れる絶対的な選手がいなかった」と振り返る。長所を生かし、弱点を補い合ってほしいという狙いがあった。斎藤選手は「まさか3人とはと思ったし、口下手な自分が選ばれるとは」と困惑した。

 異例の事態は続いた。指名から2週間後の練習試合で、クイックスローインを阻まれた川瀬選手が相手にボールをぶつけた。自分の感情さえコントロールできないとして、安藤監督は主将から外した。

 苦難の船出だったが、斎藤選手は高校日本代表候補に選ばれる実力をつけてプレーで引っ張った。練習以外の選手生活などは山本選手が目配りし、積極的に声掛けもした。川瀬選手も「自分が情けなかった」と気持ちを改め、戦術面の司令塔として活躍。3人のリーダーシップが徐々にかみ合うようになった。

 チームは全国レベルの大会でも結果を残し、県予選も圧倒的な力で27大会連続の花園出場を決め、今大会はシード校に選ばれるまで成長した。山本選手は「自分は派手なプレーで鼓舞することはできないが、斎藤1人で無理なところは支えることができた」と胸を張る。安藤監督は「主将は1人が望ましいが、このチームではベストな選択だった」と初戦を前に手応えを感じている。【長宗拓弥】

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記事(提供:毎日新聞/2017/12/30 13:56)

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