第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

山形南、トライ遠く /山形

 第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社など主催)1回戦で、県代表の山形南は28日に若狭東(福井)と対戦し、0-66で敗れた。1トライが遠かったが、スタンドに駆け付けた生徒や保護者たちからは拍手とともに「お疲れ様」とねぎらいの声が飛んだ。【後藤豪】

観客席から拍手とねぎらい

 山形南は前半3分、8分に相手にトライを決められ、13分にも得点を奪われた。序盤からの苦しい展開にセンター・植木航大選手(3年)の父・哲也さん(51)は「大事にいっている。もっと大胆に」と鼓舞した。

 さらに追加点を許し、前半は0-33で折り返した。スタンドには生徒や保護者など約130人。山形からの応援組はバスで12時間をかけ、駆けつけた。ハーフタイムでは応援団長の小林輝(あきら)さん(2年)が「まだ力を出し切れていない。選手たちを鼓舞していけるよう応援したい」と声を高めた。

 後半に入っても流れは変わらなかった。9分、13分、16分とこまめにトライを重ねられ、点差は広がっていく。残り10分を切った。

 「手ぶらで帰れないよっ」。伊藤大瑛主将(3年)の母・智栄子さん(49)がピッチに向かって叫ぶ。「硬さを感じる。のびのびとプレーしてほしいが……」

 しかし、非情のノーサイド。選手たちが1人、2人と泣き出す。諦めずにゴールへと突進を続けたフィフティーンに対し、観客席からは惜しみない拍手が送られた。

パニエ被りエール

 ○…曇天の下、山形南の応援席が華やかに彩られた。アンダースカートの一種「パニエ」をまとった男性8人組。同校ラグビー部のOBたちで「花の園と書いて花園。応援席にも花を咲かせたいと思った」と大学1年の岡田大毅さん(19)。目立たせるため、本来の使い方とは違って頭から被ったという。「勇気と感動を与えるプレーを」とエールを送った。

ネットで観戦、生徒ら大歓声 山形南で130人

 花園のグラウンドを疾駆するフィフティーンに声援を送るため、山形南高校(山形市東原町)は28日、インターネット配信による試合観戦をした。冬休み中にもかかわらず、運動部を中心に生徒・職員約130人が集結した。

 多目的教室に大型スクリーンを設置。アタック時に相手ディフェンス陣を切り崩した場面では大歓声が上がった。ノーサイド後には肩を落としつつも、拍手が巻き起こった。バドミントン部の大友雄祐さん(2年)は「最後まで諦めないという気概がプレーの一つ一つから、伝わってきました」とたたえた。【松尾知典】

憧れの兄に追いつく 山形南ウイング(WTB) 大石竜生選手(3年)

 「敵討ち」のチャンスだった。山形中央は2012年の第92回大会で、若狭東と激突。0-45で敗れている。その時のメンバーに兄泰生さん(21)=当時1年=がいた。「同じグラウンドに立ち、憧れの兄に追いついたと思う」

 中学時代は水泳選手。「こんな危ないスポーツをやりたくなかった」。しかし、山形南ラグビー部OBの担任教師に熱心に勧誘された。最後の一押しがラガーマンの兄の雄姿だった。高校進学後にラグビー部に入る。1年の県大会では山形中央の18連覇を阻止する。

 それから2年、最後の花園の初戦は因縁の相手。駆け付けた父・忠弘さん(49)は「大石家は若狭東に始まり、若狭東で終わる」と感慨深げに話した。

 試合前日には泰生さんから無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「頑張って」とメッセージが届いたという。「『この道に連れてきてくれて、ありがとう』と言いたい」。悔し涙に目を腫らしながら、しっかりと語った。【後藤豪】

 ▽1回戦

山形南 反10

0 0 0 0  0 0 0 0 0  0  0

T G P D  前 T G P D  後  計

5 4 0 0 33 5 4 0 0 33 66

若狭東 反3

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記事(提供:毎日新聞/2017/12/29 13:03)

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