第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

母、周囲の支えで成長 朝明の比出身選手

 第97回全国高校ラグビー大会に出場した朝明(あさけ)(三重県四日市市)のWTB、トゥーリング・マーク選手(2年)は、大会参加校の中でも珍しいフィリピン人。7年前に来日し、言葉の壁や食事に苦労したが、ラグビーと出会い、周囲の支えもあってチームに欠かせないトライゲッターに成長した。

 フィリピン・ブラカン州出身。出稼ぎで先に来日していた母メラニーさん(41)を訪ねた際の旅行で日本が気に入った。「清潔さと豊かな自然に驚いた。ここで勉強し働きたいと思った」。10歳のころから母親の住む三重県川越町に来て弟と3人で暮らし始めた。

 最初は戸惑うことが多かった。地元の小学校に通ったが、日本語が全く分からなかった。煮物や刺し身などの日本食も口に合わなかった。しかし、同級生や教師の丁寧な指導で少しずつ話せるようになり、食べ物も段々と慣れてきた。

 朝明に入学し、ラグビーの強豪校と知った。中学時代は野球をしていたが「どうせやるなら新しいことを」と入部を決めた。野球とは違い広いフィールドを自由に駆け回る点に魅力を感じ、すぐにのめり込んだ。

 上達は周囲が驚くほど早かった。快足と巧みなステップ、パス技術の高さが買われ、今年2月からレギュラーに。11月の県予選決勝では、要所で二つのトライを決めて花園出場に貢献した。保地直人監督(43)も「思わぬダイヤの原石だ」と絶賛する。

 こうした自身の成長も、母の支えがあったからだと感じている。メラニーさんは朝5時に起き、仕事の傍ら家事も怠らず、体作りが重要なトゥーリング選手のために毎日メニューを工夫してくれている。「母のやってくれることが全て力になっている」とトゥーリング選手は言う。

 チームは6年連続8回目の花園。「去年はベンチから眺めていたが、今度は自分がチームを引っ張る番」。28日の大分舞鶴との初戦には敗れたが、「母への感謝を忘れない」と誓う。【森田采花】

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記事(提供:毎日新聞/2017/12/28 13:13)

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