第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

東海大翔洋 大暴れの予感 練習で思い切りプレー 新グラウンドに感謝 あす開幕 /静岡

 27日から大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)に出場する東海大翔洋。高校日本代表候補のエース、CTB望月裕貴選手(3年)を中心とした展開攻撃と昨秋に完成したグラウンドで磨いた堅守で、5年ぶり10回目となる県大会優勝を決め、聖地・花園への切符を勝ち取った。佐藤空翔(つばさ)主将は「2回戦で当たるシード校の佐賀工(佐賀)を倒し、大阪で正月を迎える」と闘志を燃やす。翔洋は大会初日の午後1時20分、高松北(香川)と対戦する。【竹田直人】

 東海大翔洋のラグビーは思い切りが良く、激しい。

 県大会決勝の相手は、長年のライバル・静岡聖光学院。前半12分にSO山川翔希選手(3年)のペナルティーキックで先制すると、15、23分と立て続けにトライを奪って試合を優位に進めたが、ロスタイムに相手のトライを許した。後半9分にもトライされ、前半とは一転、聖光のペースになるかと思われた。それでも、翔洋フィフティーンの体力、集中力は切れなかった。

 がっしりした体格で50メートルを6秒2で走りきるWTB稲名(いなな)海渡選手(3年)が、猛烈な当たりで相手守備網を突破。小柄ながら真崎智央監督が「接触プレーではチーム一」と信頼するフランカーの中野輝羅(きら)選手(3年)が、低いタックルで相手ボールを奪う。正々堂々、相手と体をぶつけ合い、接戦を制した。

 試合の鍵を握った激しさは、日々の練習を行う「TOKAI BLUE OCEAN FIELD」で鍛えられる。

 美しい人工芝の緑が一面に広がるグラウンドは、昨年10月に完成したばかり。最新技術が施された芝の上では、転んでも土のグラウンドと比べて痛みは少なく、滑り込んでもやけどのようにはならない。稲名選手も「練習中から思い切りプレーできるので、去年よりみんなのプレーが激しくなった」と話す。

 新グラウンドで行われる練習は実戦さながらの激しさ。攻守に分かれて行う練習では、選手同士が体をぶつけ合う「ドンッ」「ボコッ」という音が響く。楕円(だえん)球が転がり落ちると、選手たちは争うように飛びついて捕球する「セービング」を見せた。中野選手は「痛みを気にせずプレーできるから、ためらいなくボールに飛びつける」と胸を張る。

 真崎監督は「5年ぶりに県大会を制した要因の一つ」と新グラウンドでの鍛錬の成果を誇り、佐藤主将は「立派なグラウンドで練習でき、感謝している。結果を残さないわけにはいかない」と表情を引き締める。最高の環境で激しさと思い切りの良さを身につけた翔洋フィフティーンが、花園で大暴れする。

チームが強くなるために CTB望月裕貴選手(3年)

 他のチームメートより頭一つ高く、モデルのような均整の取れたプロポーション。しかし、プレーは火が出るように激しい。50メートル6秒2の快足でフィールドを駆け抜けるその姿は、ネコ科の大型動物をほうふつとさせる。

 長い腕を生かして相手のタックルを突き放すハンドオフも強烈。味方が高く蹴り上げたハイパントも飛びついて難なくキャッチする。県大会決勝、高い身体能力を生かした躍動を見ていた他校の監督は「彼がいればサインプレーなんか必要ない」と脱帽していた。

 昨年からチームの攻撃の核を担う逸材は今年5月、高校日本代表候補合宿に初招集された。先月に発表された第2次メンバーにも残った。全国の強豪選手にもまれた経験は、試合でのプレーや普段の練習にも還元される。

 佐藤主将も「高校代表の合宿から帰って来てから、裕貴は積極的に指示を出すようになった」と成長に目を見張る。本人も「代表合宿で教えられた技や知識を翔洋のみんなに伝えたら、チーム全体が強くなれる」と話す。

 実は、ラグビーを始めたのは高校から。東海大翔洋中等部時代は野球部で外野を守っていたが、公式戦に一度も出場できなかった。白球から楕円球に持ち替えたら、全国有数の選手にまでなった。

 県大会の決勝直後、大粒の涙を流した熱血漢だが、栄光の道のりはまだ始まったばかり。「高校代表に選ばれている以上、花園では下手なプレーは見せられない」。持ち前の鋭い走りで花園のフィールドを切り裂く。

全国制覇目指して 16人の女子部員が応援

 東海大翔洋ラグビー部には女子部員16人がいます。女子ラグビー部ではなく、男子と一緒で一つのラグビー部。練習も男子と合同でやっています。3年間、共に楕円球を追った仲間が、全国大会に出場できてとてもうれしい。花園では一生懸命、応援します。

 練習のメニューはほとんど男子と同じ。実戦形式の練習では、男女が交ざって体をぶつけ合います。男子のタックルに負けずに突破する女子部員もいるんですよ。

 試合さながらの練習が終われば、とても仲が良いです。県大会も当然、毎試合、応援に行きました。女子部員の一部がエキサイトしちゃって、ちょっと過激なヤジを飛ばしちゃったかもしれません。

 女子の公式戦は夏までに終わったのですが、3年の私たちの引退は男子と同じタイミングになります。ここまできたら全国制覇してもらって、一日でも長くラグビージャージーを着ていたいです。

県大会の結果

 ▽2回戦

東海大翔洋 111 64-0 0 常葉大橘

          47-0

 ▽準決勝

東海大翔洋 45 19-0  12 清水南

         26-12

 ▽決勝

東海大翔洋 15 15-7 12 静岡聖光学院

          0-5

 1 久保田康太(3) 175  95

 2 上柳凱  (3) 166  81

 3 岡本瑞紀 (3) 177 112

 4 瀧優太  (3) 178  72

 5 小森健太 (3) 179  72

 6 中野輝羅 (3) 168  72

 7 荒井晴輝 (3) 168  72

<8>佐藤空翔 (3) 165  81

 9 松浦貫介 (2) 168  65

10 山川翔希 (3) 173  73

11 保竹郁  (3) 173  72

12 田島拓朗 (3) 174  73

13 望月裕貴 (3) 189  93

14 稲名海渡 (3) 174  95

15 保崎翔  (3) 165  58

16 大沢慎也 (3) 175  82

17 孫入彗太 (1) 165  86

18 望月亮介 (2) 176  80

19 斎藤俊輝 (3) 171 110

20 鈴木大豊 (3) 174  65

21 城内優也 (3) 165  58

22 駒井元晴 (2) 173  75

23 良辺怜央 (2) 180  65

24 古田竜巳 (1) 173  65

25 井田龍門 (1) 161  63

26 服部新矢 (2) 167  68

27 斎藤優希 (1) 169  60

28 松本隼哉 (1) 165  55

29 由比藤聖 (1) 175  80

30 高原克昭 (1) 167  65

 ※登録番号順で<>は主将。左から氏名、学年、身長(センチ)、体重(キロ)

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記事(提供:毎日新聞/2017/12/26 11:39)

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