第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

登録選手増25人→30人 強豪校に追い風

 第97回全国高校ラグビー大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会、全国高校体育連盟、大阪府、大阪府教委主催)は27日、東大阪市花園ラグビー場で開幕する。1チームの登録選手数が27大会ぶりに増えるなど、2019年ワールドカップ(W杯)日本大会も見据え、変わりつつある高校ラグビー界の現状を紹介する。

 「肩から当たっていくんだ」。タックル練習に取り組む石見智翠館(島根)の選手にコーチの声が飛ぶ。過去最高の4強を上回る成績を目指す同校の安藤哲治監督(44)が追い風ととらえるのが、登録選手数の増加だ。「これまでは勝ち進むにつれて負傷者が増え、実際は25人では戦えないこともあった」

 今大会から、各チームの登録選手数が従来より5人多い30人になった。ベンチ入りできるのは25人で変わらないが、コンディションを見て試合ごとに選べるため、メンバー編成の幅は広がる。

 石見智翠館は前々回大会で初の4強入り。だが、準々決勝で主将が右太もも裏を痛めるなどし、準決勝で敗れた。負傷のリスクは他チームも同じとはいえ、準々決勝敗退の昨年度も「けが人の影響が大きく出た。22、23人で戦っている感じだった」というだけに、部員97人の大所帯を率いる安藤監督は「30人化」を歓迎する。

 接触プレーが多いラグビーはけががつきものだ。大会実行委員会によると、試合中か試合後に医務委員の手当てを受けた選手の割合を示す「受傷率」は前回大会で4.8%。過去最高の7.7%だった第79回(1999年度)の6割程度だが、選手の大型化もあり、データを取り始めた第50回(70年度)の1.4%と比べると3倍以上だ。これまでも選手が脳しんとう(疑いを含む)と診断されて出場できなくなった場合は追加登録を認めていたが、より安全対策を進めるため、第70回(90年度)で22人から25人にして以来の登録選手数増に踏み切った。

 ただ、地方を中心に部員不足のチームは多く、今大会も出場51校中5校は30人に満たない。うち1校の監督が、今回の変更について「決勝や準決勝に進み、連戦の中でけがをしてしまうチームのため」という見方があるのも事実だ。そのうえで、全国高体連の伊藤義孝・ラグビー専門部長は「これまではけがをしても出さざるを得ない可能性があった。より安全なラグビーを目指している」と強調。将来ある高校生が痛みを押して無理することなく、万全な状態でプレーできる環境につながることを期待している。【村社拓信】

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記事(提供:毎日新聞/2017/12/23 15:03)

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